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はい、こちらダンジョン捜索隊~自分はレッサーパンダだと言い張る相棒の♀タヌキが、うっかり記録用録画を配信してしまった件。  作者: 夢・風魔
7章

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205/219

205:末っ子。

『Hi、悟。本題を忘れていたんだ』


 その夜、再びオーランドから電話がかかってきた。


『クリスマスパーティーの写真を送ってくれ。君のじゃない。サクラちゃんとヨーコさんとブライト一家のだ。君のはいらない』


 ……俺のはいらないと言われて、ここは喜ぶべきなのか悲しむべきなのか。

 しかし写真って……。


『サンタクロースやトナカイのコスプレイをしたのだろう? だから写真プリーズ』

「いや、してないよ」

『……Why!?』


 バンっと何かを叩く音が聞こえた。


「何故って、家族旅行にいってたからだよ。後藤さんの一家も一緒――」


 しまった。

 オーランドには両親がいなかったんだった。

 俺と違ってこいつは、まさに命がけで母親が産み落とした子で……俺は後藤さんがいてくれたのもあって、両親が生きてる。

 家族旅行に行ったなんて、オーランドの前では言うべきじゃなかったのに。


『旅行? いいね、悟。そういうのを親こうとうって言うんだろ?』

「……言わないからな」

『Oh my God!?』


 どの「こうとう」だよ。価格か? 口で伝えるのか? それとも投げるのか?


「それを言うなら、親孝行、だ」

『こーこー。OK』


 何がOKなのか、心配だ。


『僕も家族旅行いったよ。クリスマス前だけどね。グランマとノース・カロライナにね』

「グランマ? あ、あぁ、おばあさんとか」


 そっか。あいつにはおばあさんがいるんだったな。優しそうなおばあさんだった。

 そうか。家族がいるんだよな。


 二人でお互い行ったところの土産話をしばらくし、来年はもっといい所に連れて行こうと思った。

 なんだよ、七泊八日って。

 ビーチ? 滝巡り? ゴーストツアー??

 めちゃくちゃバカンスじゃないか。


 せめて俺も、北海道とか沖縄に……父さんの体が、動くうちに。


『悟。世界にはまだまだボクらが知らないスキルやアイテムがある』

「オーランド?」

『それを獲得した者は、独占するために情報を非公開にすることが多い。だからきっとあるはずだ』

「なんのことだよ」

『君のダディの体を治す。その手掛かりさ』


 ……オーランド。


 あぁ。俺今、諦めかけてた。

 父さんの体が動くうちにだなんて。治らない、治せないことを前提に考えてた。


 バッカだなぁ、俺。

 オーランドの言う通りだ。

 この前の隠しダンジョンの件だってある。利益を独占出来るとわかっていれば、その情報を公にしないなんてあたり前みたいなものなんだ。


 きっとある。どこかにある。


「ありがとう、オーランド」

『No problem。だからNew yearにはサクラちゃんたちの浴衣写真を送ってくれてもいいんだよ』

「……オーランド。正月は浴衣じゃなくって着物なんだけどな」

『oh。じゃあ着物だ。よろしく』


 そう言うと、オーランドは通話を切りやがった。

 いや待てよ。サクラちゃんたちが着れるような着物なんてないから!!






「あるぞ」

「……なんで社長がいるんですか」


 翌日、出勤して待機室でオーランドとの通話のことを話していたら、社長が現れた。


「撮影依頼に来たからだ。おい、公式サイトに載せる新年の挨拶写真を撮るぞ」

「新年のって……社長、今日が何日だかわかってるんですか?」

「明日がその新年よ。それを今から撮影だなんて」

「社長なのにスケジュール管理下手くそばい」

「スケジュールは金森に任せてある。悪いのは金森だ」

「嘘つけ。ついさっき思いついたんだろうが。そもそもサイトのTOPに張る写真の撮影は、二週間前に終わってたし、なんだったら挨拶文を入れたデータも完成してただろうが」


 金森さんが今日も怒っている。

 高校からの同級生だって話を以前聞いたけど、この人に付き合うのも大変だったんだろうな。


「心配ない。画像を差し替えるだけだ。写真さえあれば五分で出来る!」

「やるのはうちの広報でしょうが」

「ビルの画像なんかより愛らしい動物の方がアクセス数伸びるだろうが!」


 ビルなのか……。


「やだぁ、愛らしいだなんてぇ」

「それほどでも~」

「「あるけどね~」」


 あぁ、こっちはこっちで撮られる気満々だ。


「ツララもっ」

「あぁ、ツララも入っていいぞ~」

「わぁ~い」

「その写真。僕らにも横流しするっていうなら、許可してあげてもいいけどね」

「額縁もくださるとうれしいわ」

「任せろ」


 あぁあ。のせられやすい連中だなぁ。


 ま、いっか。

 オーランドに送る写真が撮れるんだし。どうせならプロのカメラマンに撮ってもらった写真を送ってやるか。


「じゃあ社長。その写真データ、俺にも送ってください。サクラちゃんたちの保護者として許可しますんで」

「え!? あらやだ待って。私が悟くんの保護者だと思ってたのに」

「……え」

「そうやねぇ。悟は一番末っ子ばい」

「……なんで」

「なんでって、ねぇ~?」

「ねぇ~」


 いやだからなんで……。


「よぉし。そうと決まれば撮影だ。さぁさぁ行くぞ!」

「「あ~い」」

「末っ子~。君は荷物持ちな」


 ……えぇぇぇ。



明けましておめでとうございます。

カクヨムではこの回の投稿が12月18日。

そしてなろうでは元旦・・・

作中は大晦日。

うまくタイミングがあわないもんですね・・・

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。明けましておめでとうございます! 一見ふざけてるようでも、きちんと友人の聞きたいことをアドバイスしてあげるから優しいですよねオーランド。いやマジでふざけてた可能性も有りますがww …
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