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モンスター託児所のジール  作者: ネジマキノ ショウコウ
第一章 クアンタ護衛編
11/80

十 新たな日常の始まり

何があっても次の日は来る。


昨日の夜は色々あり過ぎた上に私が寝不足だとしても日は昇る。


今日くらいはゆっくりしたいところだが、そうもいかない。


早速朝ご飯の用意をしに台所へ向かう。


「おはよう、ジール。気持ちのいい朝だな」


ウィン様がさわやかに挨拶をしてくる。片手には水の入ったコップを持ち、タオルで汗を拭いている。すでにトレーニングを終えて一息入れてるようだ。


「やはりこの体は柔軟性が無い分、戦い方を考えなくてはならないようだ」


まあ、本来のウィン様の体から考えたら別の…あ、いや、体のことを考えると昨日の何とも言えない悩みがよみがえりそうなので止めよう。


「二人そろっているのはちょうどいい」


師匠が私とウィン様の後ろから現れる。何か用事だろうか?


「昨日のアルビオ様の話、邪神様に話したのだが、許可が下りてな」


私はウィン様を見る。ウィン様もこちらを見てきた。すごく嬉しそうである。


「今日、早速ウィンを連れて身体造形師ハイムの元へ行くことにする」


こんなに嬉しいことがあるだろうか!あのウィン様が戻ってっ来る!これで私に日々の希望が生まれる!


「ということだ。体を作る期間は行ってみないと分からないから今から行こうと思っている。いいか、ウィン」


「ありがとう、ゼフィ!恩に着るよ!では、行くときは言ってくれ」


どうやら体の件は問題なく解決しそうだ。


「ジール、その間、敵の襲撃には気を付けろ。理由はまだ不明だが、相手は私の結界の中のことを把握できるみたいだからな」


そう、戦力の低下したところを狙われるのは確かにキツイ。だからと言って私の楽しみ…いえ、ウィン様のために体は早く元に戻してあげたい。


「元に戻ったらまた手合わせしよう、ジール!」


「はい!ウィン様!」


寝不足が吹き飛ぶくらい嬉しさでテンションが上がり、朝食がいつもより豪華になったのはご愛敬である。


用意ができたのを待っていたかのようにクアンタとヘキサが台所に現れる。


「おはよ、クアンタ、ヘキサ」


先に食事を始めたウィン様も二人に挨拶をする。


「今日はちゃんと食べるんだぞ、クアンタ」


「お前は俺の教育係ではないだろう…」


面倒くさがるクアンタだが、ウィン様は苦手のようで、何だかんだで言うことを聞いている。


まあ、最初の頃より少しずつは食事もするし、案外ヘキサのことも気にかけていて、ヘキサには自分から話をしてる所をみたことがある。


いつも通り朝食を済まし、早めに行こうと言った師匠とウィン様を見送る。


そろそろ子供達を預けに来る時間なので元道場だった広間に不備や破損をチェックしておく。回復魔法が使えるとは言え、ケガはさせないに越したことはない。


「そろそろ始めるのか?」


いつの間にか私の背後にアルビオがいた。


昨日の夜はあれからどこに行ったのかわからなかったが、私の言ったことを覚えてていてくれたようで、子供達が来る前にちゃんと来たのだ。


ただ、この黒のドレスと仮面、どうしようか?


