第1章 10:迷子の旅人を案内する
森の小道を歩いていると、草むらの向こうに迷子になった旅人の姿を見つけた。
「すみません……。
村へ行きたいのですが、道に迷ってしまって」
旅人は疲れた表情をしており、手元の地図もぐしゃぐしゃになっていた。
私は笑顔で手を差し伸べ、村まで案内することにした。
森の中は迷いやすく、道の分かれ目も多い。
木々の合間に見える目印や、川の流れを頼りに進む。
旅人は少しずつ安心した表情を取り戻し、途中で見つけた野生の花や小鳥の話に笑顔を見せる。
やがて村の入り口に到着すると、村人たちが出迎えた。旅人は深く頭を下げる。
「ありがとうございます。
無事に村まで来られました」
冒険者はほっと息をつき、村と森の境界に立つ木々を見上げる。
迷子の旅人を助けることも、小さな冒険の一つだ。
森と村、人々とのつながりを実感する一日となった。
「ありがとう、冒険者。
カルコールさんを連れて来てくださったようで」
あの人は、カルコール=チェッカーさんと言う動植物研究をしている学者らしい。10年前にこの村に来たそうだが、森に行くたびに迷子になるらしい。
これからも何度も手助けするような気がする。
なぜか、そう思った。




