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モンスター託児所のジール  作者: ネジマキノ ショウコウ
第一章 クアンタ護衛編
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十四 決着と代償

「フランメ・シュヴァル!」


やはり空を切る。


あの巨体がこんなに上手く私のような小さい者の攻撃を俊敏に避けることに少しずつ違和感を覚え始めていた。


「攻撃速度をまだ上げないとダメなのかな…」


いや、速度の問題ではないかもしれない。


あのドラゴンは明らかに私の攻撃を「知っている」と考えていいだろう。


だが、フェイントを入れると当たるときもある。完全ではないということまでは分かる。


そこまで考えられるのだが…。


「でも、キモチイイからどうでもいいかな♡」


ウィン様との戦いの時に感じたのと同じ感覚。いや、それ以上かもしれない。


甘美で…。


とろけるような…。


意識がどこかに飛んでいイキそうな…。


「これ、もっとツヅケタイ♡」


頭では分かっている。ホント分かっている。イアランを何とかする方が間違いなく早い。


でも、それじゃあツマラナイ。


今、私はドラゴンを求めてる。


自分の好きな相手と楽しい時間、過ごしたいじゃない?♪


そんな時、まさかの横やりが入る!


ドラゴンの首から鮮血が飛び散る!


致命傷ではないが、確実にダメージを与えている。


「ジール!戦いを楽しみたいのは分かるが、今はクアンタの命を優先すべきだ」


私の横に着地したウィン様。スライムの脅威が無くなった今、前線に出てきてくれたのであろう。


言ってることは…分かってる…そんなの分かってる…。


けどね!


「邪魔しないでウィン様!今最高にキモチイイのに!!」


思わずウィン様をにらんでしまう。不快すら感じている。


そんな私をウィン様は驚くこともなく私に近寄りそっと抱きしめた。


「気持ちは分かる。私も戦いが好きだし、強い相手と戦いたい気持ちは強い」


今度は両手で私の両頬を優しく包み、私と目線を合わせてくる。


「だがな、本来の目的を捨てて戦ったところで、その場の快感は得られても、多くのものを失う」


そして私に微笑みかける。


「ジールはそんな愚かな戦士ではない。戦った私には分かる。ジールは戦う目的を見失わず、刹那の快楽のために力を使う戦士ではない」


再び私を優しく抱きしめるウィン様。


何だろう。まるでお母さんに諭される子供の気分である。私はいつの間にか涙目になってしまった。


「ありがとう…ウィン様」


気持ちが落ち着いてくる。温かい。ホント、見た目は子供なのにカッコイイなぁウィン様は…。


「では、私がドラゴンを引き付ける。その間にイアランを頼むぞ、ジール」


あ、それはズルいんじゃない、ウィン様…。


まあ、ウィン様は私にイアランを倒せと言ってるんじゃないというのは分かった。


ただ倒すなら、別にウィン様や師匠や師範に頼めばいいわけだしね。


エルフとして、ハーフエルフに向き合う必要もある。


今のイアランがこうなったのも、エルフもハーフエルフ問題に向き合わなかったのも原因はあると思った。


「イアラン、もう一度聞くわ。もうこの戦いは結果は見えている。だから…もう終わりにしようよ」


「じゃあ俺の条件OKしてくれるならいいよ」


条件?何かイヤな予感がする…。


「結婚してよ♪」


「しません!」


しょげるイアラン。


当たり前でしょ!何でそうなる!


「じゃあ、続けるしかないか。最後まで諦めないよ、俺は!」


イアランは私に速度低下の魔法をかけてきた!思ったより強力な魔法である!


「これで、子供が歩くより遅くなったかな」


イアランは私の前から離れ、ウィン様の元へ向かい同じ魔法をかける!ウィン様の速度も落ちる!


「シンプルだけど…なかなか厄介じゃない…」


体が鉛のように重い!


