6章 イーブス会②
僕は、ひ弱だった。
いつも誰かにいじめられてた。
気付けば隣に何かがあって、僕は一人だった。
誰かを見返したことなんて一度もない。
やりたいとも思わなかった。
だって、出来ないと思ったから。
「とにかく、作戦会議よ。あの単細胞3人の頭に私達は、有能という事実を作り上げるの!」
アリシャが、興奮して黒板らしき板に何やら書き始めた。
『イーブス会、見返し内容』
これは、すごい議題だ。
「で、でも、見返すってどうやって?」
片目を隠しひ弱そうにしている青年、アレクは、恐る恐るアリシャを見ている。
彼女は、自信があるらしく、前へ前へと出てくる。
「要は、あいつらの普通の基準を変えたらいいのよ。」
普通の基準?
どうやって。
アリスが何やらパソコンで調べ始めた。
除くと、人間の主観についてと書かれている。
「個性は個人のものよ。その個性がある種によっては、他人からいじめられる人間へと変わるなんておかしいと思わない?」
アリスは、美しい顔でただひたすら文だけを見つめている。
生きる人形のようだった。
確かに人間だった僕も大人しいから、いじめられているのだと思っていたけど。
そもそもその考えが駄目だったのか。
「あいつらは、よく言うわ。『普通は、普通にしていてみんなの空気が読めるやつだって。』なら、普通って、誰かの空気を読むことなの?誰かのご機嫌取り?そんなことして、私達何を得るの?」
アリスは、パソコン画面を僕らに見せた。
「他者からの信頼よ。」
「そんなのいらないわ! 人は、いつだって孤独で自由なの! 空気を読む必要性なんてどこにもないわ! あのアリを見て! みんな、ただ前だけを見つめて歩いてる!何も考えていないわけじゃないわ!みんな、列を乱さずに歩いてる! 私達よりアリは、普通よ! 調和を乱さないわ!でも、彼らはやつらに下に見られてる! その基準は何だと思う? アレク。」
アレクは、咄嗟に右に持っていたフライパンを頭に被せた。
叩かれると思う程の圧力だったらしい。
見つめられて渋々答える。
「弱そうだからじゃないかな。人間にとって、一瞬にして殺せそうな生物だし、何より小さい。」
アリシャは、ニコリと笑う。
そして、僕の何もない体を触りながら言った。
「そうなのよ! 彼らは、そういった自分より価値が下がるであろう生物や人を下級とみなし、自分を正当化して上にいるつもりでいるの。支配したくなるの。みんな、生まれ持った王様基質なわけね。」
僕は、興味が湧いてきた。
このイーブス会に。




