三十 戦う理由
ゾーラは想像以上に強かった。
イアランのスライム攻撃を鼻歌混じりであしらい、私の攻撃をまるで踊ってるかのように避ける。
「美人とこんな楽しい戦い出来るのは嬉しいねぇ。美人さん、お名前は?」
完全にイアランの存在を無視して私に戦いながら話しかける余裕を見せるゾーラ。
それよりも、このゾーラの態度にイアランが不機嫌になっていて、妙にいつものキレが無い。というより感情任せで攻撃に意味が感じられない。
「お名前教えてくれないの?寂しいじゃない。じゃあ勝手にニックネーム付けようかな?どんなのがいいかな?」
実にふざけている。だが、動きは無駄が無く実に見事である。悔しいがこのままでは勝てない。
私はイアランをちらりと見る。イアランはイライラした顔でゾーラを見ている。これは完全に嫉妬である。
「お前!さっきからジールに慣れなれしいんだよ!離れろよ!」
スライムを弾丸のように飛ばし連射するが、ゾーラ避けずに全部弾いている。
「ジールちゃんか。カワイイ名前だねぇ。どう?今度酒場で一緒に一杯どう?」
ここまで実力差があるとやはりもっと生命エネルギーを解放するしか…。
「おい、トカゲ!」
何を思ったか、イアランは歩いてゾーラの前に出て来た。しかも、ゾーラのナイフの間合いに入っている。
「男には興味ないんだ。今ジールちゃんと楽しく遊んでるんだ。あっち行っててくれないか?」
「一度だけ言う。俺の彼女に手を出すな!」
ゾーラは竜人だけあって大きく、まるでイアランは子供のようである。そんなイアランだが、ゾーラをじっと見据えて動かない。
ってか待って。私、いつからイアランの彼女になったんだ?
「坊や、俺は弱い者いじめはしないんだ。スライムのおもちゃじゃあ俺は倒せないことくらい、ちょっと戦えば分かるだろ?」
ゾーラは完全にイアランを見下している。だからイアランが間合いに入ったときにもナイフで攻撃しなかったのだ。
イアランは召喚魔法を使うことに関しては秀でてるが、近接戦は…見たことない。
魔導士や召喚士は知的な面は強くても、肉体的には弱い。近接戦でゾーラの動きを捉えて、なおかつ倒すのは無理である。
「んじゃ仕方ない。気絶でもしてもらうかな」
ゾーラがナイフの柄でイアランに殴りかかる。イアランは見ているが動かない。
私は急いで二人の間に入ろうとした。
「なっ!スライム!?」
何と、イアランの足元から現れたスライムがゾーラのナイフを受け止めている!
「スライムってね、案外バカにできないんだよ」
そのスライムは素早くゾーラに絡みつき、動きを鈍らせていく。
「クソッ!汚ねぇ真似しやがって!放せ!」
「離すどころか増やすよ♪」
イアランは更にゾーラにスライムを絡ませていく。単体を倒せるとしても自分の体に絡みついたスライムを何匹も倒すには時間がかかる!
