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はい、こちらダンジョン捜索隊~自分はレッサーパンダだと言い張る相棒の♀タヌキが、うっかり記録用録画を配信してしまった件。  作者: 夢・風魔
7章

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215/221

215:終結。

「ニコ。ロスに帰りなよ」

「……疲れたからあんたん所の客室に泊めてよ」

「ホテルに泊まって」

「あんたんところもホテルみたいなもんでしょ」

「悟も何か言ってくれよ」


 ホテルとして使わされている俺は、何も言えない。

 ヤケ狩りだーと言ってた彼女は、面白いほど見事に転送装置のある階段へと走って行った。

 で、そのまま地上へ戻って来たと言う訳だ。

 

 もしかしてこの人、方向音痴か?


「お、帰って来たか。悟、お前に客が……あ? ニコじゃねえか。なんだ、戻ってくる気になったのか?」


 エディさんが出迎えてくれた。彼もニコールのことを知っているのか?

 それに今、戻る気にって。


「Hi、エディ。戻る気はないわ。私はオーランドより強くなって目立ちたいの」

「ボクも戻って来て欲しくないな。ニコが騒がしいし」

「なんですって!! 私のどこが騒がしいっていうのよっ」


 たぶん、そういうところ。

 しばらく彼女はあーだこーだと言っていたが、やがて何かを思い出したようにピタっと止まった。


「エディ、泊めてよ」

「俺の部屋にか?」

「死ね」

「冗談だって。部屋なら空いてる。ゲストルームの3を使え。1は彼が使ってるし、2は今日来たゲストが使う」

「わかったわ。3ね。ありがと」


 それだけ言うと彼女は正面のエレベーターへと向かった。


「で、悟。お前さんに客だ」

「え、俺にですか?」

「まぁでも呼んだのはオーランドだ」

「そう、ボクが呼んだ」


 誰を? もしかしてゲストルーム2を使うっていう人か?

 俺たちもエレベーターで上に行くために歩き出す。

 ちょうど到着したようで、ポーンっと音が鳴ってドアが開いた。

 すぐに駆け込むニコールが、降りようとした人とぶつかる。


「キャッ」

「わっ」


 二人は短い悲鳴を上げ、バランスを崩したニコールを降りようとした男が咄嗟に支えた。

 男が彼女の腰に手を回し、ぐいっと引き寄せる。

 まるでダンスのワンシーンを切り取ったような構図だ。


 で……。


「オーランド。呼んだってまさか」

「うん。真田だ」


 今、ニコールと見つめ合っているのは真田さんだった。

 あ、視線を逸らした。

 こっち見た。


 あれは助けを求めている目だな。

 仕方ない。


「大丈夫か、二人とも」

「や、やぁ三石くん。俺は大丈夫。えっと、この人が」

「ニコールさん、大丈夫ですか?」


 なんだろう。ぼぉっとしてるようだけど。


「足、挫いたりしていませんか?」


 翻訳機からちゃんと英語は出ているんだけど、通じてない?


「Hi、ニコ。ボクの親友その二の真田から離れろ」

「はぁぁ? あんたの親友ですって!? この……彼……が……」


 ん? ニコールの顔が急に赤くなりはじめた。

 な、何かの状態異常か!? モンスターから変な毒攻撃を喰らってたんじゃ??


「あら」

「まぁ」


 サクラちゃんとヨーコさんが、ニマニマした顔で二人を見つめている。

 ん? どうしたんだ?


「真田、今助けるぞ!」

「オーランドぉぉ」


 状況がよくわからない。隣でエディさんも笑っている。

 そして――。


「お前ら……エレベーターが、止まったままだろうが! こんなところで、遊んでんじゃねぇっ」


 と、エレベーター脇の階段を駆け下りてきたトムさんが、肩で息をしながら叫んだ。






「ええぇぇぇ、も、もうレベル160!? 早すぎないですか?」

「悟たちにはそれだけの実力があったんだよ。ボクは知ってた」

「明日から俺も参加しますんでっ」


 参加って……レベリング?

 それは心強いけど、なんで彼がここに?


「オーランド。なんで真田さんを?」

「ん? 隠しダンジョンのボス攻略のために呼んだんだ」

「呼ばれました。三石くんところのおじさんの体を、健康な状態に戻すため、でしょ?」


 真田さんに話したのか、オーランド。

 いや、別に口止めもしていないし話されて困る事でもないけど。

 でも……真田さんまで父さんのことを……。

 こんな嬉しいことって、あるだろうか。


「隠しダンジョンのボス攻略ですって! オーランドたちもそれを狙っているわけね」

「え、まさかニコも?」

「そうよ。だから01ダンジョンの最下層を目指していたんじゃない」


 01ダンジョン?

 あ、もしかしてアメリカで最初に出現したダンジョンのことか。

 あの日、アメリカで出現したダンジョンは三つある。でも同時じゃなく、数時間の時間差があった。

 一番最初に出現したのが、オーランドが生まれたあのダンジョンだ。次はロサンゼルスで、その次がワシントン。


 ん? 01を攻略していたって……俺たちがさっきまでいたのは、01じゃなくブルックリンのダンジョンだったんだけど。


「ニコ。君が攻略していたのはブルックリンのダンジョンだ。01じゃない」

「……そう。じゃ、明日、案内してよ」

「嫌だ」

「なんで案内しないのよ!」

「案内してやる理由がない」

「案内してってばっ。してよ!」

「嫌だ」

「だからあんたは友達がいないのよ!」

「友達がいないのはニコだろう? ボクにはこんなにたくさん友達がいるんだ」

「ぐぬぬ……あんたに友達がいるなんて……く、悔しくないわよ!」


 ……。


「真田さん、時差ぼけとか平気?」

「あ、飛行機の中で寝てしまったから、今夜眠れるか不安なんです」

「じゃあお腹空いてるんじゃ?」

「はい。なんかここのハンタービルにお店も入ってるって聞いたんですけど」

「じゃ、ご飯行こうか。みんなも行こう」

「そうね、行きましょ」

「ウチお腹ペコペコぉ」

「あなた。明日から私たちも行こうと思うの」

「え? ツララ大丈夫なのか?」

「へーきだもん。ツララも飛べるようになったんだしっ」

「偉いぞぉ、ツララぁ」

「ケッ」


 今夜は何を食べようかなぁ。



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