三十四 歴史の真実
驚くことはさらに続いた。
ザンネにやられた竜人族たちもその傷ついた体を起こし私の前にやって来てひざまずく。
まさかのリーンやバスタ、ブラスまでもがひざまずいた。
私はリーンに駆け寄り説明を求めた。リーンも戸惑いを隠せなかったが、自分の知る限りの事を話してくれた。
「理由は分からないですが、今の天への光はまさしく言い伝えの継承の証。竜人族の女王誕生を天に伝えると言われています。何より私たちがあなた様のその覇気に服従することを本能的に感じています」
まずは状況整理である。
私は女王からもらったドラフ・アウラ…まあ白銀竜の覇気を使った。すると空に向かって光の柱が現われて、竜人族が私を女王と呼び始めた。
…全く理解が追い付いてない私。更なる説明をリーンに求めた。
「難しいことはございません。あなたが女王に即位しただけなのです」
「えっと、私は竜人族でもないし、竜人族を生めないし、何よりエルフだし」
リーンは少し困った顔をした。
「確かにそうなのですが…偽りの覇気ならば我々にこのような行為を私たちに一律取らせることは不可能。あの覇気は竜人族を統率するときに放つものです。これ以上の証はありません」
私は途方に暮れた。
竜人族はひざまずいて動かない。きっと次の言葉を待っているのだろう。こういう時、何といえばいいか分からない。
やはり女王として振舞うべきなのか?それともいつも通りに振舞うべきか?本当に頭が痛い。
「と、とりあえず負傷者の手当をしなきゃ!話はそれからってことで!」
私の思いそのままに発言をしてみた。すると竜人族からすすり泣く声が聞こえてきた。
「慈悲深い女王様…」
「何と言う寛大な心だ…」
「即位してすぐ我らのことを案じてくれるとは…」
とりあえず各自行動に移ってくれた。私の頼みでイアランとティゴも治療に加わってくれた。
「ところで、ザンネをどうするおつもりですか?彼はモトラの右腕です。このままにしておくのはどうかと思います」
未だその場を動かないザンネに対してリーンが耳打ちしてきた。
確かに私を殺そうとしてきた。でも、それは任務のためである。それに、無駄な殺しをしないように戦闘をしていた。その精神は評価していいのだは無かろうか?
私はザンネの前に立つ。ひざまずいたザンネが顔を上げる。
「私に用でしょうか、女王様」
女王様呼ばわりされるのはむず痒いが、それは後で何とかするとして、本題を切り出した。
「ザンネ、あなたを解放したらモトラの所に戻るの?」
これは残酷な質問かもしれない。
モトラの右腕であるとしても、新たな女王が目の前にいるわけで、敵対するべきかどうかはこの場では決められないだろう。
仮にモトラが新しい女王に忠誠を誓ったなら敵対は出来ないし、新たな女王を殺してまた継承問題を白紙に戻すなら今、ここで殺すのが話としては早い。
ただ、どうやらザンネは自分では私を殺せないことを本能的に感じているようだった。
ここでザンネを苦しめることに意味はない。私は一つの提案をした。
「ザンネ、今は捕虜として捕まってもらえると助かるんだけど、いいかな?」
そう、破れて捕虜となればモトラを裏切ることはない。かと言って今いるヘキサ派の竜人族にもある程度分かりやすく罰を与えておかないと無駄に不満を持たせることになる。
ここはとりあえず捕虜として敵に返さず、命を奪うことも先に延ばせる処置が良いかと思ったのだ。
というか…そんな考え方あった…のか?まるで自分が考えたことではないように思えた。
「それは構いませぬが…と言うより、私をこの場で殺さないのですか?」
「あなたは殺すには惜しい精神の持ち主だから。今回の侵攻でむやみやたらと殺しをしていない。もしかして無駄な殺しをしないためにソウルイーターを使ってたのかもってね」
私の顔を見て固まるザンネ。だが、すぐに顔が緩み笑みがこぼれた。
