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十二話

 ハカネがシュレを連れて行ってしまい、残されてしまった零はリサに先程の勝負で結局明確な効果が分からなかったカード達を見せてもらっていた。


魔法「暗黒取引」 暗黒契約

 デッキから”暗黒契約”を含むカードを一枚手札に加え、相手は一枚ドローする。


 特定のテーマ内でカードをサーチするために使われるカードであり、デッキを動かすために必要なカードを確実に手札に引き入れるためのカード、正しくデッキのエンジンとも言えるカードであるため、相手に手札を一枚与えてしまう程度のデメリット効果はとても安くお釣りが返ってくるレベルのカードだ。そしれ、当たり前のようにデッキ上限枚数の三枚確り積まれていた。

 

装備「魔人の斧」 暗黒契約 呪具

 パワー10000

トラッシュにあるこのカードは自分のメインフェイズ時に召喚できる。

召喚コスト デッキ/手札/フィールド/トラッシュからこの装備カード以外の全ての装備カードを除外する。

このカードが相手によって破壊/除外される際、このカードを召喚することができる。

このカードがフィールドにある状態でこのターンの間に相手のトラッシュに送られたモンスターカードの枚数分追加攻撃/防御を行うことができる。

 

 正直に言って壊れレベルであるカードだ。デメリットらしいデメリットを持っておらず、唯一ある装備カードを全て除外してしまう効果も、初めから装備カードの採用数を減らしてしまえば関係ない。素のパワーが高く、うまくフィールドに居る相手のモンスターを戦闘破壊してトラッシュに送ることができれば、そのまま追撃をすることができ、相手フィールドを一掃することすら可能である。また、ハンデス効果でも同様のことができるため、たった一枚の装備カードだけでデッキの軸を作ることができるカードだ。そして、擬似的な破壊耐性を持っており、簡単には除去することができないカードでもある。


戦場「積み上げられた骸」

 「積み上げられた骸」以外の効果で手札のモンスターがトラッシュに送られた際発動できる。そのカードをゲームから除外し、相手の手札の中からモンスターカードを一枚破棄する。その後、相手は自分の手札からモンスターカードを一枚破棄させる。


 互いの手札を減らしていくカードであり、破棄された際に効果を発揮するカードを合わせるとその凶悪さは増すカード。更に、魔人の斧の攻撃回数も増やす切っ掛けになるためほうっておくことはできないカードだ。


「リサさんのデッキは「魔人の斧」を軸にしたデッキなんですね」

「・・・」(コクリ

「普通は、自分のデッキを相手に見せるようなものではないんだが」

 ”魔人の斧”の性能と盤面維持能力を考えれば、一種類のキーカードを特化するための構築にしても十分な力を発揮することができる。現にリサのデッキには”魔人の斧”を手札に加える、あるいは装備するためのサポートカードが多く採用されている。また、相手のモンスターをデッキ/手札/フィールドからトラッシュに送る手段も豊富に確保されている。しかし、先程戦った零とアクアは採用されているモンスターカードがかなり少ない方のデッキであるため、十分にその効果たちを発揮させることができないでいた。

「ただ、防御札が少ないですね」

 ハカネのデッキはサイドデッキに大量の防御札としての魔法カードが採用されており、戦う度にカードを入れ替えて様々な効果の違う防御効果で防いでいく。零は攻撃が最大の防御と言わんばかりのカウンター系の効果を持つリバースがある。それに対してリサのデッキには防御札とわかりやすい明確なカードは採用されておらず、カウンターできるカードも採用されていない。

「・・・」

 リサは並べられているカードの中から一枚のカードを手に取り零に見せる。

「ああ、なるほど」

 ”魔人の斧”は素でパワーが一万もあり、小型どころか中型のモンスターですら突破できず、むしろ返り討ちになってしまい破壊されてしまう。そして、モンスターが破壊されトラッシュに送られれば追加防御が行えるようになる。また、仮にこのカードが破壊されても、破壊したモンスターの打点分だけライフが減り、それ以降もパワーが上回らなければライフが減ることはない。その為、このカードがフィールドにある限り、ライフを削ることができるカードはそう多くない。だからこそ、リサのデッキは防御札を採用せずその枠に他のカードを手札に加えるサーチカードを入れている。

