2ルート目 4:作戦会議(仮)
厄介な事というのはやはり間違ってなかった。
ただし、違う意味で厄介なことになった。
つまりはこうだーーーーー
「君は異形の王の手下たちに狙われやすいんだろう?こちらとしてはそれを狙わない手はない」
「と言いますと??」
「君を餌に異形の奴らを叩く。この他にないだろう」
そう堂々と俺の餌作戦を語るのはこの国の軍部のトップである、仙洞正蔵である。
「あぁ…それは作戦的には最高だが、俺的には最悪だよ!」
いつもの通りの軽口が戻り始める。
「確かに!!俺は狙われやすい!!それはきっとあの深淵の邪魔をしたからだ!だけど!俺は死にたくない!!つまり却下ぁぁぁぁ!!」
「君が狙われやすい理由。それは、何もそれだけの理由ではないよ」
「じゃぁなんで狙われやすいと思った!!俺は何か大事な情報でも持っているのか?俺誰かに重大な情報話されるほどの信頼関係結んだことないよ!?」
「君はあの異形になんと言われた?」
人の渾身のギャグをすスルー。真面目な雰囲気に呑まれつつ真面目に答える
「確か、親愛なる異教徒だったかな?」
「異教徒か…………。やはり、というべきなのだろうか」
「なるほど………って勝手に納得してんじゃねぇ!当事者が追い付けてねぇんだからよ!」
「ん?あぁごめん。何がわからなかったんだい?」
「全部だ、全部。まず異教徒がどういう意味なのかだ!」
正直この世界には中学二年生あたりが喜びそうな単語が撒き散らされている。最初は俺も少し嬉しかった。いつになっても心は少年なのだ。
しかし、今となってはもうよくわからん。なんだ異教徒って、俺この世界の宗教観知らねぇから異教もクソもねぇだろ
と心で盛大に毒づく。
「知らないのかい?この国の人いや、世界中の人が知っていると思うんだけど、君はどこ出身なんだい?」
「いや、あんまり覚えてないんだよなぁ…故郷について、星が綺麗だったことくらいしか」
ロマンチックさを醸し出してみる。大体日本って言ってもわからんだろうし
てかまずこの国の名前を知らない。もうこの世界に来て二ヶ月ほど経つのに何してんだ俺。
「それは辛いことを聞いてしまったね。すまない」
「いや、あんまり気にしてないからいいよ」
嘘をついているのに、相手に真面目に謝られてはこっちが罪悪感で潰される。
「とりあえず、異教徒の意味。それとこの国の名前だ!」
「この国の名前もかい!?………わかった。なぜ君がこの国に入ってこれたのか疑問だがまぁいい。まずこの国の名前、"神聖ローランド帝国"と言うんだ。聞いたことは?その顔を見るとないようだね」
「どーもすいませんね」
「そんな怒らないでよ、全く君は」
それでもなお笑っていられるお前の心何ヘクタールよ??
「まぁ詳しい話は本でも読めるからいいとして、異教徒について。
異教徒っていうのは彼ら異形が言うところの試練の事なんだ。
異形は試練を欲している。そして、試練を乗り越えれば何かが起こると信じている。いや、きっと何かが起こるんだろう。だから君は狙われるわかった?」
「俺が不運の権化なのはわかった」
「少年よ。まぁそう気を病むな。君は強いのだろう?」
「あんたらの前でそれ言われても実感わかねぇよ」
正直俺千人を相手にしても負けないだろう。そんな気がした。
「こんな老獪。強そうに見えるか?」
「少なくとも強くないやつはそんな鋭すぎる目はしねぇだろうよ」
「気配を読み取れるのか。本当に面白いやつじゃな」
「そう言ったでしょう。彼はとても面白いって」
二人して俺を馬鹿にしすぎだぜ。異世界住人って優しくないのな。特に俺に
しかし、実際のところこの二人が仲間?であることはとても心強い。
「んじゃ!作戦会議(仮)終了ってことで!飯に行こうぜ。親睦を深めるということでさ!軍のトップならいい店知ってるだろ??」
よく考えれば殺されても文句は言えない状況だ。しかし、そんなことに気づかないこの時の俺。そして、その申し出を快く受け入れる仙洞。
ある意味では幸運な作戦会議(仮)であった。
「それと君には話さなければならないことがもう一つだけあるんだ。
それはーーー




