違和感と実践へ
あれから数日。
やっとチームでの暮らしにも慣れてきたハルであった。しかし・・・
「おはよう、ハル」
「あの・・・毎回起きたら目の前にいられるとびっくりするんですが」
「習慣」
このように朝目が覚めると目の前にアリスがいるのだ。アリスはただでさえきれいな顔だと思っているハルにとっては毎回緊張してしまう。アリスの顔はかなりきれいでクールの顔という印象が強い。黒髪のセミロングというのがなおのことその美貌を際立たせていた。
「クレアがごはんだって」
「了解です」
基本的に家事全般はクレアがやっている。というよりもアリスが家事全般ができないのだ。あまりにもできないのでクレアが止めたくらいなのだ。今はハルも少しであるが家事を手伝っている。
「すみません。今日は寝てしまって・・・」
「大丈夫よーむしろたまに手伝ってくれるだけでもうれしいくらいだもん」
「私もやるのに・・・」
「あなたはやめて・・・」
「この前のすごかったですもんねーまさか洗濯機であんなことになるなんて」
「洗濯機が悪い」
「いや・・・」
あれは完全にアリスのせいだろうと思いながらも口に出せないハルであった。
アリスも家事を手伝おうという気が大いにある。ありすぎて困るくらいなのだ。この前のというのはアリスが洗濯をたまには自分でと言って洗剤を1箱洗濯機に入れて洗濯してしまったのだ。あの時は一面泡だらけという笑えない光景であった。
「そういえば、ハル君は体の調子はどう?」
「はい、もう完全に治りました」
「ならよかった」
さすがにこの数日間戦闘的な練習はそんなにできなかった(やろうとしたらクレアに止められた)おかげでいつものように治っていたのだ。
「でも、治り速いね。前からそうだったの?」
「うーん、傷の治りは確かに速い方なんですが・・・」
ハルはそれにしたってあまりにも早すぎる気がした。一応ステータスの恩恵を受けているのだろうか・・・
「ステータスカードは見た?」
「いや・・・見てないです。そろそろ見ないといけないことは分かっているんですが・・・」
「しょうがない。・・・本当に傷は治っているんだよね?」
アリスはパンを食べながらそう聞いてきた。
「はい。大丈夫です!」
その言葉を聞いたアリスはうーんと悩みながらハルに聞いてきた。
「ダンジョンいこうか」
「「!」」
「そろそろ傷も治ってきたならダンジョン攻略も必要になってくる。それにもしクエストを一回もやっていないチームのメンバーがいるとばれたら厄介」
チームに加入することが決まっているはずのものが何もやっていないとなるとそこから別のところに移動させられる可能性があるのだ。これは、怠け者のチームメンバーがいなくなることを目的とされているが今回それが悪く影響してしまう。
「もし、移されたらいい見世物とされちゃう」
「そう・・・ですよね」
自分の今の状態を理解してもやっぱり悔しさが残っているハルであった。
「だからこそ、クエストをやっていきステータスをあげていきましょう?」
「そうね、それなら、ステータスもクエストの件もどうにかなるわね」
そう言う二人の真剣さからハルは変わるためには自分から動くという決意が湧いてきた。
「はい、頑張ります!」
「装備は一応剣士用の一式はあるんだけど・・・新しく買った方がいいかな?」
「いえそんなもったいないです!それに・・・」
「それに?」
「装備に頼って強くなるんじゃなくてちゃんと強くなりたいです」
「・・・なら頑張って」
「大丈夫、私もついてる」
「はい」
ハルは二人の強い後押しとともにダンジョンに向かおうと決意したのであった。




