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102/121

102:ポチィーッ!

名無しのレッサーパンダファン

 配信始まった!


名無しのレッサーパンダファン

 待ってました!


名無しのレッサーパンダファン

 生成直後の映像って、初めてじゃね?


名無しのレッサーパンダファン

 外国だと生成に巻き込まれた人がスマホ撮影した映像とか出てるけどな

 正直、その辺のホラー映画より怖いしスプラッタもある

 あれ見た時数日、肉料理食えなくなった


名無しのレッサーパンダファン

 海外はそういった規制緩いからなぁ

 モロ死体が出てる映像も多いし 


名無しのレッサーパンダファン

 まって

 捜索隊の大丈夫か?


名無しのレッサーパンダファン

 我らが捜索隊映像処理班なら、コンマ一秒でモザイク入れてくれるはずだ


名無しのレッサーパンダファン

 これ生存者の救出が終わった状態じゃん


名無しのレッサーパンダファン

 終わった!?

 じゃあなんの配信だよ


名無しのレッサーパンダファン

 字幕解説でた


名無しのレッサーパンダファン

 は? スタンピードが発生中?


名無しのレッサーパンダファン

 ヤバイヤバイヤバイ


名無しのレッサーパンダファン

 俺、上野の近くなんだけど

 非難した方が良い?


名無しのレッサーパンダファン

 これスタンピード討伐戦の実況!?


名無しのレッサーパンダファン

 後藤さんの話が胸熱


名無しのレッサーパンダファン

 お茶の間に死体映すな=お前ら死ぬなとか惚れるやん


名無しのレッサーパンダファン

 まって

 ドローンカメラ3の映像!

 赤城さんが猫抱っこしてる!


名無しのレッサーパンダファン

 かわいいいぃぃぃぃ


名無しのレッサーパンダファン

 デブ猫めちゃくちゃ迷惑そうな顔してるやんw


名無しのレッサーパンダファン

 いやこの猫は救出したんじゃないのか?


名無しのレッサーパンダファン

 この猫知ってる

 タバコ屋の秀さん


名無しのレッサーパンダファン

 なんだその仕事人みたいな名前は


名無しのレッサーパンダファン

 スキル持ちでたばこ屋の店番してる猫


名無しのレッサーパンダファン

 それどこ教えて


名無しのレッサーパンダファン

 てか動物多くね? カラスとかハトとか犬もいるし


名無しのレッサーパンダファン

 他県からも冒険者の応援とか来てるらしいな


名無しのレッサーパンダファン

 最終決戦みたいな映像


名無しのレッサーパンダファン

 尚、先頭にデブ猫抱えてにこにこ笑ってるイケメンがいる


 

 



「ふかふかだねぇ。ふかふかだぁ」


 赤城さんは、幸せそうだった。

 幸せそうに秀さんを抱きかかえて歩いていた。

 普段からにこにこしている赤城さんだけど、五割増しの笑顔だ。

 そんなにこにこ笑顔の赤城さんを、みんなスルーしてモンスターの駆除をしている。

 赤城さんは何もしていないのか?

 否。片手で剣を振り、モンスターを薙ぎ払っていた。


「赤城さん……なんだか怖いわ……」

「秀の野郎を抱いて嬉しいのか、モンスターを一刀両断にして嬉しいのか、どっちなんだよ」


 サクラちゃんとブライトもドン引きだ。


 秀さんを抱っこしたまま、赤城さんが戦闘で前線を動かす。

 十字路まで来たら、冒険者が通路を塞ぐようにしてモンスターの進行を防ぐ。

 防衛ラインをいくつも作って、同時に複数個所の戦闘エリアを作る。


 それぞれの防衛ラインでは後方支援、そして交代要員もいる。

 疲れれば交代。これが鉄則だ。


「悟っ。お前、壁を走ってモンスターの後方にこれをバラ撒いてくれ」

「これ? なんですか、これ」

「開発チームが社長命令で作ったヤツだ。これが遠隔スイッチだ。ポケットにでも入れておけ」

「いや、どういう仕様のものなのか教えてくださいよ」

「設置型火炎放射器、だ」


 ……火炎放射器って、設置するものだった?

 しかもこれ、えぇっと……見た目は円形のお掃除ロボ?

 それより少し小さく、厚みがある。

 どこから炎が噴き出すのかもわからない。


「後藤さん、こっちの面が上ね」

「おぉ、そうだサクラ。底面には吸着装置があるから、放り投げるだけでセット出来るぞ。ただな、こいつは燃料投入型だから、今回は使い捨てだ。後で回収するけどな」

「回収って、モンスターに踏まれまくって壊れるんじゃないの?」

「頑丈に出来てはいるんだが、まぁ壊れそうだよなぁ」


 二、三日続くスタンピードの間踏まれ続ければまぁ……。


 ……天井なら?

 

「後藤さん。それ、天井にもくっつけられますかね?」






 結論――。


「はい、悟くん」

「はい、サクラちゃん」


 前抱っこで紐に収まったサクラちゃんが、アイテムボックスから設置用火炎放射器を取り出し俺に手渡す。

 お掃除ロボのような形をしたソレを、壁走りをしながら壁――じゃなかった、天井に向かってポイッ。

 防衛ラインから数百メートル先に、あるだけどんどん貼り付けて行った。

 

 Uターンして。


「サクラちゃん、スイッチ!」

「ポチィーッ!」


 一斉に天井から火柱が伸び下がり、その下で押し合うモンスターに向かって襲い掛かる。


「ねぇ悟くん。あそこにね、油でも撒いたらよく燃えるんじゃないかしら」

「……ど、どうだろう?」


 サクラちゃん怖っ!


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