第2章 13:森の迷子を保護する
村の女性サリーとアンジーが、森で遊んでいた幼い子どもが行方不明になったと心配そうに話していた。
ちょうど村に立ち寄っていた冒険者はその話を聞き、すぐに懐中灯を手に森へと向かう。
森を進むうち、風に紛れてかすかな泣き声と「チュチュ」と鳴く小さな声が聞こえた。
耳を澄ませて近づくと、そこには泣きながら茂みに隠れている幼児と、そのそばで不安げに鳴く子リスの姿があった。
どうやら幼児は森の入口で遊んでいるうちに、この好奇心旺盛な子リスを追いかけ、奥へ奥へと入り込んでしまったらしい。
冒険者は二人を驚かせないよう優しく声をかけ、バスケットから果物を取り出して子リスに差し出した。
果物に安心した子リスが幼児の手をちょこんと握ると、幼児もようやく泣き止む。冒険者は二人の歩幅に合わせながら、道順を教えつつゆっくりと村への帰り道を案内する。
森の出口に着くと、子リスは親のもとへ元気よく駆け戻り、幼児は駆け寄ってきた両親にしっかり抱きしめられた。
サリーやアンジーをはじめ村人たちは皆、胸を撫で下ろし、安堵の笑顔を浮かべた。
「小さな勇気が、誰かの未来を守ることもあるんだな」
冒険者は自然と人、そしてちいさな命たちのつながりを感じながら、あたたかい達成感に包まれた日だった。




