127:その頃の本国捜索隊とスレッド
名無しのレッサーパンダファン
上野生成からずっと配信なくね?
名無しのレッサーパンダファン
配信ならされてるだろ?
名無しのレッサーパンダファン
サクラちゃん……
名無しのレッサーパンダファン
サクラちゃああああぁぁぁぁぁん
名無しのレッサーパンダファン
悟くんの配信がねーんだよ
なんかあった?
名無しのレッサーパンダファン
おいやめろ
不吉なフラグ立てんな
名無しのレッサーパンダファン
そういやさ
最近悟くんの出勤、みないんだよな
名無しのレッサーパンダファン
出勤っておまw
え? ストーカー?
名無しのレッサーパンダファン
ちげーしww
マジレスすると俺の勤務先が捜索隊本部から近い
あの人っていうとり、ブライトが見える
悟くん出勤時はブライトが飛んでるからさわかりやすいんだよ
名無しのレッサーパンダファン
え
リアルで見れるの?
裏山
名無しのレッサーパンダファン
捜索隊本部に聞いてきてくれよ
サクラちゃんはどうしたのかって
名無しのレッサーパンダファン
顔バレするだろwww
名無しのレッサーパンダファン
草生やしてないでいけよ!
サクラちゃんファンの同士だろ!
名無しのレッサーパンダファン
なぁ頼む……生きてるって言ってくれ
名無しのレッサーパンダファン
だからフラグ立てんな!
名無しのレッサーパンダファン
そういや捜索隊と言えばさ
最近新入社員増えてるじゃん?
動物部隊も大量投入してるし
新たなアイドルの出現もありえる?
名無しのレッサーパンダファン
おいお前!
なんてこというんだ!
名無しのレッサーパンダファン
サクラちゃん以上のアイドルがいるわけねーだろ!!
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俺はやるぜ! 俺はやるぜ!!
今日はついに人間とのチーム結成だぜ!
へっ、へっ。
俺は誰と組めるんだろうか。誰であっても俺は歓迎するぜ!
一緒に働こうぜ! いっぱい人助けしようぜ! いっぱいモンスターを倒そうぜ!
「よぉし、全員集まったな」
「うおおおぉぉぉぉぉ!」
「あー、ハリーは少し落ち着こうな」
「うおおぉ!」
「雄叫びが短くなっただけか……まぁいい。先日チーム分けをしたばかりで悪いが、状況が状況だ。勘弁してくれ。ただ新たにうちに入った十三名が仕事に慣れる頃に、また再編成をし直すことになる」
十三人!
じゅう……ウォン?
いち、に、さん、よん、ご、よく、なな、はち、きゅ、じゅ、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうよん、じゅうご、じゅう……ウォン?
俺たちアニマル隊だけでも、えっと……十六以上いるぞ!?
お、俺たちが数に入ってない!?
「おおぉ、俺たちっ――」
「発表するぞ。ん? どうしたハリー?」
「いいぞ!」
「ん? ま、まぁいいのなら……赤城チームはラスティを加えたチームを継続。曽我、新入社員の大塚、花園、ハリー、キコ――」
「う……」
うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
俺だぜ! 俺の名前が呼ばれたぜ!
俺!
大塚って献身スキル持ってたおっちゃんだったぜ!
花園……誰!?
キコ!
キ……キコオオォォォォォォ!?
「ちょっと何よ。あたしがかわいいからってじっと見てんじゃないわよっ」
「ウォンウォンウォンウォン。痛い痛い」
「頼むから静かにしてくれ、ハリー。あとキコ。ハリーの頭を突くんじゃない」
「は~い」
「クゥ~ン」
セキセイインコのキコは、とても狂暴な雌だぜ。
すぐ突いて来るんだもんよぉ。
でもまぁ、痛いって言っちまうけど、本当はそこまで痛くない。
不思議だ。痛くないのに痛いって言ってしまう。
この前そのことを後藤兄貴に話したら、それは条件反射だって言ってた。
よくわからないぜ!
他メンバーの発表も終わって、俺たちは別の部屋に移動したぜ!
「曽我です。えっと、実は年齢で言うと自分が一番若手なんですが、その……」
「ここでの勤務は君が一番長いんだ。君がリーダーだろう。敬語は必要ない」
「そ、そうです。あ、わ、私、は、花園、由香です。よ、よろしく願いしますっ」
「ハリーだぜ! シベリアンハスキーだぜ! 分身が使えるぜ!」
「あたしはキコよ。かわいいかわいいキコちゃんよ。触ったら火傷するんだから」
ウォン!?
キ、キコは火傷スキルなんて持ってたか!?
たしかキコは怪音波とマッハ弾と、変な生き物を召喚出来るスキルだったような!?
「えっと、敬語はその、追々ってことで……じゃまず、なんのスキルを持っているかお互いに確認しましょうか。チーム編成の書類には書かれていますが、自己紹介も兼ねて」
大賛成だぜ!
曽我兄貴は四年前から捜索隊で働くベテラン隊員だぜ!
音もなく、一瞬で移動出来る『瞬歩』ってスキルがあるぜ!
それからヘイトスキルの『咆哮』!
さらに『火の壁』! 地面から炎がボォーっと湧き出て、壁みたいになるんだぜ!
キコ、飛び込むなよ!
大塚の兄貴は『献身』『持続回復』それと――。
「『二刀スラッシュ』だ。両手で武器を装備した時にしか使えない。実は左腕が義手で――」
大塚の兄貴は冒険者やってるときに左腕の先を失くした。義手では武器を上手く握れず、それで冒険者を引退したって話してくれたぜ!
けど、ここの技術部ってのがスッゲー義手を作ってくれて、また武器を握れるようになったんだぜ!
ピカピカしててカッコいいんだぜ!!
それから――。
「え、えっと、あの、ス、スキルは、アイテムボックスが、使えます」
「ってことで、このチームでは備品の持ち運びの上限数を気にせず動けます」
「は、はいっ。あ、あと、雷の魔法が……えっと『サンダー』が使えます。あ、でも、あまり使っていないのでその、レベルは低いです」
「大丈夫だぜ! 俺たちアニマル隊もみんなレベルが低かったぜ!」
「そうよ。この犬なんて、分身の数はたった三匹なのよ。もっと増やしなさいよ!」
クゥーン……。
「あ、あと、あとですね。も、物を浮かせるスキルが使えます」
「物を……浮かせるだけなの?」
「は、はい……こ、こうやって浮かせて――」
花園の姉御が触った椅子が浮いたぜ!
「ちょんって押すと、動くんです」
「おおおぉぉぉぉぉぉぉ!! 凄いぜ! 凄い!」
「うん。このスキルで人命救助のスピードが早くなると思います」
え? どういうことだ!?