「それは買いかぶり過ぎです。ですが、女王様の温情、ありがたくお受けいたします。ただ、どのような処分でも受ける覚悟はございます。それが、あなたに刃を向けた者の背負うべき罪と心得ております」
そう言うとザンネは鎧を脱ぎ、隠し持っていた武器を全て置きリーンを見た。
「さあ、連れて行ってくれ。ビゴル達も捕まっているのだろ?」
リーンは私に一礼するとザンネを連れてその場を去って行った。
私もとりあえず竜人族の手当を手伝った。終わった時にはもうそれには太陽は山間に沈んでいた。
「どうしよう、イアラン!」
こっそりと竜人族に見つからないように託児所の裏へイアランを連れてきた。正直これからどうしたらいいか分からない。
急に女王様と言われ、竜人族が私に仕えようとして、とりあえずの危機は去ったものの大問題が降って来た。
「ジールが女王様って似合うと思うな♪」
嬉しそうなイアランを私は睨みつけた。イアランは慌ててどうするべきかを考え始めた。
「まずはヘキサ派にとってこれは好機になるよね。ジールとヘキサの仲を考えると、ヘキサ派はジール派となり、リグシャ派に対して新たな女王に従うように説得する材料になるんじゃないかな?」
そうだとして、簡単に「はいそうですか」とリグシャ派がこちらに従うとは思えない。きっとヘキサではなく私の名前で派閥同士のぶつかり合いは続くだろう。
「ただ、一つ気になるのが、今回の継承、リグシャ派は知ってるのかな?何らかの形で伝わっているなら今度はジールが狙われるし、そうでないならまたヘキサが狙われる。どちらにしてもリグシャ派は退けないだろうからね。退けばオジオンからの後ろ盾が無くなるから」
今回やってきたザンネがモトラの右腕なら、次に来るのはモトラの可能背は高い。
先ほどのザンネのように従ってくれると助かるのだが、甘い可能性にすがる状況ではない。
「結局どうするのが竜人族にとって一番平和なんだろう?」
大事なのはそこである。
ただ、私としては女王様にはなりたくないので、そういう方向で考えたい。
「ジールが女王様になることなんじゃない?こんなカワイイ女王様ならみんな従うよ♪」
再びイアランを睨む私。イアランは「結構まじめなんだけどな」と言いつつまた考え始めた。
「ねえ、女王様が要らないようにすればいいのかも」
私の意見にイアランは「うーん」とうなった後、自分の考えを話してくれた。
「できなくはないけど、そのためには女王様がいなくても竜人族がやっていける道を見つけなきゃならないね」
しかし、イアランはすぐに困った顔をしてしまった。
「でもそれって、あの強靭な竜人族を力以外で統治する方法を見つけないとダメだ。何より歴史が長い竜人族がそう簡単に女王による統治制度を変えるのは無理かな」
二人で悩んでいると不機嫌極まりないティゴが現われた。これはきっと昼間の無茶な働きについての不満だと思った。
「おい!あの昼間の女、あれは何だ!あの極薄多重結界を身にまとい、その上物質の劣化をあんなに急速に促進させる。その上ザンネののソウルイーターとか言うのも無効化している…あれは何者だ!」
私はイアランと顔を見合わす。これは下手なことは言えない空気である。
「えっと、あれはアルビオ様。私と一緒にこの託児所で働いてる…えっと…私の同僚よ」
子供だましのような返答でその場を凌ごうと試みた。
当然効くわけがなかった。
「そうか、じゃあお前のいる託児所は人類が到達できてない領域の魔法を使える人材を簡単に雇っているわけだ。あのウィンとか言う剣士もあの剣に高度な重力操作魔法をかけれるし、私のように補助魔法を絞って使えたりと普通じゃないよな?」
ティゴが鬼のような形相で私を睨んでいる。
どうやら今回の戦闘で無茶をされたことより、ウィン様とアルビオのことをちゃんと話してくれなかったことに腹を立てているようである。
「何者だ!あの二人は!」
私に詰め寄るティゴ。イアランの方を見ると少し悩んでいるようだが、ま、いいかと言わんばかりに話し出した。
