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モンスター託児所のジール  作者: ネジマキノ ショウコウ
第四章 獣人族の女の子編
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五十七 私は何者なの?

なかなかタフゆえに、私はクスに哀れみを感じていた。


まさかここまで一方的な展開になるとは予想できなかった。


まるで歩き始めた子供相手に大人が本気で戦っているようにクスが弱く感じられた。


クスが必死にフェイントを入れながら私に刃を走らせるが、私はその動きをまるで、あらかじめ教えられたかのように襲い掛かってくる刃先を全て避ける。


そして、気まぐれに受ける剣もまるで毛布で叩かれている程度の衝撃に感じながら、あしらうかのように斬撃を弾く。

  

ゆえに全くダメージを受けていない。


単純に比較はできないが、エアマスとの戦いの方が遥かに緊張感や苦しさ、そして怖さを感じていた。


少なくともウィン様が殺されかけた相手が、私に手も足も出ない。


まるで、自分が自分でない気分である。


考え事をしながらだが、クスはその間も容赦なく斬撃の嵐を私に浴びせていた。


クスが本気なのはよく分かる。目の光が全く衰えないし、しっかり殺意を持って一撃一撃丁寧に私を狙っていた。


見ていてとても綺麗な剣捌き。きっと私以外ならもう終わっていただろう。


だが、その剣の一振り一振りがまるで時間が遅く流れているかのようにゆっくりと見える。その動きに合わせてクスの飛び散る汗すら数えるくらい余裕である。


きっとクスは私に手刀で英星砲の攻撃を防がれて以降、ダメージになる一撃が当たりも、かすりもしないことに焦りの色が見え始めていた。


だが、それと同時に私も理解できないでいた。


少なくとも今までの私なら、ウィン様との実力差は経験値の差でウィン様に軍配が上がった。


これはたまに実践稽古をしてもらった時に何度も私が悔しい思いをしながらも勝つことができなかったことから明らかである。


そのウィン様がクスの動きから学び、強くなっていって追いつこうとしていたが追いつけていなかった事実を目の当たりにし上で、単純計算ではあるが私はクスの足元にも及ばない。


だが、現実は全く逆である。


その原因はこの黄色のオーラなのだろうが、これの正体が全く分からない。


白銀竜の覇気は銀色だし、生命エネルギーのオーラは桃色だし、二色を混ぜても黄色にはならない。


だが、身体的な負担がまるで無く、生命エネルギーの限界突破の時のようにハイテンションでもない。どちらかと言えば白銀竜の覇気の時のような穏やかな心に近い。


アルファは私に一体何を与えたのだろうか?


「圧倒的な差とはこのようなものなのか…」


息も絶え絶えのクスがなぜか嬉しそうに笑っている。


この人、やはり師範と同じ戦闘好きの系統なのだろうか?


