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十九話

間違えて次のやつあげてたZE!!

 ゴブリンたちの巣窟、その奥へと進んで行くと少し開けた場所へとたどり着いた。

「うわぁ、いかにもって感じ」

 ここに来てゴブリンたちの数が急激に減った。減った理由として考えられる理由はいくつかある、一つ、単純にこっちへと向かってきていたゴブリンを倒しきってしまったから。もう一つは、初めからこの場所に居たゴブリンの数が少なかったから。その答えは、おそらく後者だろう。

「キングとメイジか」

 奥へと進んでいき、少し開けた場所に出えたかと思えば鎮座している大柄なゴブリンと少し年老いたようなゴブリンが見えてきた。また面倒な存在を確認してしまい、ため息を漏らしてしまう。

「面倒くさそうなところ悪いが、向こうはやる気だぞ」

「なのよねぇ」

 道中と比べてこの場所の空間は少し広い、多少の魔法程度ならば使っても周囲に二被害は発生しないと思えるが、それでも大魔法を扱うにはスペースが足りない。

 使う魔法に制限を入れた状態で思うように戦えるのかと思いつつも、私は杖を強く握り直し、アクアは自身の手から肘くらいまである長めの針を取り出して構える。ゴブリンキングがゆっくりと立ち上がり、傍にあった斬馬刀を手に取り構える。

 お互いに数秒沈黙し、動きを止める。

「「・・・・」」

 ぴちょん、水滴が地面に落ち音が周囲に響き渡る。それが開戦の合図となり、ゴブリンキングの野太い雄たけびをあげる。最初に動き先制を取ったのはアクアだった。素早く投げられた三本の針はゴブリンメイジの杖と腹、目を貫こうとした。しかし、ゴブリンへ触れる前に透明ななにかにぶつかり、針は弾かれてしまった。

「魔術の被膜もちだ!!キングもかけられてるぞ」

 なぜ自分の攻撃が弾かれたのかの原因に検討をつけると、それを素早く告げた。それを聞き、私が広げている魔法陣の出力を変える。

 次に動いたのはゴブリンメイジ、広げられた魔法陣を読み解くに下級の火の魔法、火球を放つ魔法。すぐに私も並行で魔術の被膜を使い、私とアクアを覆い包む。正直、この魔法はあまり好きじゃない、肌の感覚が鈍くなり、厚めの上着を着ているような感覚になる。少しばかり動きにくくなるのが嫌いだ。

 放たれた火球は私達に直撃をするも、魔術の被膜が私達の代わりに受け止めてくたため、わたしたちに伝わったのは、温まった空気の暑さだけだ。

 魔術の被膜の損失は大したものではない、被膜の補強を行わなくてもあと数十発は耐えることができるだろう。それを確認すると、私は生成した水を圧縮させて生み出した刃を打ち出した。そこらのゴブリン程度ならば問題なく切断することができた魔法であるが、目の前にいるゴブリンは上位種、おまけに魔術の被膜もあるため着弾した水の刃は対象を斬りつけることなく、勢いを失い地面へと落ちた。

「硬!!」

 斬馬刀を持ったキングは重い体をドシドシと足音を立てながら近づき、思いっきり振り上げて地面に叩きつける。流石にこの攻撃は魔術の被膜でも受け止めきれない可能性があるため、素早く横に跳び回避する。

「なら、スリップ系かな」

 新たに広げた魔法陣はとても小さなものである。そこからはバチバチと音を立てながら、空気中を電気が走り抜けていく、空気中を走ることができるほどの高電圧を発生させる魔法陣をキングのそばへと移動させるが、魔法陣に横槍が入り破壊された。横槍の出先を確認すると、ゴブリンメイジがこちらに杖を向けている。

「アクア!!メイジ抑えて!!」

「了解」

 互いにどちらを相手するのか分担が決まった。お互いに背を合わせながら次の攻防のために身構え合う。

 再び訪れる静寂となったが、ゴブリンメイジがあるものを取り出したことによりそれは変わった。ゴブリンメイジが取り出したのは一つのデッキの束、普通のゴブリンよりも知能があるゆえに、カードの力を理解しているようだった。

