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郷土資料館

それから晴南達は九木礼中学校の近くにある九木礼町郷土資料館へとやって来た。


赤いレンガ造りの平屋建ての大きな建物だった。


だが郷土資料館の中はがらがらでお客は晴南達だけだった。


晴南達は出入口の所で入場者名簿にそれぞれ名前を書くと、郷土資料館の中へと入って行った。


資料館への入場料は無料で名簿に名前を書けば自由に見てまわる事ができた。


中に入った晴南達は自由に見てまわる事になり、各々が各フロアに散っていった。


晴南と麻衣子、晃太と優斗の四人は郷土資料館の出入口があるロビーにいた。


晴南がため息をつきながら言った。


「はあー、地獄よ!この世の終わりよ!!部活動でこんなつまらない場所に来るなんて!」


優斗が晴南に言った。


「まあまあ、こうやって地元の歴史を勉強するのもなかなか楽しいと思うよ!」


晴南が優斗に言った。


「郷土資料館に来て大喜びするのは優斗ぐらいよ!」


優斗が晴南に言った。


「そうかな?面白いと思うんだけど。」


晃太が優斗に言った。


「せっかく郷土資料館に来たんだ。見て回わなくていいのか?」


優斗が晃太に言った。


「そうだね、じゃあそうさせてもらうよ。」


優斗はそう言うと展示フロアへと歩いていった。


すると晃太が晴南に尋ねた。


「ところで晴南、来週からはどうするつもりなんだ?」


晴南が晃太に言った。


「えっ?何が?」


晃太が晴南に言った。


「何が?じゃなくて、来週からはどうする?って話だ。文化系と運動系の部活動を半々でやるって決めただろう?」


晴南が晃太に言った。


「うーん、部長としては今まで通りでいきたいんだけど?」


すると麻衣子が晴南に言った。


「また行き当たりばったりで決めるつもり?」


晴南が麻衣子に言った。


「麻衣子分かってないわね。こういうのは先に決めちゃったら面白くないじゃない?」


麻衣子が晴南に言った。


「そういうもんなの?」


晴南が麻衣子に言った。


「ええ、そうなのよ。だから部長としてここに宣言するわ!これからも行き当たりばったりでいかせてもらうわ!!」


麻衣子が晴南に言った。


「行き当たりばったりでいっくって自信満々に言わないで!」


晃太が麻衣子と晴南に言った。


「まあ晴南らしいがな。それじゃあ部活動レポートの方はどうする?」


麻衣子が晃太に言った。


「そうね、鳥岩先生からは写真を使って報告するように言われるし、結構難しそうね。」


晴南が麻衣子に言った。


「えっ難しいかしら?活動内容を書くだけでしょう?」


晃太が晴南に言った。


「写真を使いながらその日の活動内容を簡潔に書かなきゃいけない。だから簡単ではないと思うぞ?」


晴南が晃太に言った。


「はあーだめねえ、晃太はいつも難しく考えすぎなのよ。」


晃太が晴南に尋ねた。


「それなら晴南はどう書くつもりなんだ?」


晴南が晃太に言った。


「例えばこうよ。今日郷土資料館に行きました。これでいいじゃない?」


晃太が晴南に言った。


「いや、さすがにそれだと簡潔すぎるだろう?それに文字数が少ないと空白が目立ってしまうぞ?」


晴南が晃太に言った。


「大丈夫よ!その分文字を大きく書くの!インパクトもでるでしょ?!」


晃太と麻衣子は晴南のいうレポートを想像してみた。


レポート用紙の上の方に写真を貼って、その下の部分に巨大な文字で「今日郷土資料館に行きました!」と書かれたレポートの姿を。


麻衣子が頭を抱えた様子で晃太に言った。


「そんなレポート鳥岩先生に見せられないわよ。」


晃太が麻衣子に言った。


「ああ、鳥岩先生がレポートを見て激怒している姿が容易に想像できるな。」


麻衣子が晴南に言った。


「晴南はレポート作成しなくていいから!」


晴南が麻衣子に尋ねた。


「ええー!なんでそんな事言うの?」


麻衣子が晴南に言った。


「そりゃそうでしょ。」


すると麻衣子が晃太に尋ねた。


「晃太君、具体的にはどうしよっか?」


晃太が麻衣子に言った。


「その日の活動内容の要点をまとめて簡潔に書いていく。書き方は統一した方がいいだろうな。ずっと連続して書いていく訳だしな。」


麻衣子が晃太に言った。


「そうだね、あとレーポートをまとめる時間はどうする?部活動が終わってからその都度まとめるのは大変じゃない?部活動レーポートを作成する時間は別に作った方がいいんじゃないかな?」


晃太が麻衣子に言った。


「確かに、カメラで撮った写真もすぐにはできないだろうし、毎日部活動レーポートを作成する時間がとれるとも限らないしな。じゃあ金曜日にまとめて作成するのはどうだ?」


麻衣子が晃太に言った。


「週末にまとめて作成するって事ね。いいと思う。」


晃太が麻衣子に言った。


「そうか、分かった。あとは実際にやってみて、問題が起きたらその都度修正していけばいいだろう。今日の分は月曜日に作ろう。それでいいか?」


麻衣子が晃太に言った。


「それでいいわ。」


晴南が晃太と麻衣子に言った。


「ちょっと晃太、麻衣子、部長の私を差し置いて勝手に決めないでよ!」


麻衣子が晴南に言った。


「口出ししてもいいけどレポートは真面目に作ってよ?晴南だって鳥岩先生の監視つきで部活動したくないでしょ?」


晴南が麻衣子に言った。


「うっ、それは。」


晴南は諦めた様子で麻衣子に言った。


「もう分かったわ。レポートには口出ししないわ。」


すると晃太が晴南に言った。


「晴南、鳥岩先生から使い捨てカメラはもらってきたのか?」


晴南が自分のカバンを開けて使い捨てカメラを晃太に見せた。


「ええ、これよ。」


晃太が晴南に尋ねた。


「それでカメラ係は晴南がやるのか?」


晴南が晃太に言った。


「やる訳ないでしょ?私が写真に写らないじゃない。」


麻衣子が晴南に言った。


「それじゃあ、私がやろうか?」


晴南が麻衣子に言った。


「麻衣子悪いけど、もう誰に頼むか決めてあるわ!」

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