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 第3章 6:村人の荷物を運ぶ手伝い

 


 のどかなフローリア村では、朝から村人たちが慌ただしく立ち働いていた。


 農作業に使う資材や、風車の補修用の木材を運ぶ必要があったが、村の道は雨上がりで滑りやすく、重い荷物を抱えた村人たちは苦労していた。


 そこへ立ち寄った冒険者は、その様子を見て手伝いを申し出る。


 村人たちと声を掛け合いながら、滑りやすい場所に板や石を置いて補強し、荷物を一つずつ安全に運んでいく。


 小動物や鳥たちが道端から見守る中、協力の輪は自然と広がり、ついにすべての荷物を目的地まで運びきることができた。


「誰かを助ける小さな力も、村の暮らしを支える大きな力になるんだな」


 冒険者がそんな達成感に浸っていると、今度は広場の方から困り果てた声が聞こえてきた。

 村長のアルファが、どうやら大事なメガネを無くしてしまったらしい。


「これでは書類も読めんし、風車の点検日程も決められん……。

 頼む、探してきてくれ!」


 事情を聞くと、アルファ村長は昨日の夕暮れ、家から畑、川べり、そして広場へと歩いていたという。

 冒険者は村人たちに話を聞きながら、その足取りを辿っていった。


 畑で作業していた農夫のヒルビリーは、「あの時は確かにメガネをかけていた」と言う。


 しかし川べりで釣りをしていた老人バップスは、「水を覗き込んで、頭をぶつけていたように見えたな」と教えてくれた。


 川のほとりを注意深く探すと、草むらの奥で細長い銀色の光が目に入る。

 拾い上げてみると、それは泥で少し曇ったアルファ村長のメガネだった。


 メガネを届けると、アルファ村長は深く息をつき、心から安堵した表情を浮かべる。


「これでなんとか仕事ができる。

 本当に助かった!」


 礼として振る舞われた特製のハーブティーを飲みながら、冒険者は穏やかな時間を過ごした。


 騒がしかった朝はいつの間にか静まり、村には再び風車の回る心地よい音が響いている。


 この日、冒険者は改めて知ることになる。


 派手な戦いや大きな報酬がなくとも、誰かと協力し、誰かの困りごとを解決することが、確かにこの世界を支えているのだと。


 



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