仮面は取ると怒るので私がフォロー…できるだけするとして、真っ黒のドレスはどうかとは思う。


「アルビオ様、服装、少し変えたりできますか?」


「この格好では何かマズイことでもあるのか?」


ダメとは言えないが、子供達や親達はどう思うか?まあ、気にしない方々ばかりとは思いたいけど…。


ただ、威圧的な空気は服装も込みなので、せめて服装だけでも…。


「我はこれ以外の服装はしたことない。その…よく知らぬのだ、他の服装を…」


あ、そういうことなのね。つまり…私好みにカスタマイズしてカワイイ死神…じゃなくて、服装を変える楽しみも知ってもらうのは良いことだからね♪


「えっと、アルビオ様も師匠たちのように服装は魔法で変えることができるんですか?」


一時の沈黙。


「それは…できぬ…」


まさかの予想外。まあ、今着てる服の素材も特殊そうだし、やぶれ、ほつれも無い。必要ないと言えばそれまで。


それに時間の制御下にないなら、服も劣化しないということなのだろうか。


「その…興味がないわけではなかったのだが…死神が…その…黒以外はおかしかろうと思ってな」


気恥ずかしそうに答えるアルビオはとても愛おしく見えた。そうだよね、やっぱり気分転換ってしたいもんだよね♪


「じゃあ、子供達の相手してると汚れることもあるから着替えましょ」


私は私の仕事着…と言っても使用感あるブラウスにスカートというありふれた物なのだが、色は薄い緑の物の上と、いきなり何でも間でも変えて不安にさせないように薄めの黒いスカートを選ぶことにした。


「ここで悪いですが、こちらに着替えて下さい」


またもや沈黙。アルビオは少し顔をそむけた。


「そ…その…なんだ。服を…脱いだことがないのだ」


盲点だった!


生まれた時から着てるなら、服を脱いだことはないのは当たり前と言えば当たり前である。


「それなら大丈夫ですよ♪着替え、手伝いますから」


早速脱がせるためにドレスに触ると素晴らしい手触り。サラサラとしてずっと触ってたい。でも時間が無いから諦めて服を観察して脱がせる方法を探す。


どうやら特に紐やフック、ボタンなどもないワンピースのようで、上から脱ぐしかなさそうである。


「それじゃあドレス脱がせますね」


人のドレスを脱がせるなんて経験あまり無いから私も少し苦戦。どうなりこうなりある程度引っ張り上げるとバランスを崩したアルビオに捕まれ引っ張られたので二人で倒れてしまった!


その時、私が上になり、アルビオが頭を打ってしまったようで、大きな「ゴン」という音がした。


「あ、アルビオ様、大丈…夫…です…か」


ドレスが脱がされた下にはキレイな肌が現れる。と言うか全裸である!


まるで少女が女性へ成長する途中の体。


少しある胸の膨らみ。張りのある美しい白い肌。そしてすらりとした手足に細い腰。とても鎌を振れそうな体には見えない。


ふと下を見ると…女性でもなければ男性でもない。作られた体ゆえに必要無いものは作られてないのだとろうと思われた。


すると、アルビオが少しため息をつく。


「すまぬ、我が慣れてないゆえに手間をかけるな」


そうである。慣れてないことをする場合、失敗はして当然。万能の神ではなく、アルビオは生死に特化した神。他の事ができなくとも全くおかしくない。


「初めてゆえに、丁寧に教えてもらえると助かる…」


そうだよね。別に知らないことは変じゃない。というか、ちょっと人間味があって良いかもしれない。


「…ジール…そこに手を出すのは…ダメだろ…」


声のした方を私とアルビオが向く。


すると青ざめた顔の師範が震えながら人差し指をこちらに向けている。


「へ?」


私は師範の言う言葉の意味がすぐには理解できなかった。


ただ、冷静に客観視して見る。


私が裸のアルビオの上に覆いかぶさるように四つん這い。私も一緒に倒れたので起き上がろうとしてるだけ。何の問題があるのだろうか?


「…お前、理性の壁を緩めすぎて制御できなくなってきたのか!?」


師範が手で頭を抱え出した。


言葉と師範の態度で…師範が想像してることが理解できた!


ち、ち、ち、違う違う違う!そうじゃない!


「師範!違う!そういうのじゃなくて!」


「じゃあ何でアルビオ様が『初めてゆえに、丁寧に教えてもらえると助かる』って言ってるんだよ!」


あ、それも聞いてたんだ…。


「問題なかろう?全てジールに任せることにしたからな」


アルビオ!今のその言葉は更なる誤解生んでるだけ!逆効果!


「頼むから止めてくれ!今回のアルビオ様の件、ゼフィはただでさえ邪神様に問い詰められるはずなのに、更なる問題は勘弁してくれ…」


この後、必死に師範へ説明して師範の魔法でアルビオの服を着せてもらった。


私の意見は軽くスルーされて、師範のセンスで水色のフリル付きのブラウスに白いエプロン…白のタイツに革靴。可愛いメイドさんに変身した!


