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「貴方は存在そのものが罪。貴方の様な人間が存在してはならないの。生きていてはいけないの」

「だから消えてくれ。俺たちのためにも、お前のためにも」

 そう言って両親はいなくなり、男と女(・・・)に肩と脇腹を銃で撃ち抜かれた当時八歳の私の意識はなくなった。

 

  * * *


 あれから七年。十五歳になった私は、しろがねと名乗る男と共に暮らしている。

 本名はお互いに知らない。

 私は彼の名を聞き、葵と名乗った。

 世間は彼を嫌っている。

 否、彼の才能を嫌っている。

「俺は世間から切り落とされた嫌われ者だ。お前、行くあてがないんだろ?このままここで死ぬのなら、ついて来ないか?」

 初めて出会った時、彼は血まみれで、私は死にかけだったのを覚えている。

 生きたしかばね同然だった私を救ったところで彼に利益なんてなかったのに救ってくれた。

 幼かった私に選択肢なんてなかった。

 必死の思いで鉛が巻きついているように動かない腕を伸ばすと、抱き上げられ、今の家に連れてこられた。

 お互い何も詮索しない。なんてルールは無いけれど、お互い何も聞かなかった。

 知っているのは顔と偽名。

 そんな関係。

 それが今、崩れ去ろうとしている。


Praefatio=プロローグ

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