「なるほどな」

 アクアもデッキを取り出す。それに続くように、キングとハカネもデッキを取り出す。

「大魔法デッキは使うなよ」

「はいはい、魔女デッキでいきますよ」

 本来のデッキとは異なるデッキを取り出し構える。

「「レリーズ、フィールドセット」」

 タッグバトルによる変則ルールが行われる。

 全員初期手札のカードを五枚ドローする。最初のターンとなったハカネが動いた。

「ドロー」

 最初のドローを行い、引いたカードを確認する。

「永続魔法「日々の積み重ね」を配置、召喚コストはマナ一,後衛に「結界師 ヨシバシ」を召喚」

 周囲に山積みとなった大量の本が出現し、ハカネの前に真っ黒な服で杖の先に輪っかのようなものがついているものを握る若い男性が現れた。そして、杖底で地面を叩きハカネのデッキからカードを三枚オープンさせた。

「召喚時効果発揮、デッキを三枚オープンし、その中のリバース効果を持つカードを一枚手札に加え、残りは破棄する」

 オープンされたカードは戦略「折られた杖」魔法「スリードロー」モンスター「結界師 ヨシバン」の三枚である。

「戦略「折られた杖」を手札に加えて残りは破棄」

 リバース効果を持つカードは戦略「折られた杖」の一枚だけだった。そのため、これ以外のカードは手札に加えられず、破棄するしかなかった。破棄されたカードの二枚は、手札補充にシーカー枠であったため、落としてしまったのが痛いが魔法カードを一枚確実に止められるカードが手札に加わった公開情報は大きかった。

 

 モンスター「結界師 ヨシバシ」

 召喚コスト マナ一

 召喚時 自分のデッキを三枚オープンする。その中のリバース効果を持っているカードを一枚手札に加え、残ったカードは破棄する。

 相手によって自分フィールドの支援エリアのカードが破壊されるとき、代わりにこのカードをトラッシュに送ることで支援エリアのカードは破壊されない。

 

「二枚リバースを伏せて、ターンエンド」

 ターン1 ハカネ 手札二枚 デッキ三十一枚 マナ四 後衛 結界師 ヨシバシ 支援 永続魔法「日々の積み重ね」 伏せ二枚


(「結界師 ヨシバン」はフィールドにある間、支援エリアのカードが破壊されるとき代わりに身代わりで破壊して守れる)

 いつものハカネのデッキと比べれば静かな立ち上がりである。しかし、先攻一ターン目に妨害二を用意できたのは大きいが、ハカネとアクアのデッキ的にあまり美味しい展開ではなかった。

 第2ターン目、ゴブリンメイジがデッキからドローをし、フィールドに突撃兵ゴブリンと、投石ゴブリンを召喚する。変則ルールにより、一巡終了するまでは攻撃が行えずターン処理でのマナは増加しないまま、ターンエンド。

 ターン2 ゴブリンメイジ 手札五枚 デッキ三十四枚 マナ五 フィールド 前衛 突撃兵ゴブリン 投石ゴブリン

 第3ターン目、アクアのターン、デッキからカードをドローし手札を確認する。

「まぁ、こっちはいつも通りだな。配置条件は自分フィールドにモンスターが存在しないこと、配置コストとして自身のデッキを五枚破棄する。コストとして破棄されたカードはこのターン効果を発揮できない、永続魔法「対価不足」を配置」

 アクアの背後に現れる大きな天秤、その天秤は釣り合いが取れてはいるが、一切動く気配がなかった。

「こちらも、永続魔法「日々の積み重ね」を配置」

 アクアの周囲にも大量の本が出現し、ここが洞窟の奥深くであるのかと疑いたくなるほどの、本がこの場にはあった。

「更にマナを一支払い、魔法「穿つ魔槍」相手フィールドのカードを一枚破壊する」


 魔法「穿つ魔槍」

 発動コスト マナ一

 相手フィールドのカードを一枚を破壊し、破壊されたプレイヤーはデッキから二枚ドローする。

 

 出現した禍々しい雰囲気を纏う槍、それは独りでに宙へと浮き、先端を突撃兵ゴブリンへと向け飛翔した。突然のことに突撃兵ゴブリンは避けることが叶わず、胴体を貫かれ散ってしまった。

