ACT.3
崇剛に自分の心の内を知られ、冷静無残に振られてしまった彰彦。
だが、千里眼の持ち主に誘われ、心霊刑事は悪霊退治のために、ベルダージュ荘で一緒に暮らすこととなった。
初日の夜。
彰彦の行きつけのバーへ崇剛とともに行ったが、ある事情があり、優雅な神父が酔いつぶれた振りをしていて、それを知りながら、彰彦が崇剛をお姫様抱っこをし、屋敷の玄関へ入って来たところを、正直で素直、性癖はノーマルの執事の涼介が出迎えるという場面。
優雅な館の主人の前で、20代後半の涼介と30代後半の彰彦の間で、男同士のエロ汚い会話が展開する。
涼介:っていうか、崇剛、どうした?
彰彦:酔いつぶれやがった。
涼介:帰りが遅いと思ったら……嫌な予感がする。どこに行ってきたんだ?
彰彦:バーだ。
(崇剛の野郎……。
未だに続くような罠仕掛けやがって)
涼介:ん? 彰彦、お前、何を飲ませだんだ? 崇剛は自分で飲まないだろう。
彰彦:お前さん、オレとセイムで勘がいいな。らよ、当ててみやがれ。
涼介:マルゲリータとか?
彰彦:ジュースが入ってるやつなんかドリンクさせるかよ。
涼介:アレキサンダーとか?
彰彦:マニアックなとこついてくんな。
涼介:何だよ?
彰彦:グリーン アラスカだ。
涼介:何が入ってるんだ?
彰彦:オレの好きなエギュベルのジン、42%と、グリーン シャリュトリューズつうリキュール、55%を、シェイカーでただ振っただけのカクテルだ。
涼介:強烈すぎだろ、それ。
彰彦:お礼参りだ。
涼介:何だ、それ?
涼介一度考えてから言う。
涼介:祈願したことを、神社とかにお礼に行く、あれだろ?
彰彦:やあさんが、やり返すって方の意味だ。
涼介:崇剛に何されたんだ?
彰彦:オレが惚れてんのに、振りやがったからよ。
涼介:はぁ? 彰彦が崇剛を好き……?
彰彦:オレはゲイだからよ。
涼介:絶対、ここ、おかしい……。バイセクシャルにゲイに、スピコン、オカマ……。
彰彦:あの歩く18禁ってか?
涼介:歩く……18禁? 誰のことだ?
彰彦:あぁ〜、何つったか? 名前と髪が長ぇやついんだろ?
涼介:もしかして……彰彦もダルレシアンに言われたとか?
彰彦:聖霊寮で大声で聞きやがったぜ、てめぇとするかってよ。
涼介:…………。
(昼間、崇剛と一緒について行ったと思ったら……)
彰彦:あいつ、どこにいやがる?
涼介:寝てる。疲れてるんだろう。13年間も牢屋の中で、拷問も受けてたみたいだからな。すぐに、よくならないだろう。
彰彦:そうか。そんだけのことされて……。あんだけ明るく生きられるっつうのは、ストロング過ぎだろ。
しばらく、涼介と彰彦はダルレシアンの過去を考えて沈黙する。
彰彦:涼介、崇剛とオレで、3人ですっか?
涼介:待った! 彰彦も酔っ払ってるだろ。意味のわからない3Pに勝手にするな、そこで。
彰彦:やっと気づきやがったか。バーは酔っ払いに行くとこだ。
涼介:さっきから、話し方がおかしいと思ったら……。崇剛といい、彰彦といい、俺で遊ぶな!
彰彦:襲ってやっか、今からよ、崇剛を。
涼介:冗談にならないから、やめろ!
彰彦:20代のサルみてぇなガキ、てめぇやダルレシアンと一緒にすんじゃねぇ。分別はあるつうの。
崇剛:…………。
(おかしな人たちですね、あなたたちは。
瞬にはとてもではありませんが、聞かせられない会話です)
彰彦:崇剛、拐ってくぜ。
涼介:だから! 冗談にならないから、やめろ! お姫様を連れてくみたいな言い方をするな。
彰彦:ジョークだ。オレの部屋は?
(真に受けやがって。
涼介、からかい甲斐あんな)
涼介:崇剛の寝室から2つ手前だ。服を脱がすとか、余計なことをするなよ。
彰彦:じゃあ、明日、7時半にはここ出るからよ。起こしやがれ。
涼介:俺はお前の執事じゃない! 何で、彰彦の面倒まで俺が見るんだ!
彰彦は崇剛をお姫様抱っこしたまま、階段を登る。
涼介:窮地に陥ったお姫様を、ナイトが助けたみたいに見えるのは気のせいか?
こうして、仕事上という割り切った関係の30代同士の崇剛と彰彦の間に、不思議で真新しい日々が始まる。