普通、この状況は絶望するはずなのだが、むしろ快感を味わっているように見えて少し怖い。


「もう止めない?これ以上続けても同じだと思うから」


私の言葉はクスに聞こえていたのだろうか?いや、聞こえたからこそクスは身体強化の魔法を使い、再び英星砲を構えたのかもしれない。


呆れるくらい師範とそっくりである。


「次で拙者の全力をぶつける!届かぬと分かっている!」


クスの体から白いオーラが発せられた。あれは生命エネルギーだ!しかも、白いオーラは直ぐに赤黒い色へと染まった。


「これが…拙者の…全てだ!」


先に動いたクスより早く、後から動いた私の拳がクスの腹を穿った。何があったかと言わんばかりにクスは私の拳を見つめて苦笑をした。


「酷いな、お前は…命懸けで放とうとする一撃を…潰すなど…」


「バカなの!?あんなに生命エネルギーの色変えるだけ使えば死ぬかもしれないでしょ!」


クスは私の言葉を聞いたかどうかは分からない。まるで私の拳に身を任せるかのようにして意識を失っていた。





クスはムラサメの城の地下にある牢に監禁されていた。まあ、こんな牢では無いようなものではあるが、かと言ってその辺に縄で縛っておいても同じことだ。


できるだけ住民が不快に思わないという理由で地下牢を選んだのだ。


「殺すなら殺せばいい。敗北した拙者は死んだも同然だ」


意識を取り戻したクスは大の字に寝転び、目を閉じて覚悟を決めたかのように牢の中で私とムラサメに向かって言った。


そんな態度を見て私とムラサメは顔を見合わせ「やれやれ」とお互いに肩をすくめた。


しかし、ムラサメはクスの方を向くとクスをしっかりと見据えて何かを決断したように放し始めた。


「確かにあなたの国から侵略を受けた我が村のことを考えればあなたを処刑するべきなのかもしれません」


私は黙ってムラサメの言葉を待った。


「だが、あなたの戦いを見て私はあなたが悪人ではないと思えました。あなたはウィン殿との戦いのとき、周りに気を遣って下さった。…まあ、根っからの戦い好きのようですが」


言葉では戦い好きと呆れたように言ってはいるが、ムラサメの口元もニヤリと口角が上がったのを見てつい私は「まさか…」と言葉を漏らし、ムラサメを見た。


そんな私の目線に気が付いたのか、咳ばらいを一つしてムラサメは仕切り直した。


「あなたはとても強い。私では到底あなたには及びません」


何を言いたいのか分からなかった。だが、ムラサメはムラサメの考えが…。


「だから、私たちに力を貸してください。それが、あなたに対しての処分です」


分からなかった。てか、おかしいでしょ!相手はオジオンに仕える最強のゴッドキラーだよ!?そんなこと言ったところで…。


「断る。拙者はオジオン王に仕える身だ。例え助かるとしても、オジオン王以外に仕えることはしない!」


ですよね。そんな答えが返ってくることは分かり切ったことだ。何でも思ったことを素直に言えばいいと思ってるのだろうか?


「今すぐとは申しません。今は私の思いが伝われば十分です」


何を思ったのかムラサメは牢の前に座り込んだ。


「断られることは分かっていましたが…あなたの戦いを見て…見惚れてしまいました。人はあのように強くなれるのか。人はあんなに純粋に戦うことができるのか、と」


やはり、丁寧な言葉を使ってはいるが、ムラサメも戦うことが好きな系統だった。師範、クス、ムラサメ…何となく雰囲気似てるもんね。


呆れた私だったが、クスは意外な反応を見せた。


クスは体を起こすとムラサメの前にどっかと座るとムラサメをじっと睨みつけた。


「別に人を魅了するために戦っているわけではない。拙者が戦うのは」


「ワクワクするか…ではありませんか?」


ムラサメの言葉でクスの威圧感が増した気がした。しかし、それをムラサメは一歩も退くことなく、じっとクスから目線を外すことなく見つめていた。


「お前…本当にバカだな」


「あなたほどではありませんが…まあ似たり寄ったりかもしれませんね」


クスとムラサメの間に沈黙が流れる。私は何を言っていいのか分からなかった。


少なくとも、戦闘好きの考えることは分からない。師範がここにいたら、きっと話が盛り上がったかもしれないけど、私には理解不能な世界なのでただ、どちらかが動くのを待つしかなかった。


先に動いたのはクスであった。


クスは鼻でフッと笑うと再び牢の奥に向かって寝転んだ。それを見たムラサメは立ち上がり私に「行こうか」と言うと牢に背を向けた。


「しばらく逃げずにここにいてやるから、殺すなら早く殺すんだな」


その言葉を聞き、ムラサメは足を止めた。


「村の長としてはそれが正しいのでしょうが…」


そして、クスに振り向くと笑顔を向けて言った。


「あなたとウィン様の戦いを見て、個人的には感動させられたので、殺すことなんてできませんね」


…やっぱりムラサメも戦いが好きな系統なんだ。


私の呆れた視線に対して、ムラサメは「今のは内緒ですよ」と笑顔で返すと再び出口に向けて歩き出した。


後ろで「バカだな、ここの長は」と少し嬉しそうな声が聞こえたのは私だけでは無かったと思うが、そこは聞こえないフリをすることにした。





翌日、オジオン対策会議が開かれた。


こんな小さな村でオジオンに対抗するのは無茶な話であるが、ただ無防備にやられるわけにもいかない。せめて、指輪を諦める方法でもあればいいのだが、会議はこれぞ!という意見がでないままに時間過ぎていた。


