1ルート目 ③こんにちは異世界
今日で何度目の今世紀最大だろうか、しかし今世紀最大と言っても過言ではない、なにせいつも通り登校して、美少女に出会い、爆発?に巻き込まれ、気付いたらバケモンが側に居て、施設を出ればそこは異世界。
ーーーー異世界!!!!!!!!!!!!
「何つーーーこったァァァァァァァァァァァァァァ」
まるで獣の叫びだ。
「異世界召喚モノはだいっっっっっすきだぜ!だけどよぉ!!リアルでやるこたぁねぇだろぉ!!!!!」
「大体なんだ!なぜ今なんだ!もっと前から頑張れよ!おい!!神様居るなら出てこい!!」
空に向かって叫ぶ世間知らずの馬鹿に見えるだろう。文字通り世間知らずだ
世間通り越して世界知らないもん。まじで。
しかしそんな考えは振り払い、今は取り敢えずさっきの嫌な予感の正体を確かめることが先だ。自分にそう何度も言い聞かせ、そしてまた走り出す。
「この違和感、さっきのやつと同じなら何かやばいことが起きる……!」
そんな予感がしてしょうがない。しかし、何故走り出したんだ俺。
あの少女に会いに行く目的はどうしたんだろうか。
理由は簡単だ。会える気がしたから。なんて運命論を語っているようだが、そういう意味ではない。この自分の予感を信じるという意味だ。
まだ二度目だがこの予感には確実性がある。どちらかと言うと確実性が無いのは、自分の行動の方だろう。
「走りまくるのはいいけどよぉ……ここはどこっ!?」
よくよく考えると、俺はここに来たのは初めて。
つまり、何がどこにあるのかわからない。なので、第五地区がどこにあるのかわからない。よって、これは詰んだ。証明終了。
「そう考えると、俺ってば今、天涯孤独ってやつだな。そう考えるとなんだか心細くなってきたぁ……」
なんて馬鹿を言っているが、内心とても焦っている。しかも、いつの間にか路地裏に入っていた。そしてーーーー
突如として自分の前の空間が、歪み輝き出した。輝きは怪しげな色をしている。その輝きが収まり始めるのと同時に、異形の者が現れた。
人では無いものには、慣れた気がしていた。走り抜けてきた街にも、腕が多いやつや、大きいやつなんてざらにいた、ケモ耳もいたな。
しかし前のやつとは明らかに何かが違う。前にいる生物いや、生物かどうかもわからない異形の者。
そいつの口や目からは人の指くらいの太さの触手が出てきている。
腕は八本、足はなく蛇のような下半身。唸っているような声もするが、聞き間違いであってほしい。なんて考えているとき、人が向かっくる気配に気づいた、1人だと思う。そしてその気配に気づき驚愕する。驚いてばっかだな今日。
その気配の正体は、可憐な少女であった。
前の子とは違う、美しく伸ばした銀の髪、赤い瞳、透き通るような肌、そして腰にはレイピアのようなものがぶら下がっている。その格好は、軍服のようなもので、右の肩にこぶし大の刺繍があり、そこには2と書いてある。
「あなた何してるの!!!早くそこをどいて!」
あらま。可愛い声だこと。
と誤魔化しているが、もう察しがついた。きっとこいつがさっきの高エネルギー反応の正体。そういえば忘れていた、もう一つの思い当たる節。
俺は極度に不運な事に。