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69:最強(狂)タッグ結成。

『こちら24号の森田です。感度どうですか?』

「大丈夫、聞こえてます。今日はよろしくお願いします」

『こちらこそ。一緒に仕事が出来て嬉しいですよ』


 森田さんは、例の採掘者捜索に協力してくれたドローンの操縦者だ。

 更にもうひとり。


『1号の鈴木です。ドローン二機体制で行きます』

「了解しました」

『でも本当にたった二人と一匹と一羽で大丈夫ですかね? 悟く――三石くん、北区の下層での捜索は初めてなんでしょ?』

「はい。でも他に適性な人もいませんし。とりあえずモンスターは彼に任せますからたぶん大丈夫でしょう」


 そう。結局、オーランドの同行が許可された。

 赤城さんたちはいないし、背に腹は代えられないってことだ。

 後藤さんは――「お前は力に溺れる奴じゃない。俺にはわかっているんだ」と、むしろ俺にはわからないことを言って送りだした。


 あのトムとかエディって人は、絶対的な力を見れば誰だって憧れ、そこを目指したくなるものだぜとか言ってたけど、それもよくわからない。

 確かに捜索隊では力があれば、より危険な場所でも活動が出来る。

 力は欲しいと思う。

 でもそれがここを辞めてハンターになるっていうのは、まったく別の、むしろ真逆なことなんだけどなぁ。


 まぁ今回は有難くオーランドに手伝ってもらうけども。

 そのオーランドは、サクラちゃんに何やらレクチャーされていた。


「いい、オーランド。必要以上にモンスターと戦っちゃダメよ」

「why?」

「え? なんて言ったの?」

「どうして、そういう意味」

「あ、どうしてね。どうしてってあなた、一分一秒でも早く要救助者を探さなきゃいけないの。倒しながら進むより、無視できる奴は無視して行った方が早いでしょ」


 オーランドは首を傾げて「一撃で葬るなら早いだろ?」とか言っている。

 強者だからこそ言えるセリフだな。


「ブライト。七十九階は天井が凄く高い洞窟タイプになっているんだ。だから自由に飛べるはずだよ」

「おっ。そりゃいいぜ」

「それに、氷で出来た洞窟だから、君にとっては涼しくていいかもしれない」


 ただし俺たちは寒いけど。

 そんなこともあって、サクラちゃんのアイテムボックスには防寒着を入れてもらっている。

 あと魔導式セラミックスヒーターも。


「じゃ、行こうか」

「うん」

「はーい」

「……本当にこの状態でいくのか?」


 ブライトが嫌そうな顔をするのもわかる。

 俺は今、オーランドをおんぶしている。サクラちゃんはそのオーランドの背中にしがみついて、ブライトは俺の頭の上だ。


 だって俺以外、誰も八十階に行ったことないし、仕方ないじゃないか!

 一度行ったことのある人間しか転移陣は反応しない。一緒に連れていくには密着するしかないんだけど、その時、連れていかれる側の方は地面に足を着けていてはいけない。

 だから方法としては足の上に乗せるか、抱っこするか、おんぶするかのどれかだ。

 足の上に乗せると、顔の位置が嫌なんだよ!


「いいからいくぞっ」

「はぁ……」


 溜息吐くなよブライト。吐きたいのは俺だっての。






「サクラちゃん、ドローンを出してくれるかい? その後で防寒着も頼む」

「わかったわ。ドローンドローンドロドロ、あった。んっしょっと」

「オーランド……何してる?」

「見てわからないのか君は。サクラちゃんの勇姿を記録に残しているんだ」

「そんなのどうでもいいから防寒着。早く着て」


 少しでも急ぎたいってのに。


 八十階でドローンの準備、それから防寒着を着込んで階段を上る。

 ちょっとだけ覗いたことがある程度で、俺のオートマッピングスキルには階段周りしか描きこまれていない。

 目的地がある訳でもないから、とにかく歩き回ろう。冒険者ギルド発行の地図を持って来ているから、スキルでマッピングしたものと照らし合わせながら進むことにする。


「ブライト。寒さは平気か?」

「もちロンんだぜ」

「よし、出発だ。オーランド、先頭頼む」

「……それだとサクラちゃんが見れない」


 ……帰ってもらおうかな。


 はぁ……いつものように俺が先頭か。


「ダイジョーブだサトル。モンスターが出たら僕は即行でKILLするから」


 その言葉は嘘じゃなかった。

 出てくる傍から、モンスターは雷を纏った剣の一閃で真っ二つになっていく。

 中距離攻撃スキルのスラッシュなんだけど、それに雷属性が加わっているのか。

 後付けじゃなく、そういうスキルみたいだ。


「あぁ、そうだ。ポーションは必要ない」

「ん? どういう意味だ、オーランド」

「僕は、ハイ・ヒールも使える」


 無表情で、だけど顎をわずかに上げてそう言った。


 は、ハイ・ヒールって……瀕死の重傷でも治癒してしまうレベルの回復スキルじゃないか。

 他にも剣に聖属性を付与出来るスキルも持ってるっていうし、攻撃と治癒とが上位レベル過ぎる。

 そこにダンジョンベビーという、他のスキル持ちよりも優れた身体能力があるのに、なんかズルくないか?


 俺なんてやっと攻撃スキルを手に入れたばっかりなのに。

 やっぱりズルい。




***************************

作者のせいでずいぶんポンコツになったオーランドくんですが

アメリカのハンターはSAB・・・というランクの他に個人ランキングもありまして。

オーランド君はTOP3に入る実力です。

それなのに・・・どうしてこう、ポンコツになったのかorz

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 >何故オーランドさんはポンコツに まぁリアルでも歴史に名を遺すような天才は変た……ちょっと変わった方もそれなりにいらしたみたいですから、オーランドさんもそのカテゴリーだと思えば(精一杯…
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