さすがのムラサメも昨日の事後処理に追われての今日なので少し顔に疲れが見えてきている。


「ムラサメ殿、部外者の私が言うのも何だが、これ以上この会議をしても皆の時間を無駄に費やすだけだと思う。急ぐのは分かるが、一度解散して休養を取り、明日改めてセイやクスからの意見を聞きながら会議を開くのはどうだろうか?」


最もなウィン様の意見でムラサメも頷くと、今日の会議は終了となり私も重い空気から解放された。


今回の会議は私とウィン様からも意見が聞きたいとの事で参加したのだが、役立たずで終わってしまった。


何より大事には至らなかったウィン様ではあるが、完治には至ってないので今回の会議も私としては参加するより寝ていて欲しかったのだが、本人が「私ごときが役に立つなら」と参加をした。


だが、大きな問題点をこの会議参加者は忘れていた。


オジオンの事をほとんど知らない者ばかりが参加しても具体的な策などなかなか出てこないのは当たり前であることを。


まあ、オジオンに入国できるのはオジオンに招かれた者…例えば属国の王族が呼び出されるなどでしか入れないし、オジオンは他国に頼らなくとも自国だけで発展できている。


だから他国の者を入れる、他国に出て行ってしまう事がないゆえに、オジオンの情報が国外に出ることはないのだ。


文化情報すら他国に入ってこないのに軍事や貴族、王族の話などが他国に入ってくることなどはまず無い。私もオジオンの文献をほとんど見たことがないし、何より代表である国王についても一切情報が無いのだ。


占領した国もすぐに国境警備を固め、外部からの侵入、内部からの脱出ができないようにしてしまうの徹底ぶりである。


私はウィン様と共に明日を待てずに早速セイに話を聞きに行くことにした。


すると、そこにはすでにムラサメの姿があり、私たちの顔を見たムラサメが「同じ考えのようですね」と微笑みかけてきた。


少し慣れてはきたけど、狼の微笑みって何となく悪だくみしてそうなイメージあるから恐いんだよね。


私たちを見たボーンプリーストが軽く会釈すると手慣れた手付きで私たちに椅子を用意して着席を促し、温かい紅茶を用意してくれた。


骨だから違和感がないのかもしれないが、ボーンプリーストは実に献身的に動いていると思う。まるでメイドさんである。


これが人間だったら、旦那に尽くされているわけであって…セイはどう思っているか分からないが本当にボーンプリーストはセイが好きなんだろうなぁと思うと少し微笑ましく思えた。


「今からお話するところでしたので丁度良かったですわ。オジオンから離れてしばらく経ちますが、それでも良ければお話ししましょう」


セイはオジオンを離れ二年だそうだが、私とウィン様、ムラサメは話の一つ一つに驚きの連続であった。


二年前に魔法石の量産を行おうとした魔法石管理大臣がエルフの強引な繁殖を行った。そして生まれてくる子供をすぐに魔力を搾取する装置に入れて失敗。


そして母体となるエルフの多くが魔力を取れないどころか、衰弱して死亡しており、今オジオンは過去最大の魔法石不足に陥っているそうだ。


国外にエルフを狩りに行こうとしても今やエルフを見つけるのは難しく、派遣部隊を作っても成果が出るとは限らないので大臣は失職に追い込まれかけていたようだ。


それから一年後に獣人族の指輪の話が舞い込んできたようで、そこから指輪探索が始まったとのこと。


「現在の状況は私より捉えたクスがよく存じているかと。私はもう、オジオンにも魔法石の原料にも興味はありませんので。」


沸々と湧き上がる怒りを必死に抑える。セイが悪いわけではないのは分かっているが、内容の話し方に感情が無く、「原料」という呼び方は取り方によってはエルフを命ある者ではないように扱ってい感じがしていまう。


