8章 アレクの叫び
「なんだ、なんだ? 弱い者達で会議かよ。結論なんて出ないだろ。」
先程、僕のことを馬鹿にしたやつら3人組がやってきた。
なんだよ、異様な目つきをしやがって。
「学校にも行かない。狩りもしない。親も手伝わないで、のこのこ生きてるなんて、どういう神経してんだよ。生きてるんですか。」
馬鹿にした目つきで彼らが見てくる。
言い返したいが事実だ。
僕は、全てをあの現実に置いてきた。
逃げたんだ。
だから、何も言えない。
その時、アリシャが僕の前に立った。
そして、鼻を高々にこう言い放ったのだ。
「何よ! 好きなことをして何が悪いの? 学校に行かないといけないの? 狩りをしないといけないルールでもあるの?親は、手伝わないといけないの? それは、あなた達がつけたルールでしょ。私達は、そのルールの元生きなくてもいいはずよ!」
アリスもパソコンを閉じ、彼らを見た。
「アリシャの言うとおりだと思うわ。人は、どう生きても構わない。いつもあなた達は、私達に色々な言葉を浴びせて立ち向かってくるけど、それはどうして。ルールを守れないからじゃないでしょ。あなた達は、私達が羨ましいからただ妬んでるだけよ!」
「うるさい! うるさい! うるさい!」
彼は、暴れ出しそこに置いてあった空き缶を僕らに投げ出した。
床に這いつくばって歩いていたアリ達が暴れだす。
「やめなさいよ! いい加減にしなさいよ!」
アリシャが大声を荒げるがどこ吹く風。
彼らは、僕らに空き缶を投げ続ける。
アリスに、豪速球の空き缶が飛んできた時だった。
アレクが彼女を体を呈して守ったのだ。
アレクの顔に空き缶が当たった。
彼の額からは、血が出ている。
「なんだよ、お前、こいつのことが好きなのかよ! まあ、性格は悪くても顔だけはいいもんな!」
ガハハハハと笑っている時だった。
その時、アレクの隠れていた左目が見えたのだ。
あれは。
「なんだ、お前! なんだよ! その目! 火傷でもしたのか?? ゾンビ見てぇ!」
ますます笑われた。
ゾンビ。
そう言われてもおかしくない瞳をしていた。
だから、隠していたのだ。
「君達はさ、彼女がこうなったら嫌だなとは思わないの? 彼女がこんな顔になってものうのうと生きてられるの?」
アレクが訴えている。
もしかすると、アリシャの反応を見る限り反論したのは初めてなのかもしれない。
「アレク。俺は別にこの女のこと好きじゃねぇんだよ! こんなばばあ、死んでもいいわ!」
その時だった。
アレクが血相を変えてボス格の少年の襟首を掴んだのだった。
「な、なんだよ! いつも怯えてるくせに!」
「そうだそうだ! リュウの首から手、離せ!」
リュウというのか、あのボス格の男。
がたいはいいから、ひょろいアレクが太刀打ち出来るわけはない。
でも、何だ?
あの自信は。
力強い。
人間としての怒りがそこにあった。
「そういう風にな! 人間を見ることが出来るやつは、例え社会で普通と呼ばれることが出来ていても何も誇れやしないんだよ! 誰かを身近にいる誰かを守れない、大切に思えないやつは、人間じゃないんだよ! お前こそゾンビだ! 人間を辞めた化物だ!そうだろ!」
アレクのこの言葉に、その場にいる全員が唖然とした。
だが、ただ一人アリシャだけは、涙を流しながら頷いていたのだった。




