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自称勇者 第十二部 第五章

「解除に関しては、お前の性格だとしか言いようが無いな。私は聖女の名前を付けて方向をつける事でスキルが作り出せるようにしただけだし」


 女神の身も蓋もない説明が来た。


「待て待て、えええ? やっぱり、女神がくれたわけじゃないの? 」


「聖女って職業にしただけだし。それで自分が聖女と言う事で納得して、自分で自分のスキルを聖女に合うように勝手に想像して追加しているだけだ」


「マジでか? 」


 私が驚く。


「ゲロとか下痢とか聖女のスキルになんでなるんだ? 」


「いやいや、おかしいよな。絶対、根底にある考えが……」


 一真と優斗が突っ込んできた。


「あっちの聖女と勘違いしているんじゃないか? 」


 などと兄が凄い事を話す。


 嫌味っぽい言い方だった。


「待て待て、エロ本見られたくらいで捻くれるなよ。言ったのは悪かったから」


 私が仕方ないので捻くれたままの兄に突っ込んだ。


「いや、謝られると、もっと切ないんだが」


 兄がぽつりと呟いた。


「まあまあ、エロ本とかネットとか皆やってるから」


 そう女神がフォローのつもりで言うがフォローになってない。


「……なんだろう。似て無いか? 」


「だよな。何か性格似てるわ……」


「失礼だな」


「失礼になるのか? 」


 私の優斗と一真への突込みに女神がそう突っ込んだ。


「全然、話が進まない。ぶっちゃけ、じゃあ、そういうものがあるって方向で考えれば新しいスキルとして出るって事か? 」


 魔法使いの爺さんが真面目な顔で聞いた。


「性格に合わせて、解放と言うか、面倒くさいのでここでスキルをかけていたのは止めると言うか、そういう突き放す考えでスキルのかかった部分が無くなっちまえって感じで思えばスキルが出来ると思うんだが……」


 などと私の考え方に合わせた方法を女神が私に告げた。


「なるほどな」


 そう私が考える。


 解放と言うか面倒くさいので、ここで相手に仕掛けたスキルを止めると言う感じか? 


 それで自分のフォログラフィーみたいな真っ黒いモニターみたいなステータスを見た。


「……新しいスキルは……ええと……<放流>? 」


「は? <放流>? 」


「微妙に違わないか? 」


 私のステータスの画面を見ながら、一真と優斗が首を傾げた。


「まあ、解除して逃がす感じだから、<放流>で良いんじゃないの? 」


 兄が少し投げやりな感じで答える。


 エロ本の話でここまで捻くれるとは我が兄ながら情けない。


「まあ、とりあえず。戻ったらやってみるか」


 そう私が呟いた。


「いやいや、止めた方が良いと思う」


「何か別の奴とかで試してからにしようよ」


 優斗と一真は首を左右に必死に振る。


「私も大丈夫だと思うけど? 」


 そう女神の太鼓判ももらった。


「その女神の保証が信頼できなくなったんだよ」


「本当だ。あんた達にそっくりじゃん。性格が」


「いや、失礼じゃない? そっくりってどういう事よ? 」


 女神が一真と優斗に言われて怒った。


「そっくりとか失礼なと言う事は私も同意見ですが……」


 私もそう答えた。


 何でもかんでも、私が問題の元凶みたいに言われるのはたまらない。


「いや、意外と正しいかもしれんがな。似てるわ、本当に……」


 などとまたしても、魔法使いの爺さんが失礼なことを言いやがった。


「それはそれとして、皇帝とあんたの関係と、それと業とかが言っていた皇帝の話って何か聞いてるか? 」


 兄がもう一つの問題を聞いた。


 たしかに、それは気になった。


「皇帝は侵略者の親分で、私はそれに抵抗しているだけだけどね。それと皇帝の話って多分、あれでしょ? 」


「どれだよ? 」


「あれしか無いじゃん」


「だから、どのあれなんだ? 」


 兄と女神が言い合っている。


 あれ?

 

 女神は嬉しそうなんで、からかって喜んでいるんだな。


 マジで煽り体質とか。


「貴方のお兄さんの話よ」


「は? 」


「え? 」


 女神の言葉に驚いた。


「貴方の兄は身体を復活させて、皇帝の捕虜になってるわ。皇帝が貴方達を誘い出すためにね」


 そう女神がにやっと笑って話す。


「ええええ? 人質? 」


「マジか? 」


 一真と優斗が驚いた。


「……つまり、兄が捕まっているところが分かっていると言う事か? 」


 兄が真顔で聞いた。


「ええ、皇帝の住まう空間に作られた城よ? 本拠地と言っていいかもしれない」


「兄は意識が戻っているのかな? 」


 私がそっと女神に聞いた。


 それは真顔でだ。


「ええ、戻っているわね」


 そう女神が告げる。


 私と兄がずいと前に出て、女神の目を見続けた。


 それで、ちょっと女神が怯えた顔になって盾で身体をカバーした。


「間違いないのか? 」


「本当なの? 」


 私達の目を女神が受け止めた。


「間違いないわ」


 そう深く女神が頷いた。


「嘘だ」


「本当だ。嘘だ。ぶっちゃけ、私達と皇帝をぶつけたいんだ」


 私と兄が本気の顔で女神を睨む。


「いや、本当なんだけど? 」


「意識が戻って、こちらに戻ってこいな事はあり得ない」


「そういう時の突破力は一番上の兄が最強だから。業の話だと皇帝と互角の力を持つとか言うなら、多分突破してこちらに戻ってるはず」


「ええええ? 参ったな……」


 女神が呻く。


「皇帝とやらに俺達をぶつける気だな」


「えげつない」


 私と兄が断言した。


「……参ったな。こう言う察しの良いところは困るよね」


 そう女神がぽつりと呟いた。


「マジかよ」


「なんでわかった? 」


 一真と魔法使いの爺さんが驚いた。


「いや、なんとなく」


「なんとなくなんだ……」


 失敗したって顔でありありと困り切った顔を女神がした。


「女神なのに、そういうことするんだ」


「相変わらず、えぐいな」


 優斗の言葉に颯真が呆れた顔をした。


 ぶっちゃけ、兄の話が出てきたから、助けに行かないとって駄目って感じにして、皇帝に私達をぶつけるつもりだったのだと思う。


 言葉には出さなかったが、気が付いた理由は、私と兄なら女神と同じことをするからだ。

 


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