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自称勇者 第十二部 第四章

「それはショタコンと言うものでは無いか? 」


 私がそう突っ込むと、兄が嫌な顔をした。


「ふふふふ、流石、私の聖女だ。良く分かっているでは無いか。こう見えて、こやつは今も美男子だが、当時は美少年でな。足を捻挫しながらもこちらをまっすぐに見て、こやつはそれでも戦おうとしていた。それを見たら可愛くて可愛くて……ゾクゾクしたわ」


 そう女神が自分の夢のような出来事を話す。


 どんな夢なのか、ちょっと困るが、目を瞑ってうっとりとしているから余計にやばい。


「えええええええ、爺ちゃん……女神がこんなんだぞ? 」


 一真が何とも言えない顔で、その場にいない祖父に文句を呟いた。


「まあ、酷い連中の集まりなんだな、本当に……」


 意外と中身はまともな優斗も俯いてショックを受けているようだ。


 ちょっと前なら、お前もそんな感じだったんだぞと忠告するところだが、マジで意外に常識人なのが分かってしまったので、それは言えなくなってしまった。


「まあ、そこは趣味の話だから、気にするな。皆、誰しもそういうものを持つものだ。若妻とか人妻とか大好きな奴もいるしな」


 そう、にやっと言う感じで女神が兄を見た。


「ああ、本棚の百科事典の裏に隠してる兄のAVの話か? 」


 私がそう苦笑した。


「はああああ? 」


 兄が凄い顔で突っ込んできた。


「分からないことがあって、兄の部屋に百科事典があるのを思い出して、カバー取って見たら中に入ってた」


 そう私が苦笑するのを兄がさらに凄い顔で見ていた。


「まあ気にするな。年頃なら普通にいろいろとあっておかしくないゆえ」


「その通りだと思うぞ。これが美少年物とかスカトロとかそういうのがあれば流石にこちらも困惑するが、人妻程度普通だろうに」


 女神と私が微笑んだ。


「うわ、引くわぁぁぁ」


 魔法使いの爺さんがそう呻く。


 一真とか優斗とかもドン引きしていた。


 颯真はそういう心当たりがないのか、首を傾げていた。


 これはいけない。


 一番危険なのは颯真かもしれんな。


 こういう、思春期めいた行いの無いものが、いつか爆発するのだ。


 そう、私が思ったら、魔法使いの爺さんが心を読んだらしくて、颯真から一歩後ずさりした。


「え? 何? 」


 颯真がそれで驚いた顔をした。


 魔法使いの爺さんが悪い。


 顔にはっきりと拒絶したような顔をしているからだ。


「いや、別にそんなのあって普通だろ」


 そう颯真が苦笑した。


 なんだ、そっちかよ。


 それで私が納得する。


 これで、何の興味も無いなら、ちょっとやばいだろうが。


「よく考えたら、お前が一番やばくないか? 」


「失敬だな」


 魔法使いの爺さんの呆れた突込みに私がムッとした。


 そのせいで優斗と一真が私から一歩引きやがった。


「くくくくくくっ。この糞女神がっ……」


 兄の本気の殺気を久しぶり見た。


 まるで炎が揺らめくようだ。


 エロ本で殺気立つとはな……。


「待て待て! そう怒るな! 私はちゃんと見守っていると言いたかったのだ! 」


「そんなとこは見守らんでも良いわっ! 」


 兄がブチ切れた。


 兄の拳の一撃を出そうとしたところで、颯真が止めた。


 だけど、あっさり外された。


 膂力は明らかに颯真の方が上だが、技術は兄の方が上らしい。


 そりぁ、技は教えないと兄が颯真に言うはずだ。


 何かあった時に颯真に抵抗できないし。


 実際、身体を張って颯真が女神をガードするだけで、兄は攻めあぐねていた。

 

 ナチュラルに強いって奴だろう。


 こういうのが武道とかの技術を得たらどうしょうも無くなる。


「まあまあ、兄さん。大事な話とやらを聞こう。エロ本なんて皆が持ってるぞ? 」


「妹に言われたくなかったんだが? 」


「今はネットでおかず探しだぞ? 」


 などと女神が余計な事を喋ったばかりに、一真と優斗が俯く。


 そうか、お前達のネタはそれか?


 私としたら、兄がそうやってエロAVなどを持っていた事で、女友達と一緒に男友達の家に行ったら、是非ともそういうのを皆で探したいと思ったのだがなぁ。


「いや、それはどうなん? 」


 魔法使いの爺さんがいちいち五月蝿い。


 聞こえたとしても黙ってればいいのに。


「いや、親が転勤族の転校のプロフェッショナルの私としたら、そういうのは夢だったんだがな」


「どんな夢だよ? 」


「だって、そこまでするって事は仲良く打ち解けていると言う事だろう? そう言うのは私の場合はすぐに転校するから難しいしな」


「何の話だよ? 」


「何を考えたんだ? 」


 優斗と一真が突っ込んできた。


「いや、女友達と男友達の部屋のエロ本探しだよ」


「「どんな事を考えてんだよ! 」」


 私の言葉に一真と優斗が叫んだ。


「ああ、そういうの分かるなぁ。どうしても転勤ばかりだと友達と距離があるからねぇ。そういうとこまで打ち解けるってのは良いよね……」


「でしょう」


 私の気持ちを察した女神の話に頷いてしまった。


「おかしいわ。全てが……」


 そう魔法使いの爺さんが呟いた。


「まあ、それよりも女神の話が聞きたい。やはり、あの業とか言う奴の話で皇帝の話と言うのは何かあるのか? それとも、単に会って話がしたい程度の話か? いずれにしろ、私のスキルがやりっぱなしばっかりで<拘束>とか解除が無い。それをどのようにしたらスキルとして持つことが出来るのかも知りたいのだが」


 いつまでも変な話になるのもいかんので、強引に私が話を大事な方に戻した。


 それは聞かないとまずい話なのだ。


 <拘束>が解けないから、業からは聞けないし。

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