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自称勇者 第十三部 第三章

 魔法使いの爺さんが必死になって寺の中の索敵を始めた。


 この爺さんの事だ。


 出入口だけ重要視して、その辺りだけ索敵しただけでは無いかと思う。


「ああ、そうだよ! それ以外の侵入なんて考えて無かったわ! 」


 魔法使いの爺さんが私の心を読んだらしくて叫んだ。


「うかつだな」


「いやいや、なかなか起きてくれなかったくせに! 一応、お前らには最初にどうするか、念話で聞いてたんだぞ? 」


 魔法使いの爺さんがギャクギレしてきた。


「一応、どうするか? って私も聞いたんだが、魔法使いの爺さんと一真しか起きて無くて……」


 一真の父親の副住職が困惑した顔で話す。


 どちらにしろ、まあ私達が熟睡してたのは確かだしな。


「ほら、見ろ! 熟睡してたと認めてるじゃないかっ! 」


 などと魔法使いの爺さんが突っ込んできた。


「……念話とやらで話しているのか? 」


 一真の父親の副住職が恐る恐る一真に聞いた。


「いや、魔法使いの爺さんは他人の考えが頭に流れてくるんだって。だから、浅野兄弟の心を勝手に読んで話し合いしているんだと思う」


 一真が仕方なく答えた。


 それで一真の父親の副住職が凄い顔をしている。


 いや、まだ言ってなかったのかよ。


「ええ? 心を読まれてんの? 」


「らしいですよ」


 優斗がそう答えた。


「嘘、マジなの? 良く君達は平気だな? 」


「いや、別に私には裏表は無いし、思った事ははっきり言うし」


 私が一真の父親の副住職に話す。


「百科事典の裏に隠した人妻AVのDVDコレクションを知られた以上、もはや俺が隠していることは無いし」


 そう悟りきったような顔で兄が語る。


「いや、あれは夢枕の時の話で、あの一連の話は一真の父親の副住職さんは知らんのだが」


 私がそう突っ込む。


「いや、妹が隠し場所を知っててって方が俺にとってはショックが大きかったから。別に父母なら良いじゃん。そんなもんだと理解してくれるだろう。こんなもん当たり前だし。ある人の叔父さんが急死した後に彼の家のかたずけをある人がしていたら家族が来ちゃって、本人の書庫からロリコンのエロ漫画が出てきて、それをある人の娘が見つけてしまった。長女の方が『叔父さん、あんなの見てたんだ! 』って騒いで、次女に隠れた変態は分かりにくいとか解説してて、その姿を見れたもんじゃなかったとか。可愛がってくれた叔父さんなのに、そういう意図があったのかとか勝手に想像されて貶されてんだ。そういう意味合いで言うと妹に見られているのは、それと同じで……」


 兄が訳の分かんない話をした。


 結局、俺は気にしないと言いつつ、気にしているのではと思う。


「いやいや、何の話なの? 」


「切実だろ。自分のおかずがばれた事で、今までの人生を全否定されるんだぞ? 」


 一真が突っ込むが兄が悲しい顔をした。


「まあ、人妻じゃん。それに比べたら……ああ、いやなんでもない」


 優斗もフォローのつもりかフォローで無い事を話しだす。


「ネットでおかずだもんな」


「あの女神困るよな……」


 私の突込みで優斗が呻く。


「そういえば、そのある人っていろんなものが見える人で、昔同人誌とかが全盛だった時に、エロ同人で儲けようとして、エロ同人の原稿を書くために、エロ本の模写を必死にしていたんだ。そうしたら、そんなときに限って高位の美しい女性の霊が背中に現れてな。ある人が必死に書いているので何か興味を持ったらしくて、後ろから覗き込まれたそうな。そうしたら、そのエロ本の模写しているのを見てマジで驚いた顔でじっとある人を見て、そんで凄い残念なものを見たように、ふぅとため息ついて消えたらしい。きついよな……」


「女神のやってるのって、それに近いよな……」


「というか、発電中に女神に見られてたら、もっとひどくね? 」


 兄の話に優斗が答えるが、それをさらに一真が突っ込んだ。


「おいおい、日葵さんがいるんだが」


「そうだぞ、ここに女性がいるんだぞ? 」


 一真の父親の副住職と私が突っ込んだ。


「いや、あまり、その子を皆が女性として見てないんだと思う」


 魔法使いの爺さんがそうフォローした。


「いや、フォローになってないんだが」


 私が流石にあまりの事に口に出して突っ込んだ。


「確かにな。俺達より男らしいと言うか。竹を割った性格と言うか……」


「本気で男かと思う時がある。ツレみたいな感覚だな」


「いや、ますますフォローになってないぞ? 」


 私が一真と優斗の言葉にさらに激怒した顔で突っ込んだ。


 表情からマジで一真と優斗が言っているのを見て、余計に腹が立つ。


「ちょっと、緊急時だから盛り上がってるとこですまないのだが話すが、山の奥の方で颯真がやり合ってるわ」


 魔法使いの爺さんがおずおずと話してきた。


「ええ? 」


「マジか? 」


「やはりか」


 一真と優斗は動揺していたが、颯真ならそうするだろうと思ってたので私は驚かなかった。


「ま、巻き添えは? 」


「大丈夫だ。人のいないとこでやっている」


 一真の父親の副住職が恐る恐る魔法使いの爺さんに聞いたので、そう魔法使いの爺さんは答えた。


 颯真は意外とそういう空気は読むからな。


 人のいない場所になってから斬りこんだのだろう。


 さて、どうするか?


 私がそう思って兄を見た。

 

 兄は考え込んだ顔をしていた。

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