「ただし、この効果で相手のカードを破壊したとき、破壊されたカードのプレイヤーはカードを二枚ドローする」

 フィールドのモンスターを手札一枚とマナ一だけで破壊できるのは破格とも取れる性能かもしれないが、それを帳消しにするように存在するデメリット効果。これにより、ゴブリンメイジの手札は二枚増えてしまった。しかし、ゴブリンメイジがドローを終えた瞬間、アクアの背後にある天秤が動き、傾いた。

「永続魔法「対価不足」以外の相手のデッキが自分の効果で減ったことにより効果発動、この効果が発動する際に減った相手のデッキの枚数分相手のデッキを破棄する。(最大五枚)よって、デッキのカードを二枚破棄する」


 永続魔法「対価不足」

 配置条件 自分フィールドにモンスターがいない

 配置コスト 自分のデッキを上から五枚トラッシュに置く

 このカードの配置コストでトラッシュに送られたカードは、このターンの間効果を発揮できない。

 「対価不足」以外の自分の効果で相手のデッキが減ったとき、減った枚数分相手のデッキを破棄する。(最大五枚)

 

 天秤が釣り合いを取ろうとするため、ゴブリンメイジのデッキからカードを二枚奪い取り上がってしまった皿にカードを乗せ、再び釣り合いが取れた。

「永続魔法「日々の積み重ね」の効果により、魔法「穿つ魔槍」はカウントとして下に重ねる。更に、魔法「フェアトレード」こちらはデッキからカードを一枚ドローし、相手は二枚ドローする」


 魔法「フェアトレード」

 自分はカードを一枚ドローし、相手はカードを二枚ドローする。この効果に対して相手の効果はすべて発揮されず、”相手の効果で相手の手札が増えたとき”のリバースを発動できない。

 

 ハカネ、アクアはデッキからカードを一枚ドローし、メイジとキングは二枚ドローする。そして、発動した魔法カードは永続魔法「日々の積み重ね」のカウントとなり下へ重ねられる。

「当然、相手のデッキが二枚減ったことにより、永続魔法「対価不足」の効果発揮。デッキを二枚ずつ破棄だ」

 再び天秤がゴブリンたちのデッキからカードを奪い、釣り合いを取る。

「カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 ターン3

ハカネ 手札三枚 デッキ三十枚 トラッシュ三枚 マナ四 後衛 結界師ヨシバシ 支援 永続魔法「日々の積み重ね」 伏せ二枚

アクア 手札四枚 デッキ二十八枚 トラッシュ七枚 マナ四 フィールド 永続魔法「対価不足」「日々の積み重ね」(穿つ魔槍 フェアトレード)

メイジ 手札九枚 デッキ二十七枚 トラッシュ四枚 マナ五 投石ゴブリン

キング 手札七枚 デッキ三十枚 トラッシュ二枚 マナ五

 このターン、ハカネは何もせずアクアの効果で一枚ドローをし、アクアは一枚ドローし配置コストでデッキを五枚破棄したことにより、残りのデッキ枚数は二十八枚。それに対してゴブリンメイジは手札が九枚に増えている。キングも手札七枚、ターン処理のドローも含めれば次のターン八枚で動くことができるため、普通ならば愚策とも言える動きだった。

「アクア、相手手札が増えてるんだけど」

「問題ない、というかこういうデッキだってお前も知ってるだろ」

「まぁ、そうだけど。足引っ張んないでよ」

 第4ターン、ゴブリンキングがデッキからカードを一枚引き手札が八枚となる。サーチ効果は使わず、完全にランダムな八枚であるものの、それだけ引ければ厄介なカードは手札に来ている可能性が高い。

「「突撃兵ゴブリン」を召喚、戦略「ゴブリンの群れ」デッキから召喚条件とコストを無視して名称に「ゴブリン」を含むモンスターを召喚する。ゴブリンを束ねるゴブリンの中のゴブリン、「ゴブリンキング」を召喚」

 デッキから目の前にいるゴブリンキングの描かれたカードが飛び出し、ゴブリンキングに力が与えられる。しかし、その召喚に反応したのはアクアだった。

「させるか!!相手が召喚コストを支払わずにモンスターを召喚したことにより、手札から魔法「零の秩序」を発動。召喚コストを支払わずに召喚したモンスターの効果を無効にし破壊する。更に、同名のモンスターはこのターン効果を受けず、効果を発揮できない」