「こんな魔法、ゼフィ辺りがすぐに解除するだろうね」


そう言うとイアランは浮遊魔法を発動させる!


「まさか、自ら近接戦闘しなきゃならないとはね」


建物へと飛翔するイアラン。その瞬間、私の体が軽くなる!


「行け!ジール!」


師匠の叫ぶ声!イアランの言う通り師匠が低速魔法を解除してくれたようだ!


「させないよ!イアラン!」


私は全力で走る!建物の壁は拳で壊し突入!


ヘキサも低速魔法をかけられたようで、動きが遅い!


「早すぎだよ、ジール!」


私はクアンタに向け、突き立てようと振りかざしたイアランのナイフを蹴り飛ばす!


「もう終わりよ、イアラン!」


蹴られた手を押さえながら、立ち上がるイアラン。私は気を抜かず対峙する。


「俺、女見る目あると思わない?こんなに…俺の策を…打破するほどの凄い…女を好き…なんだ…から…」


そう言うとイアランは背中から倒れ、大の字になった。


まだ警戒を解かない私を見てイアランは手両手を上げた。


「…もう何も無いよ。全て出し切った」


それでも油断をする気はない。相手は策士、何をするか分からない。


「こんな直接的なやり方しかできない時点でわかるだろ?」


それは確かに違和感があった。今までイアランは直接の物理攻撃をしてきたことはなかった。


そのイアランがナイフで直接クアンタを狙うのは万策尽きたと言えなくも無い。


「ウィンの速さが元に戻ればホワイトドラゴンも倒すだろうし…その前に俺の魔力が尽きて消えるか…」


目を閉じて大きくため息をつくイアラン。


「まさか負けるとは思わなかったよ…。これで俺の夢も…終わりだ」


多少呼吸が乱れているイアランだが、悔しいと言うよりやり切った顔をしていた。少し笑ってもいる。


「なあ、ホントに結婚してくれないの?」


全く呆れた性格である。


これから自分がどうなるのか?なんてことを気にするより、私とのことを気にするなんて…ホント変なヤツである。


「しないわよ。ホント、相手のことを考えないわね」


私も少し笑顔になる。もっと早く、イアランと話せたら状況は変わってたかもしれない。


だが、ここから始めても遅くはないはずである。


「結婚はしないけど、友達くらいなら考えてあげてもいいかな」


私はイアランの側に座る。さすがに私も疲れ果てた。


「やっぱり俺は殺されるのかな?まあ、そうなることはしてると思うけどね」


そこに関しては私は何も言えない。


ゴッドキラーにケンカを売って何も無しとはいかないだろう。


何より、人間界のゴッドキラーの弟子であるのも問題となる。弟子の不始末は師匠が責任を負うことになるであろう。


「あ、死ぬ前に膝枕とか…ダメ?」


「あなた、ホントにいい性格してるわ…」


逆にここまで来ると呆きれを超えて尊敬してしまいそうである。


こうやって話せば、その辺にいそうな青年であり、本当に良き友人、ひょっとしたら…いや、それはないか。


「無事、終わったようだな。我は信じておったぞ」


アルビオがいつの間にか後ろにいた。戦いが始まった時、いなかったので心配はしていた。


まあ、やられるとかではなく、また敵になるのではないかという心配なのだが…。


「我はどんな戦いであれ、呼び出されたのでないのなら参入はできぬ。我が入れば勝敗はその時点で決まる。そのような理不尽は許されぬ」


確かに、魂を自由に刈り取れるアルビオが戦いに参加するなど反則であろう。


それに、前回のように誰かの魂で契約なんてこともしてないわけだし、参戦する理由は確かに無い。


「それと…召喚士、お前の名は我に届いておらぬ」


それを聞いて分かったこと。どうやらイアランはすぐに死ぬことは無さそうである。


「…ただ」


アルビオは言葉を止めた。何か言おうとしてためらったように見えた。


「ったく、ホント無茶しよるな…」


聞いたことない声が聞こえた。振り返ると歩くのがやっとと言わんばかりの白いローブを身につけた小柄の白いひげの生えた老人がやってきた。


ゆっくりこちらに歩いてくるとバランスを崩す。ジールはとっさに正面でしっかり受け止めた。


「大丈夫ですか!」


返事が無い。どうしたのだろうか?それに何者だろうか?


