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第2章 14:村祭りの飾りつけを手伝う
春の陽気に包まれた小さな村。
年に一度の村祭りの準備で大忙しだ。
素材の採取を終えて村へ戻った冒険者は、広場で村人たちが慌ただしく提灯や旗を飾りつけているのを目にした。
「ちょっと手伝ってくれない?」
笑顔で声をかけてきたのは、村人のアスシェークだった。冒険者は快く頷くと、村人たちの輪に加わる。
色とりどりの旗を張り巡らし、花を飾り、提灯を高く吊るす。
初めての作業に戸惑う場面もあったが、村人たちは温かく励ましてくれる。子どもたちも小さな手で飾りを運び、小動物たちが走り回る中、広場は次第に華やかさを増していった。
野菜や果物が並べられ、灯りが整えられていくにつれ、村祭りの雰囲気がゆっくりと立ち上がっていく。
「みんなの笑顔が、何よりの飾りだな」
飾りつけを終え、ふとこぼれた冒険者の言葉に、周囲の村人たちが柔らかく笑った。
こうして、皆で協力して作り上げたその一日は、冒険者にとっても忘れがたい喜びに満ちたものとなった。