 召喚されたにも関わらず、突如現れたいくつもの文様が出現しゴブリンキングに纏わりつく。そして、カードとしてのゴブリンキングは着地狩りされてしまい、何もできずに終わった。更に、同名カードが効果を受けなくなってしまったため、もう一度効果で召喚をしようにも「零の秩序」の効果が切れる次のターン以降にしなければいけなかった。

「手札を一枚破棄し、このカードは手札に加える」

 更に、アクアは手札を一枚破棄して使用した「零の秩序」を手札に戻した。これにより、零の手札がある限り、相手に召喚コストを支払わない召喚はさせない形になった。そして、ゴブリンキングは折角の召喚が無駄にされてしまい、カードが二枚無駄に切ってしまった。


 魔法「零の秩序」

 発動条件 相手がコストを支払わずにモンスターを召喚したとき

 このカードを発動する際にコストを支払わずに召喚したすべてのモンスターの効果を無効にしして破壊する。その後、このターンの間破壊したモンスターと同名のモンスターは全てはこのカード以外の効果を受けず、効果を発揮できない。

 効果発揮後、自分の手札を一枚破棄することでトラッシュに送るかわりに手札へ加える。

 

「魔法「突然変異体」、発動コストで「突撃兵ゴブリン」をトラッシュに送る。発動コストでトラッシュに送ったモンスター以外の召喚条件を持たないモンスターを手札から召喚コストを払ったものとして召喚する」

 ゴブリンキングが手札から見せたのはローブを深く被り、杖を握っているゴブリンの姿が描かれている。そして、この効果は召喚コストを払ったものとして扱うため、先程アクアが使った「零の秩序」の発動条件を満たせない。しかし、それを刈り取るのはアクアではない。

「リバース条件は相手の魔法カードを発動しようとした際、戦略「折られた杖」その魔法効果を無効にし、破壊する」

 ハカネのリバースにより、魔法「突然変異体」は発動コストを支払っただけで無駄打ちになった。

「グルル、召喚コストでマナを二支払い。「ゴブリンメイジ」を召喚。召喚時効果でデッキから一枚ドロー」

 本来ならば大したコストを支払わずに召喚できたはずのカードを正規コストを支払わせて召喚させた。そして、ただで召喚時効果を通さないのがアクアである。

「相手が召喚時効果を発動しようとした際、手札から魔法「呪いの人形」。召喚時効果を発揮しようとしたモンスターの効果を無効にする。代わりに相手はカードを1枚ドローする」」

 魔法「呪いの人形」は永続魔法「日々の積み重ね」の下に重なる。結果としてデッキから一枚ドローすることには変わりない。それでも、アクアの効果によってゴブリンキングはドローした、これにより永続魔法「対価不足」が発動した。

「永続魔法「対価不足」により、相手のデッキを一枚破棄する」

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 ターン4

 ハカネ 手札三枚 デッキ三十枚 トラッシュ四枚 マナ四 後衛 結界師ヨシバシ 支援 永続魔法「日々の積み重ね」 伏せ一枚

 アクア 手札二枚 デッキ二十八枚 トラッシュ八枚 フォールド 永続魔法「対価不足」「日々の積み重ね」

 ゴブリンキング 手札四枚 デッキ二十七枚 トラッシュ七枚 マナ三 ゴブリンメイジ 伏せ一枚

 

 ここまでのアクアの動きから、カードゲームを触ったことがある人ならば察しが付くかもしれない。相手の動きに反応し、その動きを徹底的に妨害するパーミッション型に加えてデッキ破壊を行う構築だ。

 ターンが一巡したことにより、次のハカネのターンからターン処理でマナの増加が行われるようになり、攻撃を行うことができる。

 第5ターン、ハカネに手番が戻りデッキからカードを一枚引き、マナを一増やす。

「なら、「魔女見習いハカネ」を召喚。召喚時効果でデッキから三枚オープン」

 新たにオープンされたカードは魔法「スリードロー」、モンスター「森の魔女 カナ」、モンスター「夜の魔女 ヨミ」。対象となるカードは「スリードロー」のみであるため、それを手札に加える。