「アルビオ様!カワイイ!」


「確かに似合う。元々スタイルいいからだな」


師範は気を利かせて姿見を魔法で出す。それを見たアルビオは動かなくなってしまった。


「アルビオ様?気に入りませんでしたか?」


やはり黒の方が良かったのだろうか?


「これが我…なのか?」


どうやら驚いてるようである。


「もしかして気に入らなかったですか?」


一応聞いてみる。ただ、このパターンは間違いなく気に入ってる。ちょっとアルビオのことが分かってきた。


「いや、こんなに変わるものかと驚いていたのだ…」


姿見の前で動かなくなったアルビオの事情は関係なくに子供達がやってくる。


「ジール先生!今日もお願いします!」


クレロとサマーンが父親に連れてこられてやってきた。大体一番はこの二人である。


二人の親は族長という立場。ゆえにここに子供を預け自分の村の管理業務、狩りの指揮などを行い夕方に迎えに来る。預けている理由は社会勉強とのこと。


それに続きゴブリンのラサイがお母さんと来る。実はゴブリン村の試験的な意味合いでラサイは預けられてたりする。


託児所の利用方法や価値を模索していて、一人預けて様子を見ようということらしい。


で、しばらくするとリザードマンのスレイがお母さんと一緒にやってくる。


ここも教育の一環らしく、ラサイはリザードマンの中では結構高い地位にいるらしく、他種族のことを学ばせるために利用をしてると聞いた。


ここまでは最近の決まったメンバーで、クアンタとヘキサは好きな時に顔を出すので二人は預かっているというカウントはしてない。どちらかと言うとこちらの家族みたいなものである。


後は秋の収穫時期は少し数が増えたり、春先の発情期にも預ける数は増える。


発情期の場合は興奮しすぎて大人同士で争いになることもあるので、安全のため子供を宿泊で預けてくる親もいる。


今は比較的預けてくる数が少ない時期。アルビオには丁度良い練習のできる時期と言える。


早速みんなアルビオに興味津々。ご期待通りにアルビオを紹介する。


「今日から私と一緒に働くアルビオ様です。分からないこともあるから、その時は私を呼ぶか、分かることは教えてあげてね」


みんな元気に返事をする。今日はイレギュラーな預かりは無さそうなので特段苦戦することは無さそうである。


「ねえ、アルビオはなんで仮面つけてるの?」


好奇心の塊のラサイが早速聞いてくる。


「これは我が死神として…」


「ちょっと待って!アルビオ様!」


いきなり死神宣言はマズイ!と私が言葉をさえぎる。とりあえず火傷が酷く、それを隠すためにと説明した。


「そうか、火傷なのか。悪い事聞いてごめんな、アルビオ」


ラサイが謝る。心の中でウソを言ったことをラサイに謝る私。


「じゃあなんでここで働くことになったの?」


今度はサマーンが聞く。サマーンは気を付けなければ弱そうな相手には高圧的にものを言うところがある。


私が師範を殴る前までは私を見下してるところが多々あった。


「魂と引き換え…」


「師匠の知り合いで、この仕事に興味があるらしくて働くことになったのよ!」


すでに疲れてきた…。これがまだ一日の始まり。今日はこれまでの日々より神経を使うであろう…。





思わぬ展開が起きる。


アルビオは子供たちと馴染んで、普通に相手ができている!


走り回ることはしないが、その知識ゆえに子供たちの質問に答えたり、昔話(体験談ばかりなのだろうが)を話して子供たちを驚かせた。


どうやら私の心配し過ぎだったようだ。


お昼になりご飯を食べた後、子供たちは昼寝を始める。ちなみにご飯は持参してもらっている。クアンタとヘキサのは朝ご飯を作るときついでに用意しているのでそれを食べさせる。


他の子供たちについては種族によって食べるものが異なるので、こちらで用意するのは大変なことになる。ゆえに持参をお願いしている。預かるのに料金がかからない分、そこは預ける側に協力してもらうのだ。


