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状況

 

「ハル・タラリスの様子はどうだ?」


「私とミーちゃんと他のヒーラーのみんなのおかげでだいぶ傷は治ったよ。今はだいぶ落ち着いているみたい」


 クレアは医務室と書いてある部屋から出てきた。出てくるとそこにはリアナが壁に寄りかかって立っていた。ヴァン・デスモンドから逃げたあとにクレアたちはチーム監査委員会のホームに来ていた。リアナがそこなら傷の手当てをするにはちょうどいいということですぐに向かったのだ。


「さすがヒーラーってところね。そして、さらにすごいのはミーシャもだけども」


「うん・・・前からそういうこともできるとは思っていたけど、ここまで能力が一緒になるとは思っていなかった」


 ミーシャは、ハルの寝ているベットの横で寝ていた。その姿はヒーラーの酷似している。偽装は体を変化させるだけではなく変わった職業のスキルや魔法を使うことができるようになる。高度な魔法は使うことはできないが中級魔法までは使える。今回はその偽装を使ってクレアのヒーラーになったのだ。そして、リアナは続けて気になっていることを聞こうとしていた。


「アリスは・・・?」


「・・・ずっとあのままよ。ハルの手を握って全く動かないの」


「ただでさえミノタウロスの一件があって恐怖と戦おうとしていたのに・・・その上心の支えになっていたハル君があんなことになるなんて・・・」


 アリスは、あの後も全く動くことはなかった。目はうつろになっていてハルをただ見つめるだけであった。


「しかし、なんてタイミングが悪いの・・・」


「ヴァン・デスモンド・・・あいつなんなの・・・職業はもしかして狂戦士・・・?でもそれにしてはあれは強力過ぎない・・・?」


「さっき言い損ねたんだけど・・・彼の職業は・・・『狂王』よ」


「『狂王』???!!」


「うん・・・『狂王』・・・狂付きの職業の最上位とされている職業。基本的な最初のスキルは私の狂歌と似ているんだけど・・・そのスキル、ヴァン・デスモンドの《狂鬼招来》は、そのステータスの向上力はその数倍以上だと言われている。そして、もうひとつの大きな特徴は・・・超回復」


「超回復ってまさか・・・」


「ええ・・・傷や魔法によるダメージをある一定の量自動回復していくの。流石に再生とかはしないらしいってきいたけどね」


「なるほど・・・だから、あんなダンジョンボスの無茶な攻略ができたということね」


「最近は『冥王』のおかけで大人しいって聞いてたんだけど・・・」


「・・・でも、こんな状況じゃミノタウロス討伐なんて・・・」


「流石にこの状況を聞けば会長も延長してくれるはずよ」


「それはだめだ」


「「!?」」


 沈んだ表情をしたふたりの前に現れたのはフォッカ・アリアーデだった。

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