7章 自由って
「さて、いじめたやつらを見返すために私達は、何をするか!」
アリシャは、笑いながらその場を歩いている。
よからぬことをどうやら企んでいるようだ。
「でも、どうやって、ぎゃふんと言わせるんだ? 僕はこの体では絶対に無理だ。前に立ったら馬鹿にされる。」
「確かに、彼は厳しいよね。安心して、僕も人の目を見て話せないから。」
アレクが僕を触ってきた。
残念ながら目はあっていない。
「謎の結束ね。」
「いらない結束よ! ほら、じゃあ、私がいじめっ子をやるから皆いいかえして!」
え、言い返す?
何を。
だが、アリシャはもう役の中。
すっかりいじめっ子だ。
「へんてこな鳥に、ロボット人間! 片目隠し人間! 変な奴らばっかだな!うける!」
くそぉ、言い返したいけどなかなか。
「あんたは、何でそんなとこしか見れないの?」
え?
そこには、パソコンから目を上げたアリスがいた。
相変わらず整った顔立ちをしている。
性格がロボットでなければ、男女共に人気だろうに。
その言葉にアリシャは、興味を持ったのかアリスに詰め寄る。
「そういったとこって? でも、事実でしょ?」
「えぇ、事実よ。でもね、私はそうは見えないわ。」
アリスは、饒舌に話し出す。
「ロボット人間は、ロボットのように心が冷たいんじゃない。皆のことをしっかり考えて本当に動くから集中しすぎて顔に感情が出ないの。彼は、片目を好きで隠しているわけじゃない。人を見るのが怖いからそれを少しでも和らげるために隠してるだけ。翔だって、なりたくてこの体なんじゃない。でも、彼は人の気持ちが分かるわ。人を優しい目で見ることが出来る。私達は、変わらないといけないかしら? ねぇ、アリシャ。あなたは、どこまでも自由なんでしょ? アリのように。なら、どうして、私達がいじめられているか分かるわよね。」
すると、彼女は、認めるかのように立ち上がった。
そして、僕を見たのだ。
「自由だから人に靡かないのよ。自由だから人を優先しないの。だから、人に嫌われる。自由だから嫌われる。それでもいいなら構わない。でも、言い返したい気持ちにはなるでしょ。」
僕は、本当にこの人達は、生きているのかと不安になった。




