囚われた
オレは学校の廊下で、おしりあたりをサワサワした。
すると、友達に
「お漏らし?」
って聞かれてね。
「オレ…やっぱり垂れてる?」
って質問したんですよ。
そしたら、
「えっ?ガチ⁉︎」
と、笑われましたね…。
そんなことないよって…言ってくれ。
垂れてないよって…言ってくれ。
ってなりましたが、みた感じは大丈夫っぽいけど、気になるならジャージに着替えたら?ってアドバイスもらいました。
いや、どこも濡れてないんよ。
なら気のせいじゃんって終わりました。
垂れてないんです。
ただ…
夢花が好きなんです。
どうしたらいいんですか?
廊下から、夢花のクラスが見えます。
夢花は、またあの男子とゲームの話でもしているんでしょう。
とても楽しそうです。
オレは、男友達といるけどね。
…
どの季節も不正解のタラシは、見向きもされません。
季節…タラシ…
垂れる春夏秋冬…
ゔーん…
わからないので友達に問題を出してみた。
「問題です!タラシの季節とは?」
ってさ。
すると悩んだ友達は、
「タラシ…遊び人のタラシってこと?なら…夏‼︎タラシって、遊び人だよね?夏じゃね?海にいそうだし」
って、イキイキとこたえてくれた。
夏…
てか、タラシって…よくないイメージだった。
そりゃそうだけど…
オレってタラシじゃないよね?
夢花以外にも、他の女子とも話すけどさ…
話すだけじゃん?
なら、夢花のほうがタラシになるんじゃん?
一緒にゲームとかしてさ?
さすがに、女子と話さないのは難しいけど、でも夢花とは、元に戻りたい。
てか、ずっと一緒にいてほしい。
もうさ、オレは思いきって告白しちゃおうかな?
「で、正解なの?」
「オレもわからない」
「はぁ?なんだよそれ?」
って、友達は笑った。
だからオレも、だよなぁって言いながら、笑った。
オレの友達は、よく笑う元気なお子さんです。
そんな放課後…夢花に告白しようと思います。
放課後、待ち伏せしてもよかったけど、夢花は友達と帰るから、家の近くのコンビニで待っていた。
とくに買うものもなく、店内をウロウロして、ひたすら外を監視。
夢花を見逃すと、待っていた意味がなくなってしまう。
まだかな…
まだかな?
しばらく外を見ていると、レジから男性が出てきてオレに話しかけてきた。
もしかしてきみ、ここでバイトしたいの?って。
えっ?ってびっくりしていると、その男性は、ガラスの貼り紙を指差した。
さっきから、この貼り紙を熱心にみていたよね?と。
…
あ、はい。
と、思わず返事していた。
すると、男性がにっこりして
「今度、履歴書持っておいで」
と…
履歴書持参と、いきなりの面接の日取りが決まった。
…
バイト…いつか始めようと思っていたけど…
ま、いいかとコンビニを出たところ夢花が現れた。
「夢花!」
夢花は、オレの声だと気づいて嫌そうに振り向いた。
「夢花、オレ夢花が好きだ」
と、いいきった‼︎
すると夢花は、
「いい加減にしな。二度と話しかけんな」
って、冷たい顔でいいはなった。
すごい一撃…
ドッカーンって、打ちのめされました。
話しかけんなって…
なんでだよぅ…
困ったオレは、夢花に近寄ることすらできなかった。
のに…
二週間後…
いま、オレはコンビニのレジの中で夢花とおじさんと三人でいる。
囚われの身…
てか、夢花もここでバイトをするらしい…
オレに以前話しかけてくれたのは、ここの店長だったっぽい。
店長…
オレはとっても気まずいです。
しかし、なんにも知らない店長は…
「君たち同じ学年で一緒の高校だよね?しばらくシフト一緒にしてみようか、わからなかったらなんでも相談してね。」
と、同じ学年と高校ってことでひとくくりにされてしまった。
とりあえずバイト中は、夢花と話してもオッケーになった。
なので、バイトの先輩に教えてもらってフライを揚げているときオレは
「モモ好きー」
って言ったんですよ。
そしたら、夢花に
「は?」
と、睨まれました…
夢花は、最近…怒りっぽいですね。
もも肉が好きって言っただけなのに…そんな怒らんでもってなりますよね?
なんなんですかね?
どうしましょう…
続く。