208:スレッドと出張命令。
名無しのレッサーパンダファン
悟くんと握手したぜ!
名無しのレッサーパンダファン
ま?
なんでよ?
名無しのレッサーパンダファン
西区のダンジョンに酔っ払いが入ろうとしてて
それ止めたら悟くんがちょうどいてお礼言われたんよ
名無しのレッサーパンダファン
ま?
おい東京羨ましいな
名無しのレッサーパンダファン
サクラちゃんとは悪手したのか!
名無しのレッサーパンダファン
聞かないでくれ・・・
名無しのレッサーパンダファン
悟くんとの熱い抱擁だけで満足したんか
名無しのレッサーパンダファン
アッーーーー!!
名無しのレッサーパンダファン
てかさ
捜索隊の人らがいっつも命がけで救助してるってのに
なんでバカが多いんだろうな
名無しのレッサーパンダファン
それな
冒険者は百歩譲ってしゃーないとして
一般人はサクラちゃんやヨーコさんの手を煩わせるなって
名無しのレッサーパンダファン
まぁ今月末から入口にゲート出来るって話だから
完全に一般人の進入は出来なくなるだろ
名無しのレッサーパンダファン
なんでもっと早くに出来なかったんだろうな
名無しのレッサーパンダファン
まぁ実際はダンジョン管理って国がやらなきゃいけないんだよな
中で採取出来る資源は国の買い上げなんだし
冒険者は公務員の代わりに中に入って資源掘って来てるようなもん
名無しのレッサーパンダファン
実際はモンスター素材で一攫千金だけどな
ただ国が管理は正しい
ダンジョン資源ないといろんなエネルギーが手に入らないわけだからな
名無しのレッサーパンダファン
ほいでATORAが代理で管理するってことだろ?
名無しのレッサーパンダファン
国から委託料ちゃんと貰ってるのかね?
名無しのレッサーパンダファン
ゲートの通過って無料なのか?
金取ればいいのに
名無しのレッサーパンダファン
ゲート設置後は金取られる
センサーがついてて冒険者カードと連動して自動引き落とし
名無しのレッサーパンダファン
マジか
名無しのレッサーパンダファン
通行料:百円
名無しのレッサーパンダファン
安すぎwwwww
名無しのレッサーパンダファン
まぁこういう金額だから文句言う冒険者もいないだろう
名無しのレッサーパンダファン
ダンジョンって一日何人ぐらい入ってんだろう?
名無しのレッサーパンダファン
日帰りって実は二割ぐらいしかいないからなぁ
だいたい二泊か三泊するし
それでも出入りしてる人数はひとつのダンジョンで二百はいるんじゃないか?
名無しのレッサーパンダファン
一日二百人で二万円なり
ATORA赤字じゃん
名無しのレッサーパンダファン
あとは国からの委託金で一日どのくらい貰ってるかだよな
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
例年よりも穏やかな正月を送ることが出来た。
今年は一般の人も冒険者も、酔っ払いの抑止に手を貸してくれている。
最近はそういう人の優しさを、よく見るようになった。
前はそんなことなかったのに。
そんな話を待機室でしていると。
「なんだか三石くん、お年寄りみたいなこと言ってるわ」
「昔を懐かしむおじいちゃんだな」
「三石……お前まだ二十二歳だろ?」
「過去を懐かしむのは早いって」
なんて言われた。
いや別に懐かしんでないですから。
なんて話をしていると、待機室に後藤さんがやって来た。
「おい、三石。社長室までこい」
「え、来てるんですか?」
「あぁ。ほれ、早く来い」
新年の挨拶の時には出動していて、今年も聞いていない。だいたい毎年そうだった。
でも呼ばれたの俺だけだし。
いや、後ろからサクラちゃんたちも着いて来ている。
なんだろう?
「社長、連れて来ました」
そういいながら後藤さんは社長室のドアをノックした。すぐに金森さんがドアを開けてくれる。
中へと入ると、疲れた顔をした社長がいた。
珍しくカップでコーヒーを飲んでるな。
「あれコーヒー牛乳よ。相変わらずお子様舌なのねぇ」
「え、コーヒーじゃないのか?」
「ニオイでわかるわよぉ」
「うんうん」
「そこ、私語は慎め。それとコーヒー牛乳のどこが悪い。ちなみにこれはホットコーヒー牛乳だ。レンチンした」
レンチンかよ!
「ズズズゥー。んま。オホンッ。あー、端的に伝えるぞ。三石」
「はい?」
「お前、次の誕生日までアメリカ出張な」
……はい?
「ニューヨークだ。ニューヨークに出張だ。高難易度ダンジョンに行って経験値を稼いで来い」
「え、あの……」
「ついでだから隠しダンジョンでの捜索救助活動のシミュレーションもしてこい」
「か、隠しダンジョンって。でもこっちは――」
「心配するな、悟。しばらく俺も現場復帰することにした。それに、捜索隊への転職を希望している冒険者も十人ぐらいいてな」
ご、後藤さんが現場復帰!?
後藤さん、今年で五十一歳じゃないか。大丈夫なのか?
でも転職希望の冒険者か。冒険者ならダンジョンのことも分かっているし、即戦力になる。
「実は今な、アニマルが飽和状態なんだ。何匹かは近県に配属させてはいるが、どこかでテレビを見たんだろうな。うちに直接くる動物たちが結構いるんだよ」
その動物たちとパーティーを組む人間の社員がようやく確保出来たってんで、さっそく現場訓練を始めるそうだ。
なるほど。人手に余裕が出来るのか。
「でもなんで急にアメリカなんですか?」
「ん? それは……なんででもだ! これは社長命令。絶対だ!」
「三石くん、申し訳ないがプライベートジェットは来週、機体整備のために飛べなくなるんだ。だから明後日出発でよろしく」
「あ、明後日!?」
なんでこんな急なんだ。父さんのことだってあるのに……。
ん? 父さんのこと……。
で、でも、オーランドからの電話の内容なんて誰もしら――いや、言っているのがいた。
振り向くと、サクラちゃんとヨーコさんがニコニコして立っていた。




