開戦
「楽しみだなあ・・・」
ミノタウロスの手足の山の上に乗っているヴァンは言葉通り楽しそうにそういった。その後ろにはミノタウロスが数体並んでいた。しかし、その姿は普通のミノタウロスと違っていた。手足は《狂鬼招来》時のヴァンの姿に酷似している。
「しかし、流石に作りすぎたかなあ・・・」
このミノタウロスの軍団はヴァンにより作られたものだった。
《狂王の支配計画》・・・ヴァン・デスモンドのスキルの一つ。その能力は、ミノタウロスの様子を見てわかる通りモンスターの肉体の《狂鬼招来》化である。全ステータスの向上はもちろん、その肉体は強靭になっている。そして、ヴァンによるそのモンスターの洗脳である。ヴァンは意のままにモンスターを操ることが出来るのだ。操れる数は限りなく何百体でも操ることが出来る。
「もう1度来るときは何人来るのかなあ。『魔王の娘』はもちろんまた来るだろうけど、ほかのやつはどのくらい来るのかなあ。さっきも何人かいたけど、もっと強い奴が増えてくれると面白いのになあ・・・さっきのやつは少しだけ面白かったけど」
そんなことを考えているとミノタウロスが1体湧きでてきていた。そんなことは気にしていない様子でヴァンは空を眺める。
「でも、もうあれじゃあダメだろうな・・・」
少しもったいないと考えながらもあの程度じゃつまらないなあと考えていた。そして、ミノタウロスの頭を打ち落とす。
「・・・もういいか」
倒れていくミノタウロスを見ながら、残り始末は操っているミノタウロスにやらせていた。すると、ダンジョンボスの扉が少し開く。
「お!お!いいねー!!!あいつらかなああいつらかなあ!!!!!」
嬉しそうに立ち上がる。そして扉の前には操っているミノタウロスを数体配置していく。
「いきなり出てきてびっくりとか楽しみだ」
そしてだんだんと扉は開いていく。そこにはアリスの顔が見えてくる。
「あははは!!!!やっぱり『魔王の娘』か!!!!」
そして、完全に扉が開くと
「極大魔法『断絶する闇』」
黒い柱がミノタウロス達を飲み込んだ。
「・・・あ?」
ヴァンは一瞬何が起きたかわからなかった。何か来るとわかってよけたが遅く
「があああああああああああああ!!!!!!!!!」
左腕は消えていた。ヴァンは目の前にはあんなに楽しみにしていたアリスがいたが、腕が消えたことで起きた痛みはどうにもならなかった。
「・・・やっぱりあなたもいたのね。ヴァン・デスモンド」
冷静に呟くアリス。
「なにをしたああああ!!!!!『魔王の娘』ぇぇぇぇぇぇえ!」
怒りに任せ叫ぶヴァン。
「・・・行くよ」
今『魔王の娘』と『狂王』が激突する。




