第2章 10:古代の遺跡を探検する
冒険者は、久しぶりに村の周辺を散歩していた。
すると、村の学者エコース老人がゆったりと近づき、声をかけてくる。
「ほほう、君は観察眼がありそうだな。
実は、山中の森にある古い遺跡に、興味深い模様が刻まれていてね。
わしの膝では見に行くのもひと苦労で……。
代わりに記録してきてくれないか?」
冒険者はその頼みを快く引き受け、森の奥へ向かった。
苔むした石組みや、崩れかけた洞窟の入口──
確かに古代遺跡の痕跡がそこかしこに残っている。
慎重に進むうち、石壁には幾何学模様が刻まれ、まるで壁画や祭壇のような痕跡まで姿を現した。
遺跡は脆く、足元も不安定だが、冒険者は注意深く調査を進めた。
石壁の模様を拓本のように写し取り、さらに崩れた石柱の下から『古代のカケラ』と呼べそうな貴重な遺物まで見つけることができた。
村へ戻り、冒険者がその資料と『古代のカケラ』をエコース老人に渡すと、老人は嬉しそうに目を細めた。
「これは素晴らしい資料になるぞ……!
もしかすると、この地に栄えた“ハチュウネ文明”の痕跡かもしれん」
村人たちもその発見に驚き、喜びを隠せずにいた。
冒険者は、歴史を守ることもまた冒険の大切な一部であると、静かに実感する。
このささやかな調査は、長く続く物語の始まりだ。なんとなく、そう思った。




