表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/29

十五話

 テスタロッサにこの辺りなら安全だと思うからと言われ、適当な場所に放置されてしまった。実際、カードバトルしかできない僕は戦闘機と戦闘は自衛すらできないお荷物である。そのため、こうして安全地帯だと思われる所まで連れてこられた。そして、テスタロッサはアクアのカバーに向かうため、すぐに来た道を戻り走っていった。

「はぁ、どうしよう」

 残されてしまった僕が皆の足を引っ張らないよう、言われた通りこの場所で大人しく待っていることにしていた。しかし、僕は本当に自衛すらできないのであり、直ぐ側が戦場である状態で安全だと思う場所で放置されている、全くクリアリングがされていない場所であることをテスタロッサは忘れていた。

「!!」

 何かが地面に落ちている枝を踏み潰す音が聞えてくる。その音は少しずつこちらへと近づいてきている。それに気がついた僕は足音を立てないよう慎重に移動して、音が聞えてくる方とは反対の方向に身を隠した。少し顔だけを出して何が近づいてきていたのかを確認した。

「ッ!!」

 近くに来ていたのはまた新たな戦闘機がこの辺りを徘徊していた。戦闘機には銃が装備されており、生身である僕が目の前に立ては瞬く間にハチの巣にされてしまうだろう。故に気が付かれないよう、より気配を殺して気が付かれないようにした。

(何をしているんだ?)

 戦闘機は周囲に何者かが居ないかを確認すると、戦闘機から何かが伸び出てきて、そこから液体の何かが周囲の植物たちに散布を始めた。

(?なにあれ、毒?)

 戦闘機が一体この場所で何を散布しているのか、植物に対して散布する液体として最初に思いついたのは除草剤であるが、どうしてこの場所で散布するのかわからない。とりあえず、今は除草剤か毒なのかわからないものを吸引してしまわないよう、袖で口を覆いゆっくりと呼吸をした。

 しばらくすると、戦闘機はそれの散布を終えて、何事もなかったかのように機械はその場を後にしようとした。その瞬間、上から見慣れた斧が戦闘機目掛けて落された。

(!!あれって)

 斧は自由落下の勢いを乗せ戦闘機の銃を破壊する。突然の事に理解が追い付いておらず、状況処理を行っている戦闘機の背後へと姿を現したリサは鉈を構え、力技で戦闘機の硬い装甲を叩き切り、内部の動力源をあらわにさせる。

「・・・」

 鋭い目、戦闘機の一切の反撃の隙を許さずに追撃を入れる。そして、地面に突き刺さった斧を自身の手元に引き寄せ、動力源目掛け突き刺した。十秒にも満たないわずかな時間で戦闘機を一機破壊した。

「・・・?」

 こちらの存在に気が付いたリサはゆっくりと近づいてくる。僕はゆっくりと立ち上がり両手を上げた状態で立つ。

「リサさん、さっきぶりです」

「・・・」(コク

 リサは持っていた斧を何処かへと消し、鉈を腰に差す。僕が隠れていたのは目の前に戦闘機がいるから身を隠していたからだと何となく察してくれて、隠れていたことに何かしらの疑いは持ってくれなかった。

「・・・?」(キョロキョロ

 何かを不思議に思う表情をしながら周囲を見るリサ、そして僕の方を指さして首を傾げた。

「あ、ハカネさんは村へ、アクアさんとテスタロッサさんは戦闘機と戦っていると思います」

「・・・」(呆

 戦えない僕をこんなことに置いていくことに、リサは顔に思わず呆れた表情を出してしまう。そしえて溜息を洩らしながらも、僕の手を掴みゆっくりと歩きだした。

「えっと?ついてこい、ですか?」

「・・・」(コク

 頷くリサ、僕はリサの歩くペースに遅れないよう、少しだけ歩くペースを上げて着いていった。途中、戦闘機が表れることがあったが、リサが一瞬に破壊してしまっていた。

 しばらく歩くと、見るも無残な状態になっている村へと来た。無残な状態になっている理由は、目の前にいるそれを見て納得がいく。

「あの、ハカネさん。なんでカオスドラゴンが放置されているんですか?」

「ん?リサが連れてきてくれたのね。その子がご飯食べたいって言ってたから、勝手に食べさせてた」

「・・・ご飯、ですか」

「・・・」(困

 ハカネが言うご飯が一体何なのかわからない。荒らされた家の近くに、何かの真新しい血だまりが広がっていることは恐らく関係ないだろう。そう思いながら、ハカネはのろしを上げて、捜索へと森の中へと戻っていたアクアとテスタロッサへと連絡を行った。

「・・・」(笑顔

 リサは零が仲間と合流できたのを確認すると、笑顔で手を振り、助走を付けずに数メートル跳び上がり、一人森の中へと消えて行った。

「リサさんって、人間なんですか?」

 魔法がある世界である以上、自分の人間としての常識が通じないことはわかっていても、リサの見かけはほぼ人間と変わらない。この世界において人間はあの程度できるのかとも思えてきてしまう。

「いや、あの子はもう人間やめてるよ。悪魔に魂を売って・・・はいないわねあれ、むしろ取り込んだ方ね」

「・・・つまり、人間じゃないと」

「ええ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