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電車の中で

「やっと会える! 本当は何色なの? どんな姿なの?」



カオルは、見たくて見たくてウズウズしていた濃い緑色の動物と白い子がいるポッケに、そっと手を入れました。


(フフッ まだ眠っている。白い子も眠ったのね。名前を考えよう。白い子はマシロかマシュマロみたいだからマロウかママロ、マシュロやっぱりマシロにしよ!)


カオルは、白い子にマシロと名前を付けると次に赤松の液から出てきた子の名前を考えます。


(かわいい名前がいいわ。松から生まれたからマツリー?ダメダメかわいくない。きっと濃い緑色してるからチャグリ?うーん今一。チグリ、マグリ、あーダメ!かわいい名前ないかな?)


名前を考えているうちに眠くなって、コックリ。


(眠ったら、松本駅を乗り越しちゃう!起きて起きて!)


カオルは、自分に言いました。が、またコックリ。


すると、先に乗っていた少女が立ち上がりました。


(そろそろ松本駅かしら。)


少女は、カオルの方に向かって歩いて来ます。


(降りるのではなかったのね。)


カオルは、またコックリ。眠ってしまいました。


少女が、眠っているカオルの前を通った時、ピンポーン


ピンポーン


カオルは目を覚ましました。「はーい!いらっしゃいませー!」


と言いながら、お姫様が見てもお喜びになりそうな部屋から飛び出して、玄関にお客様を迎えに行きました。


そして、マシロのことも、まだ名前が決まっていなかった小さくて柔らかで、冷たい耳とチクチクする爪がある動物のことを、すっかり忘れてしまいました。


今度、あの少女は誰のところに行くのでしょう。また誰かのポッケに入るかもしれない小さな動物。


もし、君のポッケだったら、忘れないで大切にしてね。


何かいい事が起きるかも。





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