確かに今の私はダークエルフに変装しているので配慮しなかったのかもしれないし、オジオンにとってエルフを家畜扱いするのは普通なのかもしれない。


だが、私は幼い頃、そのオジオンの身勝手な考えのによって被害者となったのだ。


怒りで震えている私の肩にそっとウィン様が手を置いた。それで私は我に返るとウィン様の顔を思わず見る。


ウィン様は私に力強く頷いた。そしてセイに向き直ると少し怒気の混じった声でセイに行った。


「あなたに悪気が無いのは分かっているのだが、私は元はエルフの剣士であり、ジールはダークエルフとは言えエルフなのだ。エルフは人間と同じ命ある者。ものの言い方は考えてもらいたい」


ウィン様の言葉に気圧されたのか、セイは飲もうとした紅茶のカップを再びソーサーの上に置くと頭を下げた。


「配慮至らず気分を害したことは謝ります。…ウィンの言う通りですね。私もオジオンの子供の命を奪われたのに、他の命への配慮が欠けるとは…私にはまだ、オジオンに居た頃の悪しき風習がこの身に残っているのでしょうね」


こんな所で何を言っても変わらないことくらいは理解している。だからといって冷静に流せるほど私の中で軽いものではない。


でも、セイは謝罪をして理解をしてくれた。それが何より今の私にとって気持ちを楽にさせてくれた。


「セイが謝るなんてこと、あるんだな」


そんな一息つこうとしていた場の空気を野太い声が一蹴した。そこにいたムラサメ以外の者が声の主を見て言葉を失った。


「クス殿、こちらへどうぞ」


さも当たり前のようにムラサメは立ち上がり、自らの手で椅子を引き着席を促した。


クスには鎖の手錠が着けてあり、左右には衛兵が付き添ってはいるものの、そんなものでは意味がないことくらいここにいる者は分かっている。


だが、クスは暴れることもなく、ムラサメが促した椅子に着席するとセイと目を合わせた。


「死人の王女が謝罪するなんて…生きてると面白いものが見れるんだな」


皮肉めいた言葉を言いながらクスがニヤリと笑みを浮かべた。


そんなクスを無感情な目でチラリと見たセイはこちらもニヤリと笑みを浮かべた。


「最強のゴッドキラーも落とされることがあるとは…それを見れただけでもオジオンを出た価値がありますわね」


セイの言葉に笑みを消すクス。場の空気が妙な緊迫感を帯びてきた。二人は仲が悪いのだろうか?


「お前もこのダークエルフにられたんだろ?コイツの強さは…神に匹敵するからな」


誰もがクスを見た。私はクスの言葉に驚き、クスに自然と目線が合った。


そんな私を見てクスは笑みを浮かべていた。


何かの例えだろうか?それとも本気なのだろうか?私が神に匹敵…いや、そう言えば何度も言われたことがあった。


私に神になる素質がある?


いや、冗談でしょ?


私はエルフで、お母さんの…いや、それも今揺らいできている。


アルファの隠していた記憶。それは私の出生すら疑わしくなる記憶。


私は一体何者なのだろうか?


頭の中がぐるぐると回り、クスの話は私には全く入ってこなかった。


とりあえず今はオジオンがこの獣人族の村に二度と攻めてこないようにするには?を考えるのが大事であって、私のことなんか後で考えればいいわけで…。


「ジールさんはクスの意見、どう思われますか?」


不意にムラサメに意見を問われ、思わず「ひゃい!?」と間抜けな返事を返す。辺りは一瞬沈黙が流れたが、ウィン様が笑いをこらえきれずに吹き出してしまった。


それに釣られてクスやムラサメ、セイまでもが笑い出した。


「まあ、クスの言葉に驚くのも無理はないですよね。私も正直そんな提案をされるとは思いもよりませんでした」


「だが、最善だろう。まあ、牢の食事がオジオンより良かった…それは事実だ。今やオジオンは飢餓に苦しみ、貧民街では空腹でカビの生えたパンを取り合って殺し合いが起きるくらいだからな」


