プロローグ 春の兆し?
暇つぶし程度にどうぞ!
桜も咲こうと試みる四月上旬、今までとは全く違う学校生活が始まるのもこの頃だ。今日から始まる高校生活。さぁ、青春しようぜ!
「と思っていた頃が私にもあった」
高校生活一日目の自分を懐古していると、いつの間にか教室に着いていた。教室のドアの上には1年2組と書かれている。
恐る恐るそのドアを繊細かつ大胆に開ける。(まぁ普通に開けたが)
瞬間、教室中の視線がこちらを向く……なんてことにはならなかったーーーーー残念。
理由は簡単で誰もいないからだ。
「昨日と同じ……か」ポツリと呟く。
しかしどうしてこうもうまくいかないんだろう。と自分のこれまでを振り返る。
あれは確か小学校生活一日目クラスメイトの半分が休むという異常事態。
それに次ぐ中学校生活一日目自分の家の周りだけ暴風雨が発生。
高校生活では一日目どころか二日目も誰も学校に来てない。
教師ですらもだ。職務怠慢かな?
教室にぽつんと取り残される俺、葵·奏多はとりとめなく考えていた
「学校休みなんだよなぁ……そうなんだろ!!そうだって言っくれぇ……」
誰もいない教室で一人嘆く俺、その嘆きの空虚な響きを聞きまたもや切なくなる俺、落ち着いて考えて何やってるんだと恥じる俺。
「この物語の登場人物は俺だけなのか!!!!!!」
空虚な叫びが更に俺の孤独感を増s
「もう少し静かにできないのかしら?」
凛とした声が後ろから聞こえた。はっとして後ろを振り返る。多少の期待、いや、大きな期待を持って。
「ふぇ………?」
思わず変な声が出た。声の主は美しい女の子いや、正しくは少女であった。
身長は160センチ前後で、腰に届くほどに伸びた黒髪は絹のようだ。
端正な顔立ちで、少しだけつり目がちな双眸。
その双眸には、漆黒の美しい瞳。そしてーーーーー
「その鳴き声………もしかして人じゃないの?」
「…………」唐突な罵倒に反応しきれずただ呆然と立ち尽くすだけの俺。
それを見ながら本気で心配する素振りを見せる謎の美少女。
「…………あっ……えっとぉ………」
正直女子と喋るのに一切の耐性がない、ましてや美少女と。
「天気がいいですね……?」
関連性も脈絡も理論も論法もクソもない話をし続けてる俺を見兼ねてか美少女は一言。
「大丈夫??本当に頭に異常が……?」
「いや、それ普通に聞いたら只の罵倒だよね!!??」
と落ち着いて考える前にツッコミを入れてしまった。
(しまったァァァァァァァァァァァァ完全にやったこれは完全に引かれた、ドン引きが優しく見えるくらい引かれた辛い辛い辛い辛い)
心の中が荒む荒む。大荒れの波ですら可愛く思えるくらいに。
「フフッ」
と小さな笑い声が聞こえた。
え?????心の中が疑問符で溢れた。あと感嘆符な。
「えっと…面白かった?」恐る恐る聞く。
そんなはずがないだろうと心の中で何度も考える。
今まで自分が何かを言って笑われた事など皆無に等しい。いや等しいだと何回かあるみたいになるな。皆無だ。
「んっ…んんん」態とらしい咳払いをした少女。その瞳にはその笑顔が本物であるかを言い表す様な暖かい色が現れていた。
「そうね、面白かったわ。点数をつけるなら100点中87点ってところかしら。」上から目線で言い放つ少女にまたもや俺は、
「割と高得点!?!?」とツッコむ。そして少女を見れば、腹を抱えて笑っている。
「なんか自信ついたんだけど。いや、ホント。」やけにウケがいいので、その流れで話してみることにした。普通の奴にはわからんと思うが、女子、しかも相当の美少女と話すのを決心するのにどれだけの葛藤があったか。
際限なく生まれる下心との決着はつき。落ち着いて話すことに専念しようと試みる。
が、
「あなたに一つ聞きたい事があるの。一ついい??」
以外にも先に話しかけてきたのは少女の方であった、
(あれ?俺モテ期??モテ期来ちゃった??いま人生エンジョイいなきゃいけない感じもしかして??神様そゆこと??)
という短絡的な思考をあくまで質問だ。と、割り切り話す。
「い、いいよ………」
そう言いつつ出だし順調だと思う。このまま何も起きないといいけど…
という嫌な予感を感じつつ、フラグを建てている自分を戒めた。
祝!初投稿!
読んでくださった皆様ぁ!!
ありがとうございまぁァァァァァす!!!m(_ _)m
これからも暇つぶし程度に読んでいただけるとうれしいです!