ゆらりゆらり
窓際に置いた小さな花瓶の花を
見るでもなく目に映す
あなたの好きだった白い小さな花が微笑むように
花びらを広げて
あの時と変わらない白く薄いカーテン
開いた窓からゆるく風が吹き込み
そっと揺れる白いカーテン
微かに揺れる白い花びら
──脳裏に浮かぶ
白い服を着たあなたの残像が
目の前にちらりちらりと浮かんで揺れて
ゆっくりと腕を寄せて
押さえる胸
あなたの残り香が
焼きつくような痛みとともに
このうつろな心に揺れる
ゆらりゆらり
それは揺れて
ゆらりゆらり
このうつろな心に揺れる