「マナを四支払い魔法「スリードロー」、デッキから三枚ドロー。う~ん」

 大魔法デッキと違い、このデッキはマナの利用は考えなければいけない。そのため、コストが重い「スリードロー」を使うことはできれば控えたかったが、手札があまり良くないため使うしかなかった。

「召喚コストはマナ1、「風の魔女 フウリ」を召喚。その召喚時効果で「ゴブリンメイジ」を手札に戻す」


 モンスター「風の魔女 フウリ」

 木 パワー3000 打点1

 召喚コストマナ1

 召喚時 相手フィールドのモンスターを一体手札に戻す。

 

 ハカネの眼の前にはショートヘアの翡翠色した綺麗な毛並みを持ち、蔓を編んで作った杖を握っている。そして、杖を振るうと風が吹き始め、ゴブリンメイジを包み込み、一枚のカードへと戻した。

 召喚時効果持ちをバウンスするのはリターンが薄いものの、今回は相方のアクアがそうしたカードを狩ること得意としている。その為、今回のリスクは比較的小さい。だが、それはハカネから見た時である。

「相手の召喚時効果発揮により、リバース発動。「剣舞ドロー」デッキから二枚ドロー」

 三本の剣が現れ、剣の舞を踊る。

「げ」

 伏せカードを踏んでしまい、ノーコストで手札二枚の補充を許してしまった。

「更にマナを1支払いメイン時効果を発揮、デッキの上から三枚を相手に裏向きのまま選ばせる。選ばれたカードを手札に加え、残りはデッキの下に」

「右のカード、持ってきなさい」


魔法「剣舞ドロー」

 リバース 相手の召喚時効果発揮後

 デッキからカードを二枚ドローする。その後コストを支払いメイン時効果を発揮できる、

発動コスト マナ1

 メイン時 デッキの上から三枚を裏向きで相手に一枚選ばせる、選ばれたカードを手札に加え、残ったカードはデッキの下に送る。


 いきなり手札が三枚も増やされてしまった。まだ、ゴブリンキングまでのターンは三ターンあるものの、アクアのように手札から飛んでくるカードが今のドローで引けた可能性がある。手札が七枚もあれば、一枚どころではない可能性もある。しかし、タダで転ばなかった。

「相手の効果で相手の手札が増えたことにより、リバース発動。戦略「目には目を」このリバース発動時に相手が増やした手札の枚数分ドローする。よって、三枚ドロー。更に、手札を一枚破棄して防御時効果をタイミングを無視して発揮、相手が最後に発動した効果を発揮する。これにより「剣舞ドロー」のメイン時効果発揮、デッキの上から三枚のうち一枚を相手に選ばせてそれを手札に、残りはデッキの下へ」


戦略「目には目を」

 リバース 相手の効果で相手の手札が増えた後

 リバース発動時に相手が効果で増やした手札の枚数分、デッキからドローする。その後、発動コストを支払うことで防御時効果を発揮できる。

 発動条件 このカードの前に効果を発揮したカードが相手のカードのとき

 防御時 相手の最後に発揮された効果をこのカードの効果として発揮する。


 アクアが伏せていたリバースが開き、デッキからカードを四枚手札に加えて一枚がトラッシュへと落ちた。これにより、アクアが再び手札から効果を飛ばすことができるようになりゴブリンたちはより一層警戒を強めなくてはいけなくなった。

「ごめん」

「大丈夫だ、お陰で手札が増えた」

 素直に謝るハカネに対して余裕な表情をし手札を見せるアクア。実際アクアの残されていた手札は踏み倒しをメタる魔法「零の秩序」一枚だけであり、妨害と言える妨害を打てない状態だったため、ここでの手札補充は大きかった。

「マナは切れた、でもドローで引けた永続魔法「魔力の泉」を配置」

 洞窟の中にぽちゃりと水の滴る音が響き渡り、ハカネの背後には大きな泉が出現した。


永続魔法「魔力の泉」

 ドローフェイズ時ドローするかわりにマナを1増やす。

 マナチャージで増えるマナの数を1増やす。

 

