二十三話
人里から少し離れた場所にある小さな小さな神社。境内には石畳に砂が被っており、社の床には少しばかり埃を被っている。その様子から、全体的に掃除が行き届いていない感じを覚えてしまう。それでも、全く手入れがされていないわけではなく、張り替えるものは確りと張り替えており、床が抜けたり壁に穴が空いているなど廃墟にはなってはいなかった。
人気を一切感じさせない神社に一人の来客が鳥居を潜り入ってきた。
「・・・あの野郎、掃除サボったな」
境内が掃除されていないことに気がついた来客はため息を漏らし、神社から離れへと向かった。社からそう離れていない場所に建てられている家にたどり着くと、再びため息を漏らしてしまった。今は既に日が昇ってからそれなりに時間が立っている。普通ならば、すでに起きて各々の仕事をしているはずだ。それなのに、来客の眼の前にある家には、雨戸が閉められたままであった。
「あのバカ家が腐るだろうが!!」
雨戸は定期的に開けなければ家の中に湿気が籠もり、家が腐る原因になってしまう。それを防ぐためにも開けなければいけないのだが、閉められているのだ。呆れたように、来客は直ぐに雨戸を開け、家の中に新鮮な空気を家の中へと送り込む。
「ったく、昨日晩酌でもしたのかあいつ」
履いていた草履を脱ぎ縁側から中へ入ると、障子を勢いよく開けて中の様子を確認する。
「こいつ」
声に明らかな怒りが乗っかっている。それもそのはず、眼の前には一人の女性が、布団に入らず上半身を開けさせたうえ、顔から涎を垂らしながら爆睡している。おまけに、ちゃぶ台には食べかけ跡思われる食い散らかされた料理に、横には空となった大量の酒瓶に徳利がばらまかれていた。
「・・・グゥ・・・・ガガ」
気持ちよさそうにいびきをかきながら眠っている女性。それに、来客は無性に怒りを覚え、持ってきていた手みあげを畳の上に置き、障子を全開にさせたうえで女性に近づいた。
「少しは自堕落な生活をなおしやがれ!!」
胸ぐらを掴み、寝ているママの女性を勢いよく持ち上げて家の外へと放り投げた。投げられた女性はそのまま境内にある大木へと叩きつけられ、その衝撃で大きく木が揺れ葉っぱが落ちてきた。
「ちょっと、なに?」
大木に叩きつけられた女性は背中を擦り、未だに眠たいのを隠しきれずに欠伸をかきながら目をこすりゆっくりと起き上がる。
「ッチ、これでも大したダメージにはならないか」
何事もなかったかのように立ち上がる女性に来客は舌打ちを漏らす。
「ひどいよ、四季ちゃん。私が何をしたっていうのよ」
「こんな時間まで寝てるお前が悪いんだよ、梓」
梓と呼ばれた女性は着物に付いた土を払い落とし、そのまま縁側に腰を下ろすと、近くにおいてあった煙草盆を引き寄せて備え付けていた煙管を取り、引き出しを開けると刻まれた葉っぱを取り出し手慣れた手つきで皿に詰め始めた。
「寝起きでたばこか?」
「悪い?」
「いいや」
煙管を口に咥え、マッチ箱からマッチを一本取り出すと、そのまま箱の側面に付けられているヤスリに勢いよくこすりつけて火を起こす。そして、その火を皿へと近づけて葉に火を移しながら吸い込む。
「早いな」
「慣れてるし、四季ちゃんのとは違うから。そっちも一服する?」
「たまには吸うか」
四季ちゃんと呼ばれる来客も、縁側に腰をおろし胸から一本の太い葉巻を取り出した。手刀で葉巻の端を切り落としてから、梓が使ったマッチよりもずっと大きなマッチを取り出すと、火を起こし先端をじっくりと炙り始めた。
「それ、めんどくさくない?」
「こうしないと火が点かないんだ、それに太いからなおさらな」