当然、イアランはスッと前を避ける。
そこへ私が走り込む。
「ちょ、ジールちゃん!?待って!」
私は容赦なく顔面に拳を叩き込む。まともに私の拳を喰らったゾーラは地面を跳ねて飛んで行った。
そして立ち上がることは無かった。
「俺のジールに手を出すからだよ」
「待って!いつから私はあなたの彼女になったの?」
ジロリとイアランを睨む私。それに笑顔を返すイアラン。
「ん?出会ったときからでしょ?」
さらりと言ってのけるイアラン。本当にコイツの自己都合のポジティブは一種の才能だと改めて感じた。
一息入れたいところだが、ウィン様が戦っているビゴルはウィン様と互角に見える。だが、ロアットと戦っているリーンは防戦一方になっていた。
「リーン、弱くなったんじゃねぇか?それとも戦い方忘れたのか?」
バスタも加勢に加わっているがロアットが優勢なのは変わらない。そんなレベルの敵なのにウィン様とはビゴルと呼ばれてた黒マントの敵と互角に渡り合っている。
だが、ビゴルが弱いわけではない。
ビゴルの動きは速い。先ほどのゾーラより早く重い剣。ウィン様はそれを上手く流している。力では劣るが、技術はウィン様に分がある。それが二人の戦いを拮抗させている。
「イアラン、リーンを助けましょ!」
だが、イアランは動かなかった。何かを考えているようである。それが何なのかは分からないが、とりあえず私だけでもリーンの加勢に回ることにした。
まずはローブを身にまとい、けん制で魔法攻撃。魔法耐性があるとしも無傷ではないだろうし、気を逸らせることはできる。
「おいおい、ゾーラのやつ負けたのかよ。こりゃあ少し不利だな。ビゴル!ここは退こう!」
ロアットの予想外の判断に意表を突かれたが、逃がせばこちらの情報を相手に提供することになる。それは防ぎたい。
だが、ロアットは巧みに私たちの攻撃をかわし、ビゴルに近寄る。このロアットも侮れない。
「ビゴルも苦戦してるようだな。何なんだここは?ゴッドキラーだけ気をつけたら問題ないってウソじゃねぇか」
ぶつぶつと文句を言いながらビゴルの側にロアットがたどり着いた。
「退却は仕方ないとして、リアットとゾーラはどうする?この状況では回収できない」
私たちはロアットとビゴルを追い詰める。すると、二人は意外な行動に出た。
「分かった。我々の負けだ。投降する」
ビゴルは剣を捨て、両手を上げる。ロアットは「マジか!?」と言ったが、仕方なくビゴルを見習い剣を捨て両手を上げた。
こうして、リグシャ側の奇襲は失敗に終わり、私たちは彼らを連れて建物に戻ることとなった。
当然、武器は没収して、拘束はさせてもらっている。だが、簡易的な魔法の拘束が効果あるかは謎なので、託児所施設の倉庫にイアランが結界を張って閉じ込めた。
倉庫は最近あまり使われてなかったが、四人の捕虜を監禁するのに問題無い広さであった。
元々は師匠の実験場だったが、最近は場所を必要とする実験や研究はしていないので、子供達の四季のイベント道具を置く倉庫となっていた。
監禁するとは言え、人道的な扱いをしてはいる。
リアットとゾーラはちゃんと傷を治しているし、食事についても何が食べられるか?を確認はしている。
ヘキサが何でも食べるので、問題はないとは思ったが、一応念の為である。
まあ、ゾーラが「ジールちゃんの手料理食べれるのは幸せだから何でもOKだよ」の言葉にイアランがまた噛みついたこと以外は誰も食事に関しては食べられるだけありがたいと口々に言っていたので問題は無いようだ。
とりあえず捕虜問題は落ち着いたので私は師匠の様子を見に行った。
すると、師匠の部屋のドアの横に師範が壁を背にもたれかかってじっとしていた。
私に気がつくと師範は「お疲れさん」と一言言ってまた元の姿勢に戻った。
「あの…師匠、大丈夫なんですか?」
早急な対応が必要ではないことは師範の態度で分かる。だが、全く部屋から出てこないのは気になるし、事情を聞いて良いのかも分からない。
「ある意味無事じゃないかもな。まあ、しばらくしたら戻るとは思うが…まあ、その、邪神様はおっかないことは分かったよ」
聞いて損したかも知れない。余計に気になる返答をされるのは「興味を持って下さい」と言ってるようなものでもある。
何より、ベラの態度は不可解であり、あれは…また大問題になるのではなかろうか?