「カウントは2、これじゃドローできないし、ゴブリンキングに風の魔女でアタック!!」

 フウリが握る杖の先に風が集まり始め、髪をなびかせる。そして、風が刃として鋭くなり打ち出された。

(フウリは召喚コストを持ってるけど、軽量。打点も一点しかない、後々詰めるときに必要なボーダーを下げるための攻撃だけど)

 ほぼ通ればいいと思っていた攻撃であるが、風の刃は途中で勢いを失い、殺傷力がある風ではなくなった。

「手札を切らせただけいいとしますか」

 原因はゴブリンメイジが攻撃時に反応する魔法を利用していた。

 魔法「魔法障壁」コストを持たず、発動するタイミングは相手の攻撃時であり、一ターンに一枚しか使えない防御札である。効果は単純なものでこのターンの間、一回だけ受けるダメージを一減らす。これにより、フウリの1点しかない打点は0となり、ライフを減らせなかった。打ちどころだったかと聞かれると微妙なところではあるが、ハカネ質に取っては防御札の一枚を切らせたのは大きかった。

「私も続けて、キングに攻撃」

 ハカネは杖に魔力を流し、杖を硬化させるとそのままゴブリンキングを殴る。

「ターンエンドよ」

 

 ターン5

 ハカネ 手札四枚 デッキ二十五枚 トラッシュ四枚 マナ零 前衛魔女見習いハカネ 風の魔女フウリ 後衛結界師ヨシバシ 永続魔法「日々の積み重ね」「魔力の泉」 伏せ一

 アクア 手札五枚 デッキ二十三枚 トラッシュ七枚 フォールド 永続魔法「対価不足」「日々の積み重ね」

 キング ライフ九 手札八枚 デッキ二十四枚 トラッシュ八枚 マナ二

 メイジ 手札七枚 デッキ二十七枚 トラッシュ五枚 マナ五 投石ゴブリン


 第6ターン、ゴブリンメイジが新たにカードを引き潤沢となった手札を使い動き始めた。最初に切られたカードは戦略「ゴブリンの群れ」、デッキから新たなゴブリンモンスターを召喚しようとするが、素早くアクアがカードを割り込ませた。

「魔法「無力の呪縛」、このカードは相手が効果を発揮する際に破棄することで、そのカードの効果を無効にする」

 アクアが割り込ませたカードの効果により、メイジが使おうとしていたカードにはいくつもの鎖が纏わりつき力を抑え込んだ。

「ただし、このカードを破棄した場合、このターンの間、自分フィールドの表側のカードは効果が無効になる。破棄して効果を発動するから関係はないが、永続魔法「日々の積み重ね」にカードをカウントとして課さえることができない」

 アクアのフィールドにある大量の本と天秤に鎖が纏わりつき、こちらのカードも力を抑え込まれてしまった。

「天秤の効果が無効になっちまった以上、このターンデッキ破壊はできないが。妨害効果は飛ばせる」

 続けて、メイジが切ったカードは魔法「突然変異」。フィールドの投石ゴブリンを贄とし新たなモンスターを召喚しようとした。しかし、すぐにハカネがリバースを発動させた。

「相手が魔法/戦略カードの発動宣言をしたことにより、リバース発動。永続魔法「魔力の貯まる瓶」このカードが表側で存在する間、相手が効果で召喚する事に私のマナを2増やす」

 ハカネが使ったカードは相手が展開をし続ければ、その分こちらのリソースが増えるカードであり、展開そのものを止めるカードではない。そして、アクアはメイジの効果を止めることができるカードを切らないため、魔法「突然変異」の効果は通った。

「「ゴブリンメイジ」を召喚、召喚時効果でデッキから一枚ドロー」

「効果の召喚により、永続戦略「魔力の貯まる瓶」の効果でマナを2追加」

 メイジが新たな手札を加えるが、ハカネも後続のリソースを確保し始める。これにより、展開ルートによってはハカネのリソースが増え続けてしまい、強力な反撃を許してしまう。そのため、メイジはこれ以上の展開はやめて、カードを二枚伏せて終わらせた。

「ターン終了時、永続魔法「魔力の貯まる瓶」は破壊される」

 