「あの、大丈夫ですか?」


まだ返事が無い。


心配になり顔を見ると…私の胸に顔をうずめて…嬉しそうな顔をして…幸せそうである!


「ちょっと、おじいさん!どういうつもりですか!」


私は老人から離れる。何者なのよ、このじいさん!さっきの、もしかしてワザとなの!?


「先生、どうしてここに!?」


先生?イアラン、今、先生と言っていたよね?と言うことは…。


「あの…あなた、人間界のゴッドキラー、レパルド…ですか!?」


「いかにも。ってジールちゃん、イイ女になったのぅ」


この人…いや、このいやらしい目で私を見てくるじいさんがイアランの先生!?ずいぶん老いているんだけど…。


イアランの女好きは間違いなくコイツの影響のような気がしてきた。


「あんなに小さい頃何度か会ったのに、わしのこと忘れた?」


「忘れてても構わないぞ、ジール」


師匠がやれやれと言った感じで言い放つ。


「てか、ここ来たの二回だけだろ、レパルド」


師範も呆れている。どうやら師匠と師範はレパルドを面倒に思っているようだ。


「でも、お前がジールちゃんをわしの家に連れてきたこともあったろ?」


それは覚えていない…ことにしたい気分である。


「まあ、冗談はさておき」


レパルドは両膝を地面につき正座をすると師匠と師範に頭を下げた。


「二人には…いや、ここにいる者全てにわしの不出来な弟子が迷惑をかけた。済まなかった」


そしてそのまま、話を続ける。


「今回の件、わしの命で許してくれんだろうか?」


いきなり何をいうかと思えばそれ!?流石に師匠たちも…。


「それで終わればいいけどな」


師匠は悪魔ではあるが、悪魔らしくないところが多く、私の知る限り穏便に終わらせることが多い。


だが、私の思う以上に今回の事態は大変なことのようだ。


確かにゴッドキラーが直接戦ってないとは言え、その弟子がゴッドキラー、しかも違う界のゴッドキラーに攻撃をするのは内々で許して終わりみたいに簡単には片付かないだろう。


「まずは邪神様のとこに行こうか。私は気にしていかないが、今回は人間の神と邪神様の話し合いにもなるだろうからな」


レパルドは立ち上がり、師匠と師範に一礼をする。そして振り返りイアランを見た。


「イアラン、わしは今回の件、お前を誇らしく思う」


私にはレパルドの言葉の意味が理解できなかった。イアランがこのようなことをしたからこそ、自分はこれからどういう目に合うか分からないというのに…。


「己の信念に従い、最後まで貫き通した。それでこそ我が弟子。お前がこんなに立派になったことを嬉しく思うぞ」


「レパルド先生…」


イアランは体を起こそうとする。だが、先程の戦いで全てを出し切ったのか、体が起こせないでいた。


「たまには家に帰るといい。あそこはお前の帰る場所なんだからな…」


レパルドはローブのポケットから飴玉を出し、舐め始める。その横顔は愁いの無い満足している顔だった。


「しかし、ゼフィ、凄い弟子を持ったのはいいが…もう少し男を見る目を養わせとかんかい」


まるで昔の親友かのように師匠は肩をバシバシ叩かれる。


「黙れ、色欲の塊。お前の弟子も師に恵まれないから変なもの引き継いだのだろうが。お陰で私の弟子が迷惑している」


「いやいや、女と過ごす喜びを知れば人生、楽しく生きれる。ゆえに最高の教えを出しに残したんじゃよ、ワシは」


大きな笑い声を響かせるレパルド。このじいさん、まだまだ長生きするのでは?