私は子供たちの近くに座り込んでいるアルビオに冷たい水の入ったコップをわたした。


「お疲れ様です、アルビオ様」


アルビオは黙ってコップを受け取る。


「…まだお前の言っていた『魂』は分からんが…」


ゆっくりと仮面がこちらを向く。


「これも…悪くはないな」


私も実は楽しかった。


なんせ、初めての「仕事仲間」ができたからである。


今まで気にしなかったが一人より二人は良いものだと思う。


このままここで働いて…って考えてみれば今、誰が魂を刈り取っているのだろうか?気になるところである。


それをアルビオに聞くと


「我がやっておる。我は時間の制御下におらぬ。ゆえに今、ここにいる我も、魂を刈り取っている我も同時に存在する。我は時間ではなく目的で存在するからな」


昔、師匠が研究していた時間超越進行論に近いかもしれない。


簡単に言うと、時間ではなく目的によって行動ができる…つまり、目的があるなら過去だろうが未来だろうが関係なく目的から目的へと移動できる理論らしい。


まだ半端なところで研究は終わってるが、師匠の理論から言うと今ここにいるアルビオは私との契約を果たす目的のためにいる。それが終われば次の目的に向かうとなる。


私たちの感覚だと未来とか過去とかに行くと時代感覚のズレや記憶の混濁がありそうだが、目的を達成するために他の情報…つまり心や感情という不安要素を遮断して魂を刈ることだけを行う。


だから、次に会うアルビオは私のことを覚えてない可能性もあるし、記憶の共有で覚えてるかもしれない。


まだまだ死神アルビオは謎の存在であり、そこを解明するのは神を理解するのと同じなので人知を超えた理解力と知識が必要となる。


「アルビオ様はいつまでここにいてくれるんですか?」


いずれは去る存在であることは分かっている。だからせめて別れの時を知りたいと思った。覚悟ができるからである。


「ここは居心地が良いからな。少なくともお前の魂を刈るときまで…と考えておる」


「それっていつのことですか?」


思わず聞いてしまった。だが、アルビオは上を見上げて言った。


「それは我にも分からん」


あらかじめ分かっているのかと思いきや実は本人も知らない。いや、隠しているのだろうか?


「時が来れば目的としてお前の名が出てくる。その時こそ我がお前の魂を刈るときだ」


そうか、最後はアルビオに会って死ぬ。そう考えると今、死が間近にあるわけではないので、どういう感覚なのか分からないが、死は決して怯えるものではない気がしてきた。


「その時はよろしくお願いします、アルビオ様」


仮面は静かにうなずいた。





何事も無く昼が過ぎ、もう少しでお迎えが来る時間である。子供達は鬼ごっこを全力で楽しみ一息ついていた。


「ってかラサイ早いよー!」


「クレロが遅いだけだよ」


二人して楽しそうにしている。そんな二人を見てサマーンは呆れている。


「ホント、馬鹿みたいに走ってはしゃいで子供なんだから」


サマーン、あなたも子供だよ…と言いかけたが、それは大人として言わずに流す。


「そろそろ帰る支度しときなさいよ」


私は子供達に声をかける。親が迎えに来た時探すのも大変なので予め声をかけておくのも大事なことである。


そんな時、スレイがまさかの行動に出てしまう。


「あ、アルビオの仮面に汚れついてるよ」


持ってるハンカチで拭こうと近寄るスレイ。その時、不意につまずきアルビオの仮面をはたき落としまった!


「あ、ごめんなさい、アルビ…オ」


マズイ!これはマズイ!弾かれた仮面を急いで拾ってアルビオに付けようとしたが、素顔のアルビオは無表情のままスレイを見つめている!


「お前、仮面を取ったな…」


スッとアルビオは立ち上がり、手に鎌を持ち出した!


「あ…あ…」


腰が抜けたのか、スレイはそこにへたり込む。


私で止められるか分からないが、ノイエ・クレイドを発動させた!


「アルビオ、スレイも悪気はないんだ!許してやってよ!」


クレロが走りより頭を下げる。だが、アルビオは鎌をまだ手にしている!


「あれ?火傷ないよ?」


呑気にラサイはアルビオの顔を覗き込む。


「どこも変なとこないのに仮面してたの?」


もう何も言わないで!私はアルビオの前に立った!こうなればやれるだけやるしかない!


だが、アルビオは鎌を消し、ラサイの所に歩み寄った。


「本当に変ではないのか?」


「うん。キレイな顔してるよ」


私はいつでも飛び出せるように構えた。


「き、キレイな顔…だと言うのか?」


あれ?もしかして…。


アルビオの少し顔が赤い気がする。


「そんなこと、初めて言われた…」


アルビオ、これは照れてるのではなかろうか?