「そう」
梓が二服したころで、やっと四季の葉巻に火をつけ終わったようで太い葉巻を咥えてこちらを見た。
「今日、手伝いはないのか?」
「ない、元々私は団子屋の店員じゃないし」
「そうか」
梓は煙管の火皿に残った灰を落とすと、新たな葉を乗せ火を付ける。
「それで、四季ちゃんはわざわざ私の所になんのよう?」
マッチの火を振りながら消し、新たな煙を口の中へと含ませてから吐き出す。それに続くように四季も煙を吐き出すが、その量は梓よりも多かった。
「最近、桜の機嫌が悪い」
「あ~、うん。それは面倒ね」
梓と四季の付き合いは長く二百年以上は一緒にいる、そして桜も二人ほどではないものの、普通の人と比べれば圧倒的に付き合いの長い相手だ。しかし、そんな二人でも話題に上がった桜の対応には頭を悩まされるのだった。
「今度は一体誰があそこに近づいたの?」
「わからない、ただ、桜曰くいくつかの墓が荒らされていたらしい」
「墓荒らし?あそこで?」
あそこの墓地は一応この二人が管理していることになっている。故にどうしてあの場所で墓荒らしが行われたのかよくわからなかった。
「まぁ、私達が何をしても結果は変わらないだろうし、なるようになるでいいんじゃない?」
「それをお前が言うか?まぁ、私もだからって何かをするわけじゃないが」
「とりあえず、桜にはお餅でも持っていって一緒にお茶をしましょうか」
「それで機嫌を直してくれるといいんだが」
精神が幼い彼女にどう機嫌を取ってくれるのだろうかと考えつつも、梓は最後の一服を肺へと送り込むように吸い込むと一気に吐き出す。
「お前、それむせないのか」
「何年吸ってるって思ってるのよ」
皿から灰を落とすと、広げていた道具を片付けていく。
「あれ?」
道具を片付けていると、先程まで自身が寝ていた部屋を区切る障子の直ぐ側に何か見慣れないものが置かれていることに気がついた。それは梓にとってとても見慣れたものに形状がよく似ている。それが何なのかを聞くため、隣に居る四季へと顔を向けた。
「純米大吟醸、今日は珍しく非番だからな。お前と一杯するするためにな」
「珍しい、仕事一筋の四季ちゃんが」
「休めとストライキされた」
「あ~、うん」
四季は里の長を務めつつ、里全体の仕事を統括している。その仕事量はほぼ寝て時折里に降りて団子屋の手伝いをしている梓には想像を絶する忙しさである。聞けばあの人は一体いつ寝ているのだろうかと言えるレベルで仕事をしている。そんなわけで部下の方々に無理矢理休暇を取らされたようだ。
「まぁ、それなら私も頑張りましょうか」
「昔のように頑張ってくれればこっちも楽なんだが」
「私は仕事を頑張りすぎたので仕事を辞めましたぁ。なので働きたくないです」
「事実だから、この野郎」
葉巻をまだ咥えている四季を置いて、梓は立ち上がり家の中へと入っていく。
「適当に肴用意してくるから待ってて」
「おう、頼んだ」
それからしばらくして、四季が持つ葉巻の大部分が灰になり短くなった頃、梓は四季を呼び出した。宴会用の少し開けた場所に広げられた机の上には、これでもかと大量の料理が並べられており、とても一人でこれだけの量を作ったとは思えないほどの品数が並べられていた。
「適当、とは?」
「いやぁ、直近で貰った食料が処理をしなくちゃいけないから」
「お前、好感度は無駄に高かったな」
ぐうたらでほぼ仕事をしていない梓であるものの、人里の人からの好感度はとても高い。なにかとお裾分けを貰い、本人が食べ切れないほどの量を貰ってしまうことがあり、今回も食べ切れない量の食料があるようだった。