きっと私の顔には驚きがしっかりと現れていたと思う。


最強の軍事国家オジオンが今そんなことになっているなんて話は全く想像していなかった。飢餓に苦しんでいる国はここ最近、託児所周辺国では聞いたことが無かったからだ。


「理由は…何なんですか?」


見当もつかない私は特に考えず、クスに聞いてみた。


「軍事費増加による増税だ。他国を侵略して領地を広げて潤ってきた国が経済的に発展しようとすれば、手っ取り早いのが他国侵攻となるのだが…今や近隣国はオジオンの属国。遠征しなくてはならない。そうなると費用が増えてくる。だから国民から取って賄おうとしたわけだ」


「他国との貿易をしていない以上、国内で費用を調達するしかない…というわけですね」


為政者として思うことがあるのだろう、ムラサメは自分の思を込めたであろう口調で自分に向けて言うかのようにつぶやいた。


「それに、今オジオンは人口も増えてきている。ただでさえ食べ物が必要なのに供給が増えているわけではない。ゆえに物価は上がる。その上税金だ。貧しいものは普通に働くくらいでは生きてすら行けない。拙者が言うのも何だが…地獄だな」


私もその光景を想像すると絶句してしまった。


昔、旅をしていた時に貧困で苦しんでいる村を見たが、まさに地獄であった。


飢饉が続き、食料が無く病気も蔓延しており、生きているのか死んでいるのか分からない者が辺りかまわず寝ていた。いや、倒れていたのかもしれない。


私たちを見た村の人達は、まるで砂糖を見つけた蟻のように群がって来て食べ物を求めて来た。


リュックの中に持っていたパンを出そうとした私を師匠は制し「それを渡せば争いの火種になる」と言われ群がる人たちに目を合わせないように歩き去った。


心の中で何度も「ごめんなさい」を叫びながら…。


それがオジオンで起きている。あの大国で起きている。実に信じがたいことではあるが、そんなウソを言ったところでクスにメリットはない。


同情を誘うなら自分の家族がそうなっているとか、恋人を残してきているとかの方が効果がある気がする。


「本題から逸れましたが、クス殿、本当に自分が負けたと国王に報告されるのですか?それはあなたにとって大きなデメリットになると思われます。確かにこちらとしては有難い申し出です。最強のゴッドキラーであるクスを倒す我らと戦うメリットがあるかどうかということでオジオンも考え直すでしょうが…いいのですか?」


そんなことを言っていたとは…クスにどんな心境の変化があったのだろうか?


「構わないさ。負けを隠すのはプライドが許さないし、それにさっき言ったように捕虜の食事にしてはちゃんとしたものを出してくれた。それに…」


言葉の途中で私とクスの目が合った。クスはニヤリとこちらを見る。何だろう?ちょっと背中に寒気が走った。


「まさか拙者より強い女性がいるとは思わなかったしな。なあ、これが落ち着いたら俺の嫁になってくれないか?」


場の空気が固まってしまった。


はい?何言ってるんだ、このバカ?ゴッドキラーってこんなのばっかなの?


そんな場の空気を笑い飛ばしたのはだれであろうクスであった。


「ははは!嫁にというのは冗談だが、惚れたのはウソじゃあない。美味しい食事をくれた、バカみたいに真っすぐな長のいるし、惚れた女が守ろうとした国だ。拙者もどうやら篭絡されてしまったようだな」


いや、笑っていても惚れたのは冗談じゃなく本気なの!?


「どうするんだ、ジール?イアランもジールに惚れているんじゃなかったか?どちらを選ぶんだ?」


こういう時のウィン様は本当に余計なことばかりするのはなぜだろうか?ウィン様の言葉を聞いたクスが悪そうな笑みを浮かべている。


「じゃあ、イアランを倒さなくてはならぬな…できるだけ早くイアランと勝負をせねば…」


物騒なことをつぶやくクスに思わず「バカなの!?」と叫んだしまった。


私の周りにまた変な男が増えてしまった。


もしかして、私はそういう星の下に生まれたのだろうか?


まあ、何はともあれ、クスが獣人族の村への侵攻を止めてくれそうなのでこの件は落ち付きそうである。


問題は、今後の私の目的を何にするかが決まっていない、と言う事である。


私は自分の出生を調べて行くべきなのだろうか?


それとも、託児所を再建すべきなのだろうか?


もしくはオジオンを倒すべきなのだろうか?


