さいきょうになりたいうさぎさんと、のんびりしてたいきつねさん
3.うさぎさん、大志をいだく!
『かみしばい』やさんはきょうも、おおにぎわい。
うさぎさんは『さいぜんれつ』で、『さいきょうの、しろうさぎさんのおはなし』に見いります。
いっかいおわれば、はくしゅはくしゅ!
もういっかいみて、はくしゅはくしゅ!
そうしてうっとりと、ためいきをもらします。
「ああ、すてきだなあ、かっこいいなあ……
ぼくも、あんなふうになりたいなあ……」
「うさぎさんは、もうじゅうぶん、すてきでかっこいいじゃない!」
きつねさんはオレンジのしっぽをふりふり、ニコニコとそういいます。
でも、うさぎさんはなっとくしません。
黒いおみみをふるふるふって、こういいます。
「ぼくなんて、まだまだだよ。
ああ、ぼくもこんなふうになりたいなあ。
しろうさぎさんにでしいりして、いつかは『さいきょうのろっぴき』になりたいなあ。
ねえ、きつねさん。かみさまの山にいこうよ。
がんばって、からだをきたえて、つよくなって。
そしていっしょにしゅぎょうして、『さいきょうのろっぴき』をめざそうよ!」
4.きつねさん、こまってしまう
うさぎさんが、じいっときつねさんをみあげます。
やまおくにねむる泉のようにすみきった、青い青いふたつのおめめが、きつねさんに『おねがいっ!』といってきます。
なにをかくそう、きつねさんは、この目によわいのです。
うなってうなって、こういいました。
「う~~~ん……まあ……うさぎさんがどうしてもって、いうのなら……」
「ありがとうきつねさん! がんばろうね!!」
うさぎさんはうれしそう。きつねさんにぴょんっと飛びついてきました。
けれどこのとき、きつねさんはひそかに『どうしようかなあ』と考えこんでいました。
ほんとうのことをいうと、きつねさんは『さいきょうのろっぴき』になんて、なりたくありません。
かみさまの山にこもって、悪いまものとたたかうよりも、へいわでゆったりしたここで、みんなとのんびり、くらしていたいのです。
でも、そんなことをいったらうさぎさんは、ひとりでとびだしていっちゃうかもしれない。
そう考えると、きつねさんは『いやだ』とはいえなかったのです。