「ささ、呑みましょ」
四季が持ってきた純米大吟醸を徳利へと注ぐと、わざわざ熱燗をするために用意した囲炉裏に火を灯し、温まった湯を張った鍋に徳利を置く。
「どれくらいにする?」
「上燗」
「私は温燗でと」
暫く徳利ごと酒を温めると、だいたい40度程度になったところで取り出す。少しだけ長く温めた方を四季に渡し、互いに自分のお猪口に注ぐ。
「それじゃあ、乾杯」
「ああ、乾杯だ」
カチャ、陶器製のお猪口を少し当てあわせてから一気に呑み干した。
「あ~、美味しい」
「やっぱり、こいつは燗しないとだな」
いい感じに温められたお酒は確りと風味を残しつつも、酒の辛味を持ち独特の風味を持つ。互いにすかさずお猪口に新たな酒を注ぎ込む。そのまま、肴として用意していた焼き魚に箸を伸ばし口に運ぶ。
「こっちも、いい脂が乗ってるわぁ」
単純な塩焼きであるにも関わらず、塩味がより酒を進ませていき、脂の乗った身が旨味とコクをもたらしてくれる。素早く酒を呷り口の中をリセットしてから、次の肴に箸を伸ばす。
次々と肴を食べて、酒を呑む。四季が用意していた酒はすぐに無くなり、梓が蓄えていた酒の樽を引っ張り出してきた。1斗ほど入っている樽であったが、酒豪の二人にはそれもすぐに殻になった。
「あらぁ、もうなくなっちゃった」
枡に酒を注ごうとしたが、樽にもうお酒が残されていない。とはいえ、すでに用意していた肴もほぼ残されていないため、酒を呑むのを止めるのにはいいタイミングだった。
「しっかし、梓もよく呑むよな。鬼の私と一緒についてこれるんだな」
「何を今更、私が酒豪なのは知っているでしょ」
あれだけの量を呑んだにも関わらず、一切酔っ払っている雰囲気を見せない。その足取りも千鳥で足ではなく、シラフの状態と大差がない足取りをしている。そして顔も紅くなっておらず、酒への強さが垣間見える。
「ただ、何も食べるものも呑む物もないのは寂しいわねぇ」
酒呑みの二人が今更お茶を飲むきに離れない。梓は再び煙管を取り出し、皿に葉を乗せて火を付けてタバコを吹かす。一方で、葉巻を吸う気にならない四季は少し残された酒をあおいだ。すると、四季の袖から何かが転げ落ちた。
「ん?」
それは二人に取っては、出会って二人の中を繋ぐ切っ掛けになったものであった。それを持ち上げると、四季は中身を取り出し梓へ見せる。
「へぇ?」
見せられた札の束、それに気が付いた梓は不敵な笑みを見せながら煙を吐く。すぐに料理を並べていた机を退かし、二人の間に座布団を置く。それに続いて四季は持っていた束から札を二枚表側を確認してから、裏向きで置く。
「じゃ、こっちをもらうわ」
梓は片方を取り、鬼花は梓が選ばなかった方を取る。そして、それを同時に表向きにし絵柄を確認する。
「如月~梅~」
「長月~菊に盃~」
「こっちが親ね」
梓は二枚の札と山札を切り、四枚四枚四枚を二回して相手、自分、場に八枚ずつ配り残された山札を座布団の隣に置く。そして、互いに眼の前に配られた八枚の札を手札として手に取り、場に残された札を表側にする。
「揉める前に確認するけど」
「呑みあり、7点倍、雨流れ、こいこい時点で点倍、鬼札なし、12ヶ月」
「いつものね」
一月目、場にある札は八枚。松にカス、梅にカス、藤に短冊、藤のカス、牡丹に蝶、紅葉に青短、柳のカス、桐のカス。親となる梓から手札を切る。自分の手札を確認したのはわずか一秒、すぐに紅葉に鹿を紅葉に青短に重ねる。
「「・・・」」