 他に気になる点としては、効果を持たないモンスターカードたち、通称バニラと呼ばれるモンスターたちが多いことだった。効果を持たないモンスターと何かしらの効果を持っているモンスターとでは優先度が大きく異なる。バニラは効果を持たないゆえに召喚条件と召喚コストを持たない、またはとても緩いものになっている。それを加味しても効果モンスターを優先したほうがデッキの回転が良くなりやすいはずだ。それなのに殆ど採用されていないのはとても気になるものだった。

「・・・」(真面目

 零はリサにデッキを見せてもらったお礼に自身のデッキを見せていた。正直に言ってこのデッキはまだまだ改善の余地がある。そして、ハカネとアクア以外にも戦っている人のアドバイスが欲しかったため、打算もあった。

 しばらくリサがデッキを見ると、懐から三枚のカードを取り出してデッキと共に渡してきた。

「?これは」

 一緒に渡されたカードを手に取り確認する。


戦略「起死回生の一手」

発動コスト 手札を二枚破棄する

自分のトラッシュ/除外されているカードから一枚手札に加える。 


 使えなくなったカードを回収するための回収札。どんなカードでも回収することができるが、発動コストが重たい。普通ならばハカネのように同じテーマ内で回収することができるカードを使えば、範囲は狭いもののコストがとても軽い手段で回収することができる。

 ハカネが扱うテーマの一つに魔導書シリーズがあり、一度に多くの魔法カードを要求するかわりに、他の魔法カードたちを手札に加えやすくなるものである。その中には、トラッシュに落ちた魔法カードだけならば容易に回収することができるカードが存在する。

 そんなカードたちと比較すると、使い勝手の悪いカードであるものの、零のデッキのようにテーマの統一性が薄いデッキにおいてはそれなりに相性がいいカードである。それでも、3:1交換であるためコストが重いことには変わりなく、本当に起死回生の一手を打てる状況でなければ使えないカードである。

「これ、頂いていいんですか?」

「・・・」(コクリ

 リサは顔を縦に振り頷いてくれた。

「ありがとうございます」

 新たなカードを手に入れたゼロは、すぐにデッキを確認して代わりに抜いても問題ないカードを三枚引き抜き、受け取った新たなカードと入れ替えた。そして、同時にお話をしていたハカネがシュレの首根っこを掴んで戻ってきた。

「ごめんなさいね、少し話が長引いちゃって」

 少しやつれた状態のシュレを見て、部外者であるはずのハカネが一体どんな方法で聞き出したかについては聞かないほうが良いだろうと皆が心のなかで思った。

「それで、ハカネさんはこれからどうするんですか?」

 何やら嫌な予感しかしない、それはハカネのこれまで見たことがないとびっきりの笑顔が物語っている。そして、ハカネはその笑顔のまま親指を立てて答えた。

「夜襲してくる!!」

「「知ってた!!」」

「ええ?」

「・・・」(困

「ニャハハ、ニャア止められなかったにゃ」

 とても笑顔で言うべき内容ではないことに、皆呆れた表情を隠せなかった。本来ならばハカネがやろうとしていことは止めるべきことなのだが、ハカネの行動力からこの場にいる誰もが彼女を止めることは決してできない。故に、誰も止めようとはしなかった。

「まぁ、今回は完全に私の私怨だから、あなた達はこの辺りでゆっくりしていて、一晩で終わらせてくるから」

 ハカネが右に手を伸ばすと、その先に魔法陣が広がりその大きさはハカネよりも大きな魔法陣へとなっていき、大きくなるのが終わるとそのまま横へとスライドしていきハカネへと当たる。少しずつ魔法陣がハカネに当たると、当たったところからハカネの衣装が変わっていき、先程まで着ていたローブと少しぶかぶかしていた衣装から、すっとしていて運動がしやすい衣装へと変わった。

「お前な、とりあえず俺は近くまで同行する。こいつから監視をなくしたら本当に何をやらかすかわからなくなるからな」

 ハカネが最終的にどこかしらで暴走してしまうのは目に見えている。そのためアクアは同行することを決めた。そして、零とテスタロッサもこの二人から離れ離れになるのは危険と判断し、同行することを告げる。三人とも同行することを告げられると、ハカネは少し面倒くさそうな顔をしてしまうが、彼女にとってはもう慣れたことであるため、溜息を漏らして背を向ける。

「まぁ、好きにしなさい。私は好きにやらせてもらうから」

「本当に、変わった人たちなのにゃね」

「変わってなければやっていけない経歴の持ち主だからな」

 シュレの小さな独り言に、アクアはしっかりと返した。

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