「ん?死神とエピオン王に仕えてたエルフ最強の剣士だよ?」
それ、言っていいの、イアラン?あ、でもそういう情報って神様経由で回ってたから天界のゴッドキラーから睨まれたんだっけ。
「あの子供たちが噂の…というか、あれは二人とも化け物だな。特に死神は…あんなの、人間がどうこうできるレベルじゃない。まあ、いいものは見れたので個人的には嬉しいがな」
自分の年齢を棚に上げて子供扱い。さすがティゴである。
内情を知ったついでにティゴにも相談し、案を求めることにした。
「権力の分散もいいかも知れないな。王女だけでに権力を集めるのではなく、配下に軸となる者を作り、そこから部門ごとに管理させるとかだな」
それは良い案である。
いきなり女王が消えたら混乱はするが、一つクッションを作り、その者たちが管理をできるなら、女王は必ずしも必要では無くなる。
後は力の継承の問題である。
私は女王…もとい、今は先代の女王が話してくれた女王が居なくとも一族は増やせることを話した。
「力が絶対的ならば、なかなか難しい話だよね。誰もが弱く生まれたいなんて思わないからね」
イアランの言うことはもっともである。だが、その価値観を変えなくては結局女王を求めることになる。
「何も武力や魔力だけではないだろう?商売や製造、学問など力も色々ある。そこに価値を付ければいい。例えばそういうも者をを重役にするとかな」
今回驚くことはティゴのアドバイスであった。
国作りの基本を知っているというか、政治に詳しいというか当たり前のようにアイデアを出してくれた。
「ティゴ、詳しいのね。助かるわ♪」
私と顔を見合わせたティゴが思わず顔を赤くする。
「お、お前がバカなだけだ!その指揮をお前がやるんだぞ!女王になったんだから、それはお前の仕事だからな!」
相変わらずのティゴに笑う私とイアランだったが、私は背後の冷たい感覚に笑いが止まる。
私はゆっくりと振り返る。
そこには今にも私の命を奪うのではないかと思うくらい冷たい目をしたアルビオがいた。
「談笑しているところ悪いのだが、ジールを借りていく」
イアランとティゴはアルビオの真剣な眼差しの迫力に押されてあっさりと私を引き渡した。
アルビオは「着いてこい」と私を森の奥へとつれていった。
「ここなら良いだろう」
急に止まるとアルビオは私の方に振り返る。森の木々の影でアルビオの表情があまりよく見えない。
「一度だけ聞く。白銀竜の覇気、どうしてお前が持っている?」
これ、最近同じことがあった覚えがある。これは間違いなくアルビオは怒っているパターンだ。
私はありのままをアルビオに話した。
呆れたと言わんばかりのため息が静かな森の中ではっきりと聞こえた。
「どうしてお前はそうなのだ?この力、どれだけのものなのか理解できておるのか?」
正直全く分からない。強いことと、竜人族が従ってくれることくらいしか分からない。
「説明するより自分の体で理解する方が早いだろう。白銀竜の覇気を少し開放して私のここを殴ってみろ」
アルビオは自分の頬を指差し私にここを殴れと合図した。
「いや、いきなり言われても…」
何をしたいのか分からないが、闇夜に光るアルビオの目は真剣である。それを誤魔化す空気ではない。私は白銀竜の覇気を少し放出し拳を構えた。
「大丈夫だとは思うけど…痛かったらごめんなさい!」
私の拳を避けることなくアルビオ頬に食らった。暗がりだが、その跡が赤くなっているのが少し見えた。私は思わずアルビオに駆け寄る。
「ごめん!こんなにまともに入るとは…」
慌てる私をアルビオは「そうではない」とたしなめ、自分の殴られた頬を月明りで見えるところに出てきて私に見せる。
改めて見るが、やはり赤くなっている。だが、そこまで腫れてないことにほっとした。
「気づかぬか?昼間、あのソウルイーターの剣士は剣を我に振り下ろしたが、それを止めた我が腕はおろか、着ている服も切れておらなんだ」