お互いに何も言わず、そのまま山札に手を伸ばし一番上だけを捲る。捲られた札は、桐に鳳凰、場に桐のカスがあるためそれに重ねてから重ねられている全ての札を自分の手元に引き寄せる。
続けて四季の手番、梓が札を切っている間に並べ直した手札から一枚切る。切られた札は牡丹に青短で場にある牡丹に蝶へと重ねられる。続けて山札を捲り、梅に赤短が捲られ場の梅のカスへと重ねられる。これにより、互いに必要素が少ないながらも文が高い青短と猪鹿蝶を成立できなくなった。
手番が梓に戻り、こちらも並べ直した手札から札を一枚切る。松のカスに松に鶴を重ねて山札を捲り、菊のカスを場に出す。場に菊の札がないため、捲られた札を重ねることができないため、この手番では重ねられた松の組みだけを手元に引き寄せる。この動きに四季はわずかながら顔をしかめる。
再び四季に手番が移り、すかさず菊に盃を切り菊のカスへ重ねる。そして山札を捲り松に赤短を場に出す。
四季が手元に札を移し終えるのを確認すると、梓は素早く次の札を切る。藤のカスを藤に短冊へと重ね山札に手を伸ばす。
「やっぱり、あんたとやるとおかしなことになるね。これとか」
「だな」
その言葉は互いに確信めいていた。山札の一枚を引き裏向きのまま場の松に赤短へと重ねる。
「これで、互いに赤・青短葉無理ね」
引いたカードをひっくり返す。
「だな」
捲られた札は松のカス。これにより梓の手元に赤短札の一枚が渡り、青短冊同様赤短を互いに成立させることはできなくなった。
再び四季の手番となり、改めて自分が成立させることができる役を確認する。一番早い役は呑みの花見か月見、必要な札の菊に盃は手元にあるため、桜に幕または月に芒を取ることができれば役として成立する。しかし、それは向こうも同じで、今あげたどちらかを梓が取れば光札三枚の三光が成立する。次点でタネかタンの役である。
(ここは、賭けに出るか)
四季が取ったのは梓は絶対にこの状況では切らない札、芒に雁を切った。当然場に芒の札はないためただ場に出るだけでそのまま山札が捲られる。
「外したか」
「それでも怖いんだけど?」
捲られたのは芒のカス、よってそのまま式が出した芒が手元に加わっただけだが、この行動によって梓が苦しくなった。
(やられたわね)
梓の手札には月に芒があった。今の場面で四季が芒以外の札を切っていれば、捲りで出てきた芒が場に残り次の手番で梓が芒に月を切り三光を成立させるところだった。四季の悪運の強さに驚くこともなく、とれる札がないがために菖蒲のカスを場に切り山札を捲る。
「あ」
「素直に、喜べないな」
梓が捲てしまった札は柳に小野道風、そして場に柳のカスがあるためこれは必ず取らなければいけない。しぶしぶながらもできてしまったものは仕方なく、柳札を手元に寄せて四季に手番を渡す。
梓が柳に小野道風を取ってしまったことにより、四季にとって一つ都合がいいことと悪いことが同時に起きてしまった。今回の勝負において雨流れが採用されているため、この札を取ってしまうと呑みの両方が成立できなくなってしまう。これにより、四季がこの札を取ってしまって呑みが成立しなくなる事態は無くなったが、梓は三光よりも文が高い雨四光を成立させることが可能になってしまった。
状況が苦しくなりつつも、次の札を切る。菖蒲に八橋と菖蒲のカスを重ね山札を捲る。そして山札に手を伸ばし山札を捲る。
「ッム」
あまりこの状況で出したくない札、桜の幕を取ることができる桜に赤短が捲れてしまった。しかし、この状況を四季にはどうしようもない、続けて梓の手番へとなるが梓が切った札は桜に赤短ではなく、その隣に菖蒲のカスが置かれた。
(桜がない?)
