第2章 8:山道の危険箇所を補修する
村の朝は、鳥のさえずりと薪の香りに包まれている。
村の入口では、年配の管理人アルフィーナ婆さんがほうきを片手に、険しい顔をしていた。
「やれやれ、また山道が落ち葉だらけだよ。この季節は風が強くてねぇ……。
冒険者、ちょいと手を貸してくれんかい?」
案内された『こもれび山道』は、名前の通り木漏れ日が揺れ、心地よい光が降り注いでいた。
しかし足元には落ち葉と小石が敷き詰められ、小さな子どもが滑ってしまいそうなほど危険だ。
さらに奥に進むと、先日の雨で道が崩れかけている場所まで見つかった。
「これは、早めに直しておかないといけない……」
ほうきを受け取り、カサカサと落ち葉を集め、小石を端へ寄せていく。
リスが近くに来ては、葉っぱの山に飛び込んで遊んでいくのが微笑ましい。
掃除を終えると、持ってきた道具を取り出し、崩れた箇所の補修作業に取りかかった。
岩や木材を使って足場を安定させ、滑りやすい部分には平たい石を敷き詰めて安全に整えていく。
作業の間、小動物たちが興味深げに顔をのぞかせ、まるで応援しているかのようだった。
夕方、ようやく作業が終わると、山道はすっかり安全で歩きやすくなっていた。
アルフィーナ婆さんは穏やかな笑みを浮かべて言う。
「おやまぁ、おやまぁ。
見違えるほどキレイになったじゃないか。
ありがとうね。道が輝くと、気持ちまで軽くなってくるよ。」
村人たちもこれで安心して山道を通れるだろう。
胸の内に小さな達成感と温かな誇りを感じた。
「小さな努力が、村の安全を支えるんだな……」
自然と人の暮らしが寄り添う、この村の大切さを改めて感じた一日だった。