「ジール、今後の対策考えるからこっち来てもらっていいかい?」
イアランが私を呼ぶ声がした。
気になることだらけだが、とりあえず今は対策会議を優先した。
会議室というには生活感がある居間でまた、テーブルを囲み私とイアラン、リーン、ブラス、バスダの5人、そして連れてこられたビゴルという面子が揃った。
差し当たり、敵の動きや目的を知る必要がある。そこからスタートするのが今後の話を展開しやすくなるだろう。
「で、あなた達はヘキサを殺しに来たのはわかったけど、誰からの指示なの?」
単刀直入に私は切り込んだ。当然、素直に答えるわけもなく、何の返事もしないビゴル。だが、それで「仕方ない」と諦めるわけにはいかない。
「拷問する?でもさ、簡単に屈してくれそうに無いけどなぁ」
私もそんなことはしたくないが、話が進まないなら、それも仕方ないことかもという考えも過ぎる。
「やめておけ。ビゴルはリグシャ隊の小隊長だ。簡単に口を割らないさ」
リーンはビゴルを見る。ビゴルの目は死んでおらず、真っ直ぐにリーンを見返している。
「認めてくれるのは嬉しいな、リーン。なあ、もう無駄な争いは辞めないか?もし、今ヘキサ様を担ぎ出しても事態は変わらないだろう。それくらいお前なら分かっているだろ?」
全てを信じるわけにはいかないが、どうやらリーンが追い詰められているのは間違いないようだ。
それが、ビゴルの目に現れており、この戦いは最後にリグシャ側の勝利となることがほぼ確定してることを物語っている。
ただ、予想外なのが、ビゴルはリーン達を殺したいというわけではないこと。
もっとリーン達に敵意を向けるかと思いきや、逆に説得を試みている。ここがイマイチ私には理解ができてないところでもある。
「ビゴル、お前もリグシャが作られた者だと知っているだろう!なぜ、純粋なる血統を持つヘキサを認めない!彼女こそが次の長になるべき存在だ!」
熱くなるリーン。ブラスがなだめるも、その感情は止まりそうもない。
「竜人族反映を考えるなら、オジオンとも手を取り合って行かねばならない。今、一族は減少の一途なのはお前も知っているだろう。もう、昔のように種族単体の力では解決できないこともあるのを認めろ、リーン」
「だが!だが、しかし…」
張り上げた声は小さくなっていった。これは思った以上に問題は複雑かもしれない。
特にあまり世に知られてない竜人族ゆえに、特別な事情があっても何ら不思議ではない。
「リグシャは作られたと言っても竜人の血を受け継いでいる。他種族が長になるわけではない。それにもう、女王も長くはない。皆、早く安心が欲しいだけなんだ」
竜人族にも色々事情があるだろう。だが、ヘキサが命を狙われる以上私も黙ってはいられない。
「二つの派閥の落としどころは無いの?」
私としてはさっさと決着を付けてもらいたいのである。まずは、お互いに落としどころを…。
「ない」
「同じく」
ここだけはリーンもビゴルも同意見であった。そこは同調しなくていいのにね。
「人道的に我々を扱ってくれたことは感謝するが、それでもこの現状は変わらない。殺したいなら構わない。それがお前たちがヘキサを守るベストな方法だ」
覚悟を決めているのか、ビゴルはそっと目を閉じてリーンの判断を待っている。
リーンも覚悟を決めたのか腰の剣を抜いた。
「ちょっと待ってくれない?」
止めたのはイアランであった。こういうとき、完全に無視しそうなのに止めるのは意外であった。
「ビゴル、あんたに聞きたいことがある。いつ、誰がリグシャを連れて来たんだ?」
ビゴルは「なんだ、そんなことか」と言わんばかりに話し始めた。
「連れてきたのは、うちの軍の大将、モトラだ。彼はある日突然リグシャを連れてきて『この子は竜化ができる長の資格を持つ者だ』と」
私がおかしいのだろうか?そんなどこの誰か分からない者でも竜化できるならOKということなのだろうか?
