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後日談
6月。専門学校の無償化が決まった。
あたしたち、お嬢様サイエンスクラブのメンバーは、同じ商業専門学校へ進学することになった。そこでは、経済学や税金についてなどの知識が学べるのだ。起業する人が増えて、経済の専門家の需要が高まっていた。
あたしたちは、また、いっしょにいられる。
公園のゴミをひろいながら、美紅がはしゃいだように言った。
「乙女! ゴミひろい競争じゃ!」
「それなら、わたくしが一番ですことよ!」
美紅もエリーも元気が良くて……あたしも元気良く、シュウちゃんに向かって言った。
「岸ほど好きになれる人って、いないな! 早く告白すれば良かったよ!」
シュウちゃんは、あたしを見ながら言った。
「岸はね、本当に乙女のことが好きだったのよ。だからXデイ計画が実行出来たんだと思う」
「そうだといいなぁ……」
★
それからしばらくして、岸に判決が下った。
実刑5年。執行猶予なし。
岸の犯行は、悪質な組織犯罪と見なされた。あたしが想像していたより刑は重かった。
あたしは岸に「あたしと結婚して」という手紙を書いた。
【終】