プロローグ
「聞いてますか?冒険者?」
ギルドの受付の女性はニッコリと微笑みながら私を見ていた。
私はいつ此処に来たのだろう?
ここはギルド。
私は冒険者。そうだ、私は冒険者だ。
そして私を見てニッコリと微笑むこの娘はレベッカ……。そうだ、確かレベッカという名前だ。
ここは、はじまりの村。フローリア村だ。
私は冒険者だが、その経験を活かして村の困りごとを助けながらのんびり暮らすために此処に来たんだ。
「もう一度説明して欲しいです」
「もちろんです、冒険者。
今話していたのは通貨の話です。
掲示板やクエストの報酬のコインは自分で管理する事もギルドに預ける事も可能です。
ギルドで預かったコインの引き落としは、コインとゴールドの2つの通貨で引き落としが出来ます。コインは世界共通の通貨になり、ゴールドは異世界の通貨になります。
引き落としする時はコインかゴールド。どちらかを選んでくださいね。この場合、10,000コインは105ゴールドになります。
ですが、もし1,000,000コインもの大金をギルドに貯金して戴ければ、あなたは“上得意様”として特別扱いとなります。
その特典というのはですね……
なんと1ヶ月で利息が付くのです!
引き出しは10,000ゴールド単位ですが。
例えば、1,000,000コインが、なんと10,990ゴールドです!」
見本の中の見本的なドヤ顔で説明をしてる。
異世界で使えるとは、いったい何のことだろう?
知ってるようで知らない。
考え込む私を変わらず笑顔で対応するギルドの受付。どうやら預け入れを待ってるようだ。
しかし。私の所持金は……3,000コイン。
「装備はどうしますか?買いますか?」
私が今買えるのは“初期装備”のみのようだ。
今の私の状態は何も装着していない。当然必要だろう。
しかし……。料金は3,000コイン。全財産だ。
万能ナイフと防御の指輪で3,000は得なのか?
「仕事は明日からお願いしますね!」
迷っていた筈なのに購入していた。しかも装備済み。不思議だ。
不思議だけど深く考える暇がない。
「今日はお疲れでしょう?
ゆっくりお休みください」
ギルドの2階が冒険者の宿泊所になっていた。
私は言われるがまま2階の部屋に向かって休むことにした。