「ジールよりキレイで可愛い顔してると思うよ」


少し嬉しそうなアルビオに対して、ちょっとイラッとした私。ホント子供はメンタル攻撃してくるよなぁ…。


まあ、確かに可愛いしキレイだし、それは嘘ではない。


「そうか…死神で無ければ、この顔でも問題はないということなのだな」


なぜ仮面を被ることを始めたのか、その理由は予想できないが、この仕事では仮面が必要ないとアルビオは感じてるようだ。


私も素顔のアルビオは好きだし、可愛いと思う。せっかくこういう時間を過ごすのなら、仮面も外して今を楽しめば良いのではなかろうか?


「本当にここは不思議なところだな。我の感覚をどんどん塗り替えられておる…」





子供たちを無事見送ると私とアルビオはお茶にすることにした。


師範が居間でぐったりしている。きっと昼間、私たちのことをずっと見張っていたのだろう。…お疲れ様です。


「今日はレモンティーと私お手製の桃のドライフルーツよ♪」


ヘキサは寝てるので起こすのは可哀想なのでそのままにしておく。クアンタは相変わらず「お前らだけでやれ」と本を読み続けていた。今日は二人での遅めのティータイムとなった。


「どうでした、初仕事は?」


「うむ、死神の仕事より心地良かった…といったところだ」


どうやら初日は楽しかったらしい。


何より、今アルビオは仮面を付けていない。それが今日を物語っている。


「このドライフルーツとやら、気に入ったぞ」


表情にこそ出さないが、声に嬉しさが混じってるのは分かる。


にしても…確かにカワイイ。何というのだろうか?大人になる前の子供のあどけなさと、大人に少し近づいてる凛々しさが上手く混じっている。


(この体作った…悪魔、かな?センスいいわ…)


そんなセンスを持つ者がウィン様の体を用意するのは楽しみでしかない♪


でも、こうして見るとアルビオも捨てがたい…って私は何を考えてるんだ!?


「顔が赤いぞ。病でも患ったか?」


アルビオの顔が近づいてくる。


なぜか妙にドキドキしてくる。


「だ、大丈夫です!アルビオ様、まだドライフルーツありますから、気にせず食べてくださいね」


なぜか必死に誤魔化そうとしている自分に違和感を覚えつつもアルビオの可愛さならば、引き込まれそうになるのも分かると自分を納得させていた。


「それは有り難いが、それを作るのも手間であろう。少しずつ、日々味わうことにしよう。今あるので十分だ」


まさかの気を遣われた。いつか師範が隠れてバカみたいに食べてたことを思うとちょっと泣けてきた。


「ん?今、我は何か不快なことでも言ったか?」


どうやら涙が目に浮かんでるのが見えてたらしく、更に気を遣わせた。


「いいえ、嬉しかったんです。そういう気遣いされたことが」


私は微笑んで答える。今度はアルビオが赤くなった気がする。


「きっ、気遣いくらいはする。お前はここでの『仕事仲間』だからな」


その言葉を聞き、私はアルビオを抱きしめていた。戸惑うアルビオ。でも、この気持ちはこうやってアルビオに伝えたかった。


私の楽しみの中に、仕事の後のお茶が一つ増えた。

ここで報告するのもなんですが、この作品、8月10日で50人もの人が読んでくださっているようです!

これはまるで一番くじ一枚引きに行ったら、それがラストワン賞くらいの驚きです!(表現わかりにくいかな?)


50人って学校ならクラス全員読んでったとしても余る数。ラーメン屋に並んでるなら長蛇の列です!


もう評価だ感想だなんて言いません!(でも、感想や評価もらうと、きっとにやけた顔で踊ってますww)


一応ある程度書いたらこれを第一巻として終わらせて、第二巻にしようとも考えてます。


さて、ここからジールはどのようなユリ…いや、人間関係を構築し、成長していくかを楽しんでいただけたら幸いですし、読んでいる方に楽しんでもらえるように頑張って書いていきますので応援、よろしくお願いします。


では、次はもう少し先の最終章のあとがきで会いましょう♪

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