「さて、ジールちゃんの成長も確かめられたことだし…行くか、ゼフィ」


レパルドは師匠に向かってニヤリと笑みを浮かべると師匠と共に転移魔法で姿を消した。


「では、我も行くか…」


アルビオも師匠と共に行くというのであろうか?


そうだとしたら、先ほどアルビオが言いかけて止めた言葉。その意味が自然と理解できる。


それはルールとして言えないのもあるだろうが、イアランに気を遣ったのかもしれない。


「アルビオ様…ダメなのは分かってる…それでも…」


次の言葉がすぐに出せないイアラン。私にもイアランが言いたい言葉は分かった。


でも、それは…。


「先生を連れて行くの…止めて…ください…」


アルビオは振り向かず、仮面を顔に付けるとスーッと消えた。


「負けたらこうなることは最初からわかっていたし、覚悟もしていた…」


力のない声でイアランは続ける。


「何で…こんなに…泣いてるんだろうな、俺は…」


大切な人を失う辛さは私にも分かる。そして、それを自分ではどうしようもない時の無力感も。


これからイアランはどうするのかは分からない。


まだハーフエルフの国を作るのか?もしくは別の道を歩むのか、私には分からない。


ただ、これでもう彼は、クアンタを狙う必要はこれで無くなった。


こうして、イアランのクアンタ殺害計画が幕を閉じた。





師匠は翌日になっても帰ってこなかった。


一晩寝て回復したイアランはまた何食わぬ顔をして台所に現れる。


「ジール、なんであんな重症に俺に添い寝してくれなかったの?」


朝からイライラしてくる。ただでさえこっちは昨日、駄々こねてここに泊まると言ったお前の食事用意してるんだから感謝くらいして欲しい!


「朝から未来の嫁の他料理食べれるなんて幸せだなぁ♪」


私は皿を下げた。全てを下げた!


「え!?まだ俺何も食ってないよ!?」


「未来の嫁は私じゃないので他行ってください!」


朝は忙しいんだからこういうやり取りでエネルギーを使うことにイライラする。


そんなやり取りをしてるとウィン様やクアンタ、そしてクアンタの陰に隠れてヘキサがやってきた。


そうか、イアランはヘキサにとって自分を無理やり召喚した嫌な奴だもんね…。


「おはよう、クアンタ、ヘキサ、ウィン♪」


こういうとこが理解できない。昨日殺そうとしたクアンタと無理やり召喚したヘキサに爽やかな挨拶ができる神経。図太いのか無神経を極めているのか…。


「あ、怯えなくていいよ。もうクアンタを殺す気ないし、ヘキサに成長促進の…あ、そうだ、ヘキサは成長促進の呪印消さなきゃね」


そんなもの使ってたのか…。使い道はともかく、師匠の魔方陣のレジストと言い、ホント魔法技術に関してはトップレベルといえるであろう。


「後でベットの上に全裸になって横になってね。呪印解いていくから」


「…変なことしないでしょうね」


私は女の子に対して信頼度ゼロのこの男を軽蔑する目線でにらんだ。だが、この無神経には効果が無いようだ。


「あ、ヤキモチ?大丈夫だよ、ジールにしか結婚申し込んでないんだよ、俺。こんな一途な俺を疑うのかい?」


「結婚するのか?ジール。それはおめでとう!」


違う!ウィン様!あいつは昨日戦った相手って覚えてますよね!?


「ありがとう、ウィン!俺たち幸せになるから♪」


「いいから、全員早くご飯食べなさい!!!」


私は思わず大声を出す。ウィン様、こういう時は事態を悪化させるキャラってことなのね…。


「私は結婚をしたことなかったが、幸せそうな夫婦を見るといいものなのだろうな、結婚は…と思ったものだ」


そう言えばウィン様、これだけの美貌で結婚申し込みとかなかったのだろうか?


