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終
岡が充実の表情でホームインすると、学校から人が飛び出してきた。彼らはかつて、一緒に野球をして遊んでいた友人たちだった。お互いすっかり大人になったが、どこか懐かしい面影はあった。夏季講習の予定や旅行の計画をずらしてこの日を待っていたのである。
「おー久しぶり!ナイス凡打!ナイス打たれっぷり!!」次々に飛んでくる旧友の言葉を、二条は驚きの表情で聞いていた。一対一の勝負だと思っていたのは二条だけで、岡も友人たちも最初からサプライズを計画していた。5年ぶりに再会する友人に対して最大限のおもてなしというわけだ。
「5年前、俺は二条にホームランを打たれました。すぐにリベンジできると思ってた。でも、リベンジは5年もかかりました。これで悔いなく野球生活を終われます」
はにかみながらも、岡は充実の表情を見せた。部活引退後も定期的に集まって体を動かしてきた甲斐があったというものだ。旧友たちは次は俺の番だと口々に言っている。
あっけにとられていた二条ははっはっはと破顔した。
「俺たちはみんな、野球バカだな!!」
二条は懐かしい面々に囲まれて、幸せそうに笑った。




