3章 アリシャ
「あなた、どうして羽がないの??」
「さあ。」
僕は、素っ気ないなと思った。
でも、興味津々で見てくる女の子が不気味だった。
興味を持ってくれることはありがたい。
僕は、この世界で一人だ。
気に入ってくれればこの子と共に1ヶ月過ごせる。
でも、顔を見て察知した。
この子の瞳は。
生物をいたわらない目だ。
「あなた、私をいけない子だと判断したでしょ?」
「してない。」
細い目をますます女の子は、細くする。
「よく言われるのよね。お前は、いたずらっ子みたいな目で人を見るって。失礼よ!」
確かに。
僕は、そう思った。
でも、そばかす顔のツインテール揺らしの女の子。
仲良くはなれないと思った。
もっと、こう、好奇心がない子じゃないと。
「あなた、喋れるのね! 鳥なのにすごいわ!!私、動物と心を通わせられたのは初めて!! 私の名前は、アリシャ! アリって呼んでいいわよ。動物、生物のアリと同じなんですって。みんな、私を下に見てるのね。」
「それでもいいの?」
女の子は、地面に行列を作っているアリを一匹取った。
そして、にっこり笑ったのだ。
「何言ってるの! アリは、凄いのよ! 逞しいの! 私は、生物の中でアリが一番好き。人間が彼らを下だって区別しただけよ。あなただって、羽はないけど、そのプロペラみたいなの素敵。魅力があるわ。鳥以外の!」
興味津々でアリを持ったまま迫ってくる彼女、アリシャに、僕は、戸惑いを隠せなかった。
友達にはなれないタイプだと決めつけた自分が情けないと感じたからだ。




