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10章 軒じい
「よく来たな、アリシャ。」
老人が僕達を出迎えてくれた。
中は、洋館漂う広場に物凄く長い赤のカーペットがひかれていた。
軒じいと呼ばれる老人の髪は、金髪で、もしかすると異国の人なのかもしれないと思った。
「アレクもアリスも久しぶりだな。」
軒じいが二人を包み込む。
すごく嬉しそうだ。
軒じいは、僕と目があった。
不格好な体。
笑われても仕方ない。
「君は、名前は?」
「翔です。」
「翔か。いい名前だ。さあ、食事をしよう。おい、サテス。」
奥から使用人らしき男がやって来た。
眼鏡をかけていて、理知的な雰囲気だった。
「彼女達を広間に案内してくれ。」
「かしこまりました。」
サテスと呼ばれた男は、私達を部屋へと招き入れた。
これからどうなるのか。
この不思議な世界で僕は何を手に入れることが出来るのか。
それは、誰にも分からない。
その時、軒じいと呼ばれる老人に私は手を掴まれた。
「え!」
びっくりしていると軒じいは、笑った。
そして、言ったのだ。
「君は、鳥じゃない。人間だね。」
そう言われた時、私は、体が浮くのが分かった。
まるで、時空が歪んだように感じられたのだ。