 ターン5

ハカネ 手札四枚 デッキ二十五枚 トラッシュ五枚 マナ二 前衛魔女見習いハカネ 風の魔女フウリ 後衛結界師ヨシバシ 永続魔法「日々の積み重ね」「魔力の泉」

アクア 手札四枚 デッキ二十三枚 トラッシュ八枚 フォールド 永続魔法「対価不足」「日々の積み重ね」

 ゴブリンメイジ 手札五枚 デッキ二十四枚 トラッシュ七枚 マナ六 ゴブリンメイジ 伏せ二



 第6ターン目、アクアが新たにカードを引いたカードを確認する。

「なら、魔法「スリードロー」発動コストでマナを四支払い、三枚ドロー。更に永続魔法「日々の積み重ね」の効果発揮、カウントを三枚破棄することでデッキから一枚ドロー」

 一気に手札を四枚増やす。五枚となった手札を見て、アクアはその中の二枚を手に取り一枚を伏せた。

「戦略「崩壊ドロー」、発動条件は自分フィールドの支援エリアにカードが存在すること、自分フィールドの支援エリアのカードを全て破壊し、破壊したカードの枚数分デッキからドローする。これにより三枚ドロー」

 ボロボロとなり崩れ落ちていく本達と天秤、力を失っていきカードはトラッシュへと送られていった。代わりに手札へ加えられた三枚のカードたち、そして、伏せられていたカードだけまだフィールドに残されていた。

「魔法「反撃の一矢」伏せられていたこのカードが効果で破壊されたとき、相手フィールドのカードを一枚、直接トラッシュに送る」

 反撃とは一体なのだろうかと思えるが、先程の戦略「崩壊ドロー」の効果で伏せられていたカードを破壊するため、発動条件をしっかりと満たしている。これにより、カードから放たれた一本の矢がメイジのゴブリンメイジに突き刺さり、トラッシュへと送った。

「続けて、戦略「使い古された戦術」、発動コストでデッキを二枚破棄して、トラッシュの永続魔法/永続戦略を配置時コストを支払わずに好きなだけ配置する。永続魔法「対価不足」を二枚配置する!!ただし、この効果で配置したカードの配置時効果は発揮されない」

 配置コストでデッキから破棄されたカードの中に紛れていた永続魔法「対価不足」も配置することにより、アクアの背後には天秤が二つ出現する。そして、これからアクアが相手のデッキを減らせばこれまでの倍の速度で相手のデッキを破棄していくことになった。

「トラッシュは十八枚か」

「ん?アクアまさか!?」

「魔法「フェアトレード」こちらは一枚ドロー、相手は二枚ドロー。更に「対価不足」により、四枚破棄する」

 流れるようにデッキが破棄されていく、そしてこの瞬間リバースが発動されなかったことを確認し、アクアは勝利を確信した。そして、ハカネはため息を漏らしながら、すでに勝負から目を話し、袖の中からいくつか武器を取り出していた。

「魔法「魔導書の索引」を発動、これで手札の魔法カードを二枚破棄して、トラッシュの魔法カードを三枚回収する。回収するのは魔法「穿つ魔槍」二枚に、魔法「フェアトレード」だ。そして、回収した魔法「穿つ魔槍」でその伏せカードを破壊して、二枚ドローの四枚破棄!!これでてめぇらのデッキはこのカード一枚だけの射程圏内に入った、これで終わりだ!!」

 アクアが高らかに上げる一枚のカード、それに答えるようにメイジとキングのデッキが出現した。

「確実なんてものはない!!不確実が崩壊へと導き崩れ落ちる!!戦略「砂上の楼閣」発動!!」

 メイジとキングのデッキが崩れ落ちていき、一枚、二 枚、四枚と落ちて行き、最後の一枚も崩れ落ちた。

「自分のトラッシュが二十枚以上のとき発動でき、自分のトラッシュのカード二枚につき相手のデッキを一枚破棄する。十枚以下なら即終わりだ」

 ゴブリンメイジとゴブリンキングのデッキはなくなり、デッキアウトで勝負は幕を閉じず、直後動き出したハカネが油断しきっているゴブリンメイジとゴブリンキングの首を切断し、決着をつけた。

「・・・今更だけど、このゴブリンたち喋ってたね」

「今更だな、それだけ知能が高いってことだろ」

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