「誰かに結婚しようと言われたことないんですか?」


「ある時期までは外を歩けばよく言われてたよ。私の知らない者から知ってるものまで様々な人が言ってくれた」


ある時期?何かあったのだろうか?


「だから少し困ってな。エピオン王に相談したらすぐに解決したよ」


…どんな解決策なのか、何となく予想がついてきた。ウィン様、それは結婚できないって理由、語り継がれてますよ…。


「私に勝った者と結婚することにする!と宣言したんだ!」


やっぱり…。無敗ゆえに独身ですよね…。


「でも、そうなると、どういう理由であれジールは私を倒した。つまりジールとは結婚できるということだな♪」


私がウィン様と結婚…か。


いや、それはそれでちょっと想像して幸せな気分になっちゃったけどそうじゃないでしょウィン様…。


「じゃあウィンは俺のライバルか…負けないからね!」


「さっさとご飯食べて!」


クアンタはため息をついている。


ヘキサは気にせず一生懸命ご飯を食べている。


実に騒がしい朝食。ホント疲れる…ホント大変…


…ホント、やっと終わった感じがする。





イアラン襲撃は終わったものの、ターンズ国はまだクアンタを狙ってくるはずなので食後、イアランにターンズ国の内情を聞くことにした。


すると私が思う以上にイアランの役割は大きいものであった。


世界の情報収集から国の警備結界、防衛のために周囲の森や山に召喚した魔物を配置。それをイアラン一人がやっていたというのだ。


確かに今回ここの情報を把握するのも早かったし、あれだけ召喚できるなら警備用に魔物を召喚もできる。


それなのに今回失敗したらクビなど王はよく言えたものだ。案外無能な王かもしれない。


「現時点では来ないとは思うけど、また俺みたいに誰か雇って攻めてくるかもね。クアンタは王家の汚点だし、他国に示しがつかないからね」


解決策はやはりターンズ国を壊滅させるか、王を殺して今の王家と関係ない王が就任し、クアンタのことを気にしなくていいようにするか…となるのだが…。


「ジール、ゼフィがお前にこれを使えって連絡が来たぞ。昨日持って帰ったが、言う暇無かったもんな」


蓋の付いた木箱。大きさはスイカ一つが入るくらいだろうか?そっと箱を開けてみる。


「!」


私はふたを閉めた。急いでクアンタの元へ走った。クアンタは隣の部屋でヘキサと話をしていた。


「これは…作り物?」


「ある意味本物だ。身体造形師ハイム作だ」


再び箱を開ける。クアンタの頭が箱に収まっている。私には本物との差が分からない。しかも、首の血が箱の底に広がって固まっている。


「これをイアランに渡してターンズ国に戻らせろだってよ」


さすが師匠。こんな策があるとは思いもしなかった。これならイアランの顔も立つし、ターンズ国も他国に示しがつく。


イアランも蓋を開けて確認をする。


「これはスゴイな。こんな策あるなら、もっと早く知りたかったかな…」


そう、この策を知っていれば、もっと早くこの箱があればレパルドは…。


「分かった。それは俺が責任をもってやる」


早速イアランは箱を持ち転送魔法でターンズへ向かった。


「終わったな、ジール」


さすがに師範も疲れたのか、大きくため息を吐いた。


「師範、今回は助けていただいてありがとうございました」


私は改めて頭を下げた。


「気にするな。…ところで、あいつからのプロポーズ、受けるのか?」


師範が下衆な顔をしている。ホント、ここには変な奴ばかりで私が疲れる。


「師範、あまりこんな事を言いたくありませんが…」


私は壁を軽くコンコンと叩く。壁から砂のようなものが落ちる。


「修理、さっさとやってください!師匠から頼まれてるんでしょ?どうでもいい事を聞く前に終わらせてください!」


私は今日の託児所の準備のために部屋の点検へと向かったのであった。



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