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はい、こちらダンジョン捜索隊~自分はレッサーパンダだと言い張る相棒の♀タヌキが、うっかり記録用録画を配信してしまった件。  作者: 夢・風魔
7章

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206/220

206:知らせ。

「送信っと」


 喜べ、感謝しろ。振袖のサクラちゃんとヨーコさんだぞ。

 

 帰宅して、プロのカメラマンが撮影した、オーランドご希望の写真を送りつけた。

 振袖といっても、それっぽく見える別物だ。マジックテープやボタンで留めるだけのもの。

 ツララはオレンジ色のファーとかいうのを巻いてもらいご満悦だった。リボンも付けてもらったしな。

 何故かヴァイスはタキシード。なんで?


「オレはペンギンだ!」


 と、普段はクールなふりをしているヴァイスが、珍しくはしゃいでいた。

 キコやハリー、他の連中も来ててもうわちゃわちゃだったけどな。

 あれを日付変更までに公式サイトのTOPに飾るための作業を、広報の人が今頃やってるんだろうなって思うと同情してしまう。


 なんて考えていると、ピコンと着信音が鳴った。

 続いて電話のベルが鳴る。


「ん?」


 スマホの画面には、メールの着信がオーランド、電話の着信もオーランドと表示されていた。

 何やってんだよ、あいつ。


「はい『Hi。もしかすると見つかったかもしれない』は?」

『あとメール見た?』

「送信してすぐ電話しただろ。見れるわけない」

『そうか。じゃあ見てくれ』


 ……こんの野郎。

 メールを開くと、英語と日本語が入り混じった長文が送られてきていた。

 要約すると「ありがとう」だ。


「長すぎ」

『あと百通送ってもいいぐらいだ』

「ブロックするぞ」

『見つかったかもしれない。パソコン開いてるかい?』


 話題を変えてきたな。

 パソコン、パソコンっと。


「見つかったって、何がだよ」

『パパさんの体を治す方法』

「ふーん」


 電源入れて――


「で、パソコン開いたけどはああぁぁぁぁ? な、え、どういうこと?」

『検索。ハンターランキング一位。ジャック。隠しダンジョンから生還』

「ま、待て。ランキング一位? えっと……え、隠しダンジョン!?」


 震える手でキーボードを叩く。


「悟くん? 悟くん、どうしたの?」

「大きい声出して、なんかあったと?」


 部屋の外でサクラちゃんとヨーコさんの声が聞こえた。


「い、今調べものして――あった! これかっ」

「悟くん?」

「調べもの見つけたん?」


 その声が近づいてきていることには気づいたが、それよりも俺の視線はパソコンのモニターに釘付けになった。



 アメリカハンターランキング一位。

 レベル228のジャック。ニューヨークの隠しダンジョンから無事生還。

 アタック時、二つの六人パーティーで挑むも、生きて戻って来たのはわずか二人……。



「うわっ。うちらが入った西区の時より大変なことになっとるやん」

「でもこれ見ると、隠しダンジョンの最下層まで行ったみたいね。ほらヨーコちゃん、西区の隠しダンジョンは三階までしか下りてないじゃない」

「あ、そっか。え、じゃああそこも下の方は強いモンスターばっかりなんやろうか?」

「そうかもしれないわねぇ。で、アメリカのこのニュース記事がどうしたの?」


 そ、そうだ。これがどうしたっていうんだ。


「おい、オーランド。記事を見たけど、これがどうしたっていうんだ」


 スマホをスピーカーモードにする。


『ここからオフレコだ。ジャックは十人犠牲にして戻ってきた。無傷で』

「ランキング一位だろ。そりゃあ『二位のダニエルは死んだ』え……」


 アメリカのハンターランキングの上位十位以内の人間は、ある意味、世界TOPクラスと言ってもいい。

 こいつ――オーランドもそうだ。

 そのオーランドよりも強いランキング二位が……死んだ。しかも一位と一緒に潜ったダンジョンで?


『それに本人が言ってるんだ。上半身と下半身が真っ二つになって、死にかけたって』

「は? だってさっき、無傷だって」

『あぁ。ダンジョンから出てきたとき、ジャックは確かに無傷だったんだ。もうひとりの生存者、グレースもね。ただ彼女は意識を失っていて、今も病院のベッドで眠っている』


 十人も犠牲者をだして、生存者は無傷?


「ち、治癒系スキルとかポーションじゃないのか?」

『確かにハイ・ヒールやハイ・ポーションは、切断された手足も切り口が綺麗ならくっつけられるけどね』


 あと切断から数分以内じゃないとダメってのもある。

 だけどくっつけられるんだ。

 出来ないのは再生。欠損部分がなくなっていると再生は出来ない。

 まぁちょっと肉を齧り取られたりとかは再生可能だけど。

 研究者の見解だと、握り拳一個分ぐらいなら再生出来るようだってこと。


『上半身と下半身が真っ二つになって、それをポーションで繋げられると思うか?』

「……ど、どうだろう。正直言って、わからないよ。だいたいさ、そうなったら即死する確率の方が高いだろ?」

『あぁ、まぁね。即死しなかったのはさすがナンバーワンってことだろう。ちなみに、生存者の二人は治癒系スキルを持ってない。ポーションの在庫もなかったそうだ』


 じゃあ、なんで無傷で?


『ジャックはね、Wardenに叶えてもらったって言ってるんだよ』


 Warden? えっと……管理人、監督、看守?

 叶えてもらったって、いったい何を。


『ジャックが願ったのは、五体満足、生きてここを出る事――』

「その願いを看守、ウォーデンが叶えたと?」

『ボス討伐報酬。そう考えればいい』


 願いを叶える討伐報酬だって!?


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