答えの出ないまま、数日、この獣人の村で悩みながら過ごす私に明確な答えは出てくることはなかった。

2024年12月31日にやっと第四章が終わりました。長かった…。


今回の長くなった一番の原因は「メタファー」でした。


プレイ時間100時間もさることながら、つい「もう少し先が見たい!」と思わせるゲームストーリー。まだ二週目に手を出していないのですが、今はロマンシングサガ2リベンジオブセブンを進行中なので、二週目はもう少し先…いやドラクエⅢもあるし…


ごめんなさい。誘惑に負け、ジールがいるのに浮気ばかりしてました…。


でも、RPGをやればやるほど「ファンタジーっていいよね♪」と思い創作意欲が湧くので心の栄養だともって温かい目で見てやってくださいw


さて、今回の章でジールの謎が少し出てきています。これが先に繋がるので、この四章はジールの謎の解明の一歩目の章とも言えます。


最強のゴッドキラーであるクスを圧倒した強さの秘密や師匠のゼフィが幼い日のジールに合っているなど「どういうことなの?」と思わせる部分がちりばめられていて、今から伏線回収で頭を悩ませています(自爆です)


ですが、負けずに頑張って書いていきますので最後までお付き合い下されば幸いです。


後、ポイントや感想なども(あまり心が折れるのは勘弁して欲しいですが、がんばって読みます)もらえると私の生命エネルギーの源になりますのでお願いします♪


では、声優の前にキャラ名の元ネタです。今回はガンダムSEEDとSEED DESTINYのMSからになっています。


ルージュ…ストライクルージュ


リッツ…ブリッツガンダム


セイ…セイバーガンダム


バス…バスターガンダム


ジン…ジン(そのまんまですね)


ムラサメ…ムラサメ(これもそのまんまです)


ちなみにクスは違っていて、クスはゴッドキラーなのでガンダムエックスが元です。イアランは元々ゴッドキラーではないのでガンダムエックスシリーズのMSが元ネタになっていないんです。


後、アルファはα・アジールです。まあ、ジールに合わせた…とだけ言っておきます。


では、各声優は


ルージュ…佐倉綾音さん。最初の弱弱しい感じからバスとの戦いや最後の獣人族の村での戦闘での活発さの両極を演じてくれそうです♪


クス…杉田智和さん。サムライ、男とくれば杉田さんのイメージなのは私だけでしょうか?今回はウィン様との戦いでシリアスもあり、最後にジールに告白とコミカル部分もあるのでピッタリかと思いました。


ムラサメ…置鮎龍太郎さん。落ち着いた長として、狼としての威厳と共に、クスとの戦闘狂のやり取りなどにしっくりくるなぁと思いました。


セイ…甲斐田裕子さん。無感情で大人の女性、でも過去に悲しい体験がある愁いを表現してくれるのは甲斐田ではないかと思いました。


リッツ…三ツ矢雄二さん。中世的な声と実は嫌なキャラも演じられるところが、リッツのいやらしさを引き出してくれそうに思えました。


バス…茶風林さん。登場したときは強そうだけど、やられそうになった時にイアランの黒歴史を叫ぶ様子をコミカルに演じてくれるのでは?と思いました。


ジン…若本規夫さん。ちょい役だけど重要な話を提供してくれるキーマンであり、セイに部下を殺されたという悲しい過去と部下想いのキャラを演じてくれるのではと思いました。


アルファ…久川綾さん。アルファってイタズラっぽいとこが子供のように見えますが、芯はしっかりした女性のイメージなんです。理由は今言うとネタバレになるので言えませんが、久川さんなら声のトーンがイメージに合うので良いのでは?と思いました。


さて、次に何をするかが決まってないジールですが、次から物語は大きく動くことになります。ジールって一般的な主人公と違って明確な目的があるわけではなく流されて生きている感じなんですよね。


だから多分「コイツ、何がしたいの?」と思われているのではないでしょうか?


それもちゃんと理由があるんです。


その理由を次の章で少し明らかにしていければ…と思っています。お楽しみに!


2024年12月大晦日…にここで執筆してる私はある意味世間離れしているのかも!?


ネジマキノ ショウコウ

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