第2章 16:怪しい影の調査
夜の村で、『森や庭先に怪しい影が現れる』という噂が広がっていた。
村人たちは不安そうに囁き合い、皆どこか落ち着かない。
アルファ村長と妻のキャロルは冒険者に調査を依頼する。
私は懐中灯と手帳を手に、影の正体を確かめるため夜の調査に向かった。
森に入ると、木々の間にゆらゆら揺れる影が見えた。胸が少しだけ高鳴る。
その影を追って近づくと、正体は迷子になっていた小さな動物と、風に揺れる枝がつくる影だった。
村で噂されていた『庭先の影』も、花壇や葉の重なりが生み出したただの揺らめきにすぎなかった。
見つけた影の形を手帳にスケッチしながら、一つひとつ確かめていく。恐ろしい存在などどこにもなかった。
翌朝、村人たちに調査結果を伝えると、皆、ほっと胸を撫で下ろしながら笑顔を見せた。
「なるほど、ただの風の影だったのか!」
「怖がっていたのが恥ずかしいなあ」
安堵した村人たちの表情を見て、思わず微笑んだ。
「影に怯えるより、よく観察することが大切だな」
こうして森と村の平和が守られ、人々の安心を支えることの大切さを、あらためて実感した一日だった。




