5章 イーブス会
「これが、私の友達よ!!」
そう言って案内されたのが木の木陰。
そこに、ソワソワしている青年と眼鏡をかけている理知的な少女がいた。
「お、おかえり、アリシャ。その子は誰だい?」
少し怯えて僕を見ている青年。
年は、15、6ぐらいだろうか。
ひょろりと長い体を疼くめて僕を目だけで見ている。
かなり、怖いのかもしれない。
「彼はね。あれ、名前なんだっけ?」
「翔だよ、翔。」
僕は、あえて名前は、変えなかった。
変えることに意味はないと思ったからだ。
「翔、いい名前ね。」
眼鏡の少女が僕をチラリと見る。
だが、すぐ、本に目を向けた。
長い黒髪が本にもつきそうだ。
どこか儚げで、透明で美しい顔をしていた。
「ところで、アリ。あいつらには会えたのか? あの3人。」
あの3人?
すると、アリシャは、鼻息を荒げ、僕を見た。
「彼が会ったらしいわ! 彼に話を聞いて作戦を練るわよ! 私達は、いじめられるために生まれて来たんじゃありません!」
いじめ?
「ねぇ、ここは、何の集まりなんだ?」
すると、眼鏡の美少女が僕を見た。
そして、口を開く。
「あなた、羽がないわね。でも、足はある。私達もそう。私は、顔は綺麗だって言われるけど性格は無だなとバカにされる。人間ロボットって言われるわ。ここにいる彼もそう。彼は、アレクは、人見知りなの。ほら、目を見て話せないでしょ。」
言われてみれば。
彼は、片目だけ前髪で隠している。
片方の目は、芝生を向いている。
さっきは、確かに目があったような気がしたが完璧にはあっていなかったな。
「彼も、こういったことから、よく人にからかわれるの。何で、正面から人が見れないんだって。」
すると、アリシャがはしゃぎながら、アレクの元へと駆け寄った。
「そういう時は、こっちから目をあわせたらいいのよ。そうしたら、見てることに繋がるわ。出来ない人は、無理しなくてもいいもの。」
ニコニコしている。
そんな彼女を、眼鏡の少女は、呆れながらも笑っていた。
恐らく彼女のこういったところに惚れているのかもしれない。
そう思った。
「私達は、いじめられた子達の集まり。イーブス会よ。火を持ち獣を狩ることもしない。学校にも勿論行かない。この世界では、犯罪者。だって、社会に逆らっているんですもの。でも、楽しいわ。それは、私達が、自由でいられるから。ありのままの自分でいられるから。それが、ここでは、共有出来る。仲間がいるから。」
眼鏡の少女の本に名前が書いてあるのが分かった。アリス。
名は、アリスというのか。
物語にいそうな名前だ。
アリス、アレク、アリシャ。
みんな、あがつく。
僕は、しょうだな。
「そういうとこだよ、魅力的な鳥君。翔は、飛べない鳥だけどいいところがたくさんある。見つけよう!そして、見返そう!!私達、もっと強くなれるよ! あり並に強くなれるよ! だって、心を何度も叩かれてるんだもん! 誰よりも強い! 最強な人間だよ!!」
アリシャは、僕に一つの花を渡した。
ひまわりだ。
「ようそこ、イーブス会に。私は、部長さんのアリだよ。みんなで、居場所を見つけよう。君の居場所もね。」
僕は、これから起こる物語に胸が高鳴った。
自由に近づける気がしたからだ。




