第2章 12:湖の水質を調査する
村の外れにある湖の水が濁っている──
そんな報告がヴォーイギルド長のもとへ届いた。
「湖の水質を調べてほしい」
ヴォーイギルド長に依頼を受けた冒険者。
準備をしていると、村の小さな学者バクティアが慌ただしく駆け寄ってきた。
「ねえ、冒険者。ちょうどいいところだったわ。
湖の水を少し採ってきてくれない?
研究の参考にしたいの」
ギルド長の依頼と学者の願い。どちらも同じ湖に関するもの。
もちろん、胸を張って引き受けた。調査道具と、バクティアから渡された簡易観察キットを手に湖へ向かった。
道中は鳥のさえずりが響き、草の匂いが心を和ませる。
湖に近づくと、太陽の光を受けて水面がキラキラと輝いている。
しかし、岸辺の一部では確かに水が濁っているように見えた。
冒険者は湖の周囲を観察した。
川の流れ
土壌の状態
水生植物の元気さ──。
ひとつひとつ確かめていく。
バクティアのキットで水をすくうと、手に伝わる冷たさは心地よいが、場所によっては濁りが強い。
「ふむ……。
どうやら上流が怪しい」
探索を進めた結果、小さな土砂崩れが上流で起き、泥が流れ込んで水を濁らせていることが判明した。
冒険者は村人たちと協力し、土砂を取り除き、流れを整える作業に取りかかった。
数日後。
湖の水は再び澄みわたり、小魚が元気に跳ね、水草もゆらゆらと揺れていた。
その光景を横で見ていたバクティアは、満面の笑みを浮かべる。
「ありがとう、冒険者!
おかげで研究も進むし、湖も元気になったわ!」
冒険者は青く澄み切った湖を見つめながら、静かに呟いた。
「自然の調整も、俺たちが守るべき責任の一つなんだな……」
人と自然の共存を実感した、心に残る一日となった。




