表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/167

自称勇者 第十一部 第二章

 食事が終わった後、「ちょっと走ってくる」と父母に話して、兄がタープのシェルターを出た。


 兄はテレポートで状況を探りに行ったのだ。


 特に今まで住んでいた場所を調べにだ。


 何しろ、体育館の崩壊を隠蔽するために、私が聖女として市の全体に教化という洗脳をかけた。


 兄もブースターになって、それをさらに強化した。


 恐らくクオカードの工面として、皇帝に匹敵する力があると言うのなら、兄妹二人でかけた洗脳はそのまま誰にも解けないだろう。


 つまり、我々兄妹にはすでに私兵がいるのである。


 警察すら洗脳したので、全てを隠蔽できる。


 この範囲を広げていくのだ。


 武器は自衛隊と在日米軍を洗脳すればいい。


 第七艦隊の洗脳も視野に入る。


 この世界を我々のものにするとまでは言わないが、日本だけでも領土は欲しい。


 そして、クオガードのものとして皇帝に発言できる位置を作るのだ。


 豊臣秀吉が天下を取ったのは、実は子供がいなかったのが大きい。


 織田信長の四男を養子にして、それに後を継がせますと言うのが効いて、年を取って段々と功臣の粛清を始めた時に豊臣秀吉はあいつの領地は織田家に戻るからと最初から除外されていた。


 そして、織田信長の四男を養子にしたおかげで織田家の一門衆の末席に入れて、その結果、長男の信忠まで亡くなって、信長の後継者教育は信忠しかしていなくて、誰が継ぐかで織田家の一門衆としての発言権が秀吉にはあり、三法師を盾にして介入して、その流れで奪ったのである。


 逆に子供がいなかったのが晩年の後継者問題で滅ぶきっかけになったのは皮肉であるが。


 だからこそ、発言権を得るための地位は必要である。


 まあ、ぶっちゃけ、ノリである。


 本当に野望がどうのではなく、単に面白そうだからやっているのであった。

 

 結果なんてどうでもいい。


 祭りに参加しないと言うのは、浅野兄妹の沽券に係わるのである。

 

 兄が走って帰ってきた。


「どうだった? 」


「寺は一部の建造物を残して半壊状態だった。一真君も優斗君も魔法使いの爺さんも元気だったが、どこに行ってんだってブチ切れてたぞ」


 兄がそうほのぼのとした顔で笑った。


「そうか、颯真は? 」


「颯真君はどうやら、皇弟に攻撃を繰り返していたとこを最後に俺達と同じで消えたらしい」


「そうか、あいつは猟犬みたいなとこがあるから、恐らくしつこく追っていったんだろうな」


「だろうな。で、住職さんがなるべく早く帰ってきてほしいと言われた」


「ならば、これは戻った方が良いな」


「父さんと母さんはどうする? 」


「実はさっきの食事の時に睡眠薬を簡易の味噌汁にいれておいた」


「そうか。何かしているとは思ったんだが……」


「こういう事もあろうかと、船を探している時に救急箱に入っていたからな。船長が不眠症だったのかもしれんが……」


「では、父と母が寝たら向こうへ戻るか」


「そうした方が良い」


 私はそう兄に話す。


 そして、食事の後しばらくしたせいか、父母は寝ていた。


 ポチが心配そうに父母を見守っていた。


 ポチはすっかり犬になったのと、父母に無茶苦茶可愛がられているので、必死に父母を守ろうとしていた。


 父母を守るために犬にしたのだが、自分が上級悪魔で会った事は完全に忘れているようだった。


 困ったもんである。


 父母が寝たので兄が抱えて転移して私と共に一真達の居ることころに戻った。


「どこにしれっと行ってんだよ! 」


「お前ら被害にあったのかと思えばしれっと逃げてたのか? 」


 一真と魔法使いの爺さんがキレていた。


 こちらとしては、向こうが勝手にキレて暴れたせいなので非常に不本意である。


「いやいや、どういう事? 」


 副住職の一真の父も来て、文句を言いだした。


「あ、聖女様だ」


「聖女様が戻られたぞ」


 だが、私を見かけた信徒さん達が慌てて集まってきた。


 その迫力に押されて一真達が黙る。

 

 次々と彼ら信徒は私の前で跪いて祈りを捧げた。


 それは檀信徒だけでなく新しい信徒だけでなく、街中の人が集まってくるほどのものだった。


 信じがたい熱狂的な人々を見て、一真達がドン引きしていた。


「あ……そうか……教化か……」


 魔法使いの爺さんがそれに気が付いた。


 私達は事件を隠蔽するために兄の能力をブースーターとして全力で教化で市の人間を洗脳していた。


 彼らや彼女たちはいわゆる十字軍などで熱狂したキリスト教徒みたいに、私を聖女として崇拝し命を捧げるだろう。


 そう私が思ったのが、聞こえたのか、魔法使いの爺さんが凄い顔して私を見ていた。


 だが、まずは救済だ。


「ヒーリング! 」


 そう、信徒や市の人で怪我をしている人にヒーリングをかけて治療をした。


 次々と治る自らの怪我を見て、皆の目が熱い。

 

 ああ、これが崇拝か? 

  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