「それでみんな納得したの?普通、血筋とか同族とかそういう理由無いと長…王や女王になれないんじゃないの?」
私の質問にビゴルだけではなくリーンまで暗い顔をした。これは事情がありそうである。
「竜人族は女王が全て子を…卵を生んで行く。そうやって数を増やす。だが、近年女王の力が衰えてきている。ゆえに個体数が昔ほど増えない」
珍しい生態に少し興味がわいてくるものの、今はそれどころではない。
リーンの説明を引き継ぐようにビゴルが続けた。
「竜人族は生まれて五年は弱い。その時に病や魔物に襲われたりで成人できるのはニ割しかいない。昔の女王が生涯五千ほど生んでいた卵も今ではたったの千ほど。幸い竜人族は長寿なので直ぐには個体数が減らないものの、昔に比べると減少傾向にある」
通りで文献の数が昔は多く、今は少ないわけである。個体数が多ければ目撃もしやすく、観察もしやすい。
だが、減少していくなら当然減少を防ぐために安全な場所に身を隠すようになる。病はともかく魔物の攻撃による死亡リスクは避けたいはずだ。
「でもさ、竜人族を襲う魔物っているの?」
基本的に戦闘民族で屈強な竜人族を襲える魔物なんて想像できない。
「ブラッドビーという虫の子供だ。あれの持つ病原体が竜人族の子供にとっては命を脅かすほどのものとなる」
世の中分からないものである。
ブラッドビーは初心者の冒険者ですら楽勝な成虫で二十センチの魔物である。
動きはそこそこ早いが、目で追える早さ。素手ではたき落としても勝てる。
攻撃も吸血しかしてこないので、よほど鈍臭い者でない限り楽勝なのである。
その子供、幼体となれば二センチほどである。それが一年で二十センチになるので成長速度は早い。
幼体は成虫をそのまま小さくした感じなので、実は幼体の方が吸血をしやすい。ゆえに、大きくなればなるほど生存率が下がるちょっと可哀想な魔物である。
そんなザコでも食物連鎖の底辺を支えているので必要な存在とも言える。
これは補足だが、吸血されるとかゆいので幼生が多く発生している時期は寝室に結界が必須である。
「ゆえに、別の場所から来る者が長になるのは希望でもあるのだ。弱体化している一族ではないところから来れば、また昔のように繁栄するのでは?とな」
リーンは悔しそうにしていた。リーンにとってはやはり受け入れられないことであり、阻止したいところだろう。
つまり、リグシャ支持派は、このまま滅びるのを待つより、別の可能性を持つ者に期待をしたいということは分かった。
しかし、リグシャは問題は作られたというとこと、バックにオジオンがいること。ここは決して楽観視できない。それでもリグシャに希望を見出す竜人族は、私から見ると愚かとも思えた。
ただ、そこは価値観の違いがある以上、私の感覚で判断してしまってはいけない。大事なのはヘキサの安全。正直竜人族の行く末はヘキサの安全より優先順位は下である。
「せっかく二人に説明してもらったのに悪いけど、俺たちはヘキサの安全が優先だ。それを無視する行動をする者は誰であっても敵とみなす。それが俺たちの考えというのは分かってもらいたい」
イアランはリーンとビゴルの目を見て意思の確認をする。ビゴルは「分かった」と一言で返した。リーンは返事をしなかった。無視というより様々な思いゆえに返事ができなかったと言うべきかもしれない。
しかし問題は何も進展してない。
ヘキサの安全をどう確保するか?が大きな課題である。
多分、これからまだまだヘキサの命を狙ってここに刺客が来るだろう。
だが、ここは城でも要塞でもない。守るには不便な場所。唯一メリットは師匠の決壊だが、ある程度の強さを持つ者には効果は薄い。
「他に何も無いなら殺すがいい。そなくらいの覚悟あっての奇襲だからな。ただ、部下は見逃してほしい…が、それは虫がいい話だな」
ビゴルはどうやら隊長としては優秀のようである。
今、自分の命が絶たれるかという時に部下の命を気にかけるのはなかなかできないだろう。
ただ、リーンはそれはそれとして考えているようだ。剣を抜くとビゴルに向けて構えた。
「リーン、それは待ってくれないか?」
止めたのはイアランである。その声が遅ければ私が止めるところだったのだが、ここはイアランの意見を聞いてみることにした。
「ビゴルからはまだ聞きたいことがあるし、それに、そういうのはやめて欲しいかな。ここは託児所だし、何より…」
イアランは私の方をチラリと見る。
「そういうのを良しとしない者もいるわけだ。まあ、合理的に考えたらリーンのやる事は分かるけど」
今度は私に微笑みかけてくる。多分、私の気持ちを察したのだろう。ホント、こういうところはよく見ていると感心する。
「数が減ってるんだろ?もう少しお互い命を大切にしてもいいいんじゃないか?」
イアランの言葉にリーンは剣を収めた。
「そうだな。武人として私もビゴルが嫌いではない。ただ、ビゴルも生き恥を晒すより死を選んだ方が良いかと思ってな」
よく聞く話なのだが、生き恥なんて自分たちが勝手に決めたことに従ってるだけで、生きていることは素晴らしいことである。
それを恥とか言うのはただ、今という現実から逃げたい人の口実であり、それこそ恥ずべきでないかと私は思っている。
「甘いな、リーン」
まだ死にたそうにしてるビゴルを見て私は苛立ちが頂点を迎えた。
「あんたね!簡単に死にたいみたいに言うけど、それ、あなたが逃げたいだけなんでしょ!その場の失敗がカッコ悪いからって逃げたいだけ!この世の中には死にたくなくても死んじゃう人はいっぱいいるのよ!それなのに、まだ生きるチャンスあるのに死にたいとか贅沢よ!」
私の感情任せの言葉に辺りは静まった。
そう、今の時代、死にたくないのに死んでいるエルフの同胞は山のようにいる。
それに私を助けてくれたリックも死にたくて死んだわけじゃない。
それなのに死にたいとかふざけるな!とつい思ってしまった。
キレイ事かもしれないが、もう、私の周りで望まぬ、自然死以外は見たくないし、起こしたくない。
このビゴルの死も誰かの悲しみを生むものである。
それをここで行うことは私が絶対許さない。これは正義感ではなく、私の身勝手な価値観。それを分かった上で、あえて通す!いや、通させる!