この状況で桜を不用意に残すとは思えない。となれば、考えられるのは一つ、梓の手札に桜の札が握られていない。そして、四季の手札もまた桜を一枚も握っていない。つまり、残された、桜三枚はすべて山札の中になる。また、芒に月は梓が抱えており、四季が月見を成立させるのは絶望的である。よって、ここからは、どちらが桜と芒の月を捲ってしまうのかの勝負となった。
「捲り、行くよ」
梓が山札を捲る。そして、それを場の藤のカスに重ねた。
「藤に不如帰・・・まだ役はないか」
決着はまだつかない、しかしここで梓がかす札を一枚得たことにより、梓の手元にあるかす札は六枚となる。カスは十枚揃ったとき、カスと呼ばれる役になる。塵も積もれば山となるな役であるが、こうして不意に次の手番で成立されかねないほど取られていることがある。これにより、四季にとって動ける手は狭まれてしまった。
(私の手札は桐のカス、萩に猪、紅葉のカス、牡丹のカスか)
ここでどの札を切るべきかを考える。現状この状況で取れる札はないため、相手にリターンが少ない札を切らなければいけない。それぞれの月が四季の目線で山札に残っている可能性があるのは、桐がカスで一枚、萩がカスと短冊で一枚ずつ、紅葉がカスで一枚、牡丹がカスで一枚である。この中では萩が捲られた際出てくる可能性が高い札になる。続けて、梓がここまでに切った札を振り返る。紅葉に鹿で紅葉に青短、松のカスで松に鶴、藤のカスで藤に短冊、菖蒲のカスを場、菖蒲のカスを場だった。
(最初の方は役札を狙って切っていたが、最後の二回は場に置き、菖蒲の二回切ってる、これは回収しやすいからで切った。となれば、今の手札はあまり場に出したくない札、役に繋げられる札か、あの手元で繋げやすい役は)
四季は桜の手元を見る。
(タンか)
短冊札を五枚集めることで成立する役、そして梓の手元には短冊札が三枚あった。これにより、梓の手札に一枚あたりを付けた。
(萩に猪は切れない、仮に萩に短冊だと、タネの芽も出てくる)
三枚中一枚は萩札、続けて次の札の予想をする。
(柳に小野道風は捲りで取り、その時は菖蒲のカスを置いた。そして柳に小野道風を取らないようにケアをしなかったから、手札に柳札はないそのうえで、短冊に繋げられる残された札は、菖蒲萩菊の三種類。ならば安全に切れるのはこいつだ)
四季が切ったのは桐のカス、そして捲って出てきたのも桐のカスであった。少し考えた四季に対し、梓の判断は早い。手番が移ると同時に菊のカスを場に出して山札を捲った。
「う~む」
捲られた札を桜に赤短に重ね、桜のカスを見せる。これにより、短冊札が四枚、次の手番でタンを揃えてきてもおかしくない。
(やはり、萩は切れないな)
梓が菊を切ったのは、萩が梓から見て三枚見えていないからだろう。そう考えて、鬼花は牡丹のカスを切って山札を捲る。
「は?」
「おや?」
なんと、捲った札も牡丹のカスだった。 これにより、四季もカスが九枚となり、カスの成立が現実味を帯びてきた。
「これは、切るしかないか」
ここになって初めて苦しい表情を梓は見せる。本来ならば切りたくなかったであろう札、芒に月を切り山札を捲った。
「梅のカス」
取ることができず四季に手番が移るが、四季も萩に猪を切れないため、紅葉のカスを切る。そして捲られたのは柳に短冊だった。
「これ次第ね」
梓の最後の手札、それは四季が欲しかった一枚、光札の芒に月。当然重ねることができず場に置き、山札を捲る。そして、捲られてしまった札は、カスの雁だった。
「雨四光、七文、七点倍で計14文、勝負よ」
最後の最後で梓が一気に点を稼いだ。勝負宣言により、これ以上ゲームは続かない。よって、互いに自分の手元とフィールドの札を取っていき、一つの山札に戻して梓がシャッフルする。そして、先程のようにカードを配った。
「それじゃ、二戦目」
このあと十一回勝負をした、その際四季は二手で花見と月見で一杯を成立させ四十文、梓が反撃でブックとタンで六十四文とこいこい経験者からすれば明らかにおかしい点の取り合いが行われた。
この二人の花札の戦い方って、モデルいるんですよね。まぁ、作者二名なんですが。ほんとなんで鬼花さんのモデルになった人とこいこいやるとあんなに点が荒れるんですかねぇ、これがわからない。けれど、そんな人に花札を教えてハマらせてしまったのも私なのですが。忘れないぞこいこい教えたその日の十回も回さないうちに手四をだしたこと。