言われてみればそうである。
圧倒的なアルビオの強さだけが印象に残っているため、そんな細かいところは見ていなかった。
「だが、お前は我の頬にわずかでもダメージを与えた。これが何を意味するか分かるか?」
言われて気が付いた。というか気が付いてこの白銀竜の覇気の恐ろしさを感じ思わず身震いをしてしまった。
「その力、使い方によっては神をも倒せるということだ」
そう言えばさっきティゴが極薄多重結界をアルビオが使っていることは言っていた。
私はザンネがソウルイーターの効果を持つ武器で破れなかったものを、私は拳で貫通したのだ。
「まあ、元々がその白銀竜の覇気が神の力である以上、何の不思議ではない」
アルビオは私に爆弾を投下した。
もし、私の解釈が間違っていないなら、私は神の力を持った、いや、持ってしまったことになる。
「その力を持った以上、竜人族の本当の歴史をお前に話しておかなくてはならぬようだな」
ついて来いと目で合図するアルビオ。私は素直に着いて行った。
それにしても…この力を知れば知るほどなぜ女王は私にこの力を迷うことなくくれたのかが分からなくなってくる。
こんなとんでもない力があるなら、今回の件は簡単に解決できたのでは?と思うのだが、それは私の考えが甘いだけなのだろうか?
今度はいつもの川べりに来た。大事な話をするときのアルビオお決まりの場所となって来た。
まあ、地形的に誰かがいてもすぐにわかるし、川の音で二人の会話は遠くまで聞こえない。誰からも見えるところではあるが、誰にも聞かれない場所とも言える。
アルビオは川のそばに長椅子を召喚した。自分が座ると「座るがよい」と自分の隣に手招きをした。私は遠慮することなく隣に腰掛けた。
「できるだけ掻い摘んで話すが少し長くなる。まあ、気楽に聞いてくれればよい」
先ほどの真剣な眼差しも緩み、いつものアルビオに戻っていた。きっと、いつものように私の身を案じてくれての行動だと思うと、アルビオの優しさに改めて感謝した。
「竜人族について、どこまで知っておるのだ?誕生はどう聞いておるのだ?」
「人間の突然変異って文献に書いてました。いくつもの文献を読んでそれを知りました」
それを聞いたアルビオはくすくすと笑い出した。理由も聞きたいが、その笑った姿の可愛さは少し見ていたいとも思った。
「それはデタラメだ」
神様、あっさり文献を否定。だが、そうなると人間とは異なる種族が進化したということなのだろうか?
「かつて、神は五人いた。我を含む五人だ。お前の知る邪神や、人間界の神、天界の神、そして…竜の神だ」
初めて聞いた。竜の神なんてどの文献にも遺跡にも微塵も出てきたことはない。私の知る神はアルビオを含めていつもの四人である。
「竜の神は人が好きでな、よく人のところへ人の姿をして降り立ち、道具の使い方や獲物の狩り方などを教えていた」
なるほど、神様の姿ではないということなら知恵のある人としてなら文献や遺跡にも出てこないとしても不思議ではない。
「ところがある日、凶暴な肉食獣相手に多くの者が殺され、食べられた。それを竜の神は嘆いた。知識や知恵は身に付いても、圧倒的な力には勝てない人間の弱さに」
確かに今でこそ魔法や武器が発達しているが、昔はその辺の肉食獣にも命懸けだったのは歴史書で読んだことはある。
「ゆえに、人間を守る者を…自分の力を分け与えた者を一人作り、人間が繁栄するのを助けさせる。それが竜人族の始まりなのだ」
これで少し分かった。私の持つ白銀竜の覇気が神の力ということが。
ってか、神の力、そんな簡単に譲渡するもんじゃないよ、女王様。
「まず、作られた竜人族の始祖は魔法を人間に伝えた。そうすることにより、人間は急速に繁栄と発展を始めて行った」
そう言えばどの歴史書も人間の発展の起点となるような所は確かにあった。
歴史書ではそれは、偶然人間が魔法という概念を見つけたこととあったが、どうやらそれは違うようである。