「わ、わかった。だから落ちつけ、ジール」
リーンは私に気圧されて慌てて私をなだめようとする。ビゴルは顔が驚きのまま固まっている。
そんな興奮している私の肩にイアランが触れてくる。
「大丈夫だよ、ジール。こういう死に方をさせるわけにはいかない。それは俺も同じだよ」
普段ふざけることが多いイアランだが、多分ハーフエルフのことを思い出したのかも知れない。とても悲しそうな表情をしている。
もしかして、リーンがビゴルを殺そうとした時に質問をしたのは、そういう意図もあったのかもしれない。
「また聞きたいことがあったら聞くから、その時まで倉庫で大人しくしておいてくれ」
イアランの締めの一言で私たちはビゴルへの尋問は終えた。
ビゴルを倉庫に送り、私たちはまたテーブルでどうするかの会議を続けた。
ただ、イアランが先ほどから黙ってリーンを見ている…と言うか睨んでいる。
「どうした?私に何か言いたいのか?」
そう言うリーンにイアランはため息を一つ。だが、それは呆れた感情だけではなく、少し怒りも混じっているように思えた。
「なあ、ここまでこっちを巻き込んで自分たちの策を話さないのはどうなんだ?こっちはお前達の陽動に付き合わされているんだ。そろそろ言ってもいいんじゃないか?」
イアランとリーンはお互い睨み合い沈黙した。
「言いにくいならこっちから言うが、お前等、リグシャを暗殺する気だろ?」
イアランの言葉に沈黙を続けるリーン。ブラスもバスタも何も言わない。私だけが置いて行かれてるように感じた。
「じゃあこっちはヘキサをオジオンに連れていく。いいな?」
三人はまだ沈黙を続ける。どうやらこちらがそのようなことはしないと思っているようである。
「後、ジールを危険な目に合わせない方がいいぞ。ヘキサはジールを姉のように慕っている。そんなジールに何かあったら長なんてしないだろうな」
それでも沈黙を続ける三人。だが、イアランはそんな三人に怒ることなく続けた。
「分かった。じゃあ俺はこれからゴッドキラーとして竜人族の女王とこの件について話でもしてくればいいか?」
だが、沈黙を続ける三人。とうとう私の顔を見てイアランが肩をすくめた。
「ホント、竜人族って頑固だね。勘弁して欲しいよ」
困るイアランの気持ちも分かる。私としても話をして欲しいところである。今はお互いの信頼関係を築くことをしたい。
でなければ、このままリーン達をお子に置いておくわけにはいかなくなる。
「話し合いの途中で悪いが、ジール、少し時間をくれぬか?」
足音も無くいつの間にか部屋にいたアルビオが私を呼ぶ。私は何だか嫌な予感がしていた。
珍しくアルビオが私を見る目が少し恐かった。
「大事な話だ。外で話そう」
嫌な予感とアルビオからの視線に恐さを感じながらも、私はアルビオと外の出るのであった。
夏バテで執筆速度送れるかもしれませんが、がんばって書きますのでお付き合いお願いいたします。