この話は真実というものはいつの間にかねじ曲げられて、偽りが真実になっていることがあるというのを私に教えてくれた。このような事は他にもありそうで少し怖さも感じた。
「その上、竜の神は『私はこの力を私が作った竜人に引き継ぎ、神を退くことにした。人間をもっと知るために人間になる』と言ってあっさりと神を辞めて人間として生き、天寿を全うした。最後の時も竜の神は満足して私に刈られておった」
この世界の神様、簡単に神様辞めようとしたり、辞めたりしすぎでしょ。もっと責任感持ってくれないと、その下で暮らしてる我々普通の者は安心できないんですけど…。
「ゆえに代々神の力は引き継がれ、今に至る。衰えてきているのは神の力で竜人族を作るがゆえに、明かりを灯すランプの油が少しずつ減るかのように少しずつ力も減ってきているのだ」
話し終えるとアルビオは私に顔を近づけてまじまじと見てきた。
「お前は本当に不思議だな。お前には力が集まる。だが、その力は不本意に集まっておらぬ。皆、お前のことを慕って集まっておる。本当に不思議だ」
私を見てまた笑うアルビオ。面と向かって言われると照れ臭かったので少し反撃を試みた。
「それってアルビオ様もそうなの?」
私の質問に「なっ!?」と言うと顔が固まっていた。何か言おうと口を動かすものの、声が出ていない。ちょっと可哀想なことしちゃったかな?
月明りでも分かるくらいアルビオが真っ赤になっていたのは触れないであげることにした。だって可愛いアルビオ見てるの、癒されるから♪
「そういうのはよくわからないけど、私のことを慕って来てくれる人が増えるのは嬉しい。私も頑張らなきゃって思える」
私は立ち上がり体を伸ばした。深く呼吸をすると夜の空気はとても気持ちが良かった。
「ありがとうございます、アルビオ様。そのお話聞けて良かったです。だから、誰かを守ろうとするときに発動したのかって納得もできました」
私は深々とアルビオに頭を下げた。それは自然と取った行動で、私が今できるアルビオへの最大の感謝の意でもあった。
「き、気にすることはない。ど、同僚のである以上、そ、それくらいはして当然のことだ」
でも、アルビオに心配されてばかりなのも反省しなくてはならない。今回のような特別なことは知らないのは仕方ないのかもしれないが、私の態度次第ではアルビオにここまで心配されることは無かったと言えるだろう。
それに、この力は竜の神の思いを代々引き継ぎ今に至り私の中にやって来た。
竜人族の女王にずっと君臨する気は無いが、力を受け取った者として、その責任を果たすべきなのかもしれない。
「イアランとティゴには悪いけど、竜人族の未来については明日考えるかな」
一日で色々ありすぎて正直疲れてしまった。こういう時はゆっくりとお風呂に入り疲れを癒し…そう言えば、アルビオってベラと同じ作りだよね?お風呂、好きなのかな?
「アルビオ様、一緒にお風呂行きませんか?」
私の誘いにアルビオは再び固まる。そして壊れたぜんまい仕掛けのおもちゃのように手をバタバタさせて何かを早口で言いだした。
「なな、なぜお前と風呂に!?いや、嫌なのではなくてな、そう、そうではないのだ!だからな、お互いもっとよく知ってだな、いわゆるもっと段階を踏んでだな…」
「あ、嫌なら無理にとは言いませんが、そろそろヘキサもお風呂に入れてあげる時間だし…あ、ティゴも誘てみようかな♪ウィン様も今日大変だったし、お風呂まだなら声かけてみようかな♪」
物事の先延ばしは良くないことは知っている。でも、気分転換は必要である。私はアルビオの手を取る。
「行きましょ、アルビオ様」
こういう時、アルビオは神ではなく女の子になる。私に手を引かれ、まだもじもじしながらも私に着いてきてくれた。
問題は山積みである。
それは明日考えよう。
だが、私はお風呂女子会をするべく、メンバーを集めるためにアルビオの手を引きながら託児所の住